2018年3月19日月曜日

本物のお店vs残念なお店


2月の終わりに友達の提案でいちごのスイーツに特化したお店に立ち寄った。

地元ではすごく有名らしく、私も別の友達からそこのスイーツおいしいよと教えてもらっていた。

場所も知らないしスイーツをわざわざ買いに行くようなことも基本的にしない私は、その誘いがなければ自分で行かないから二つ返事で付いて行った。

店内は売場とカフェスペースとで、それぞれ各10~12畳ほどの広さでとても狭かった。

狭さはいいとして、気になったのはその売場の方に置いてある畳半畳ほどの大きさで高さは2m以上はあるだろう冷蔵機能を搭載したおしゃれなショーケースだった。

ショーケースには但し書きがあって、イタリアかどこかから直輸入で取り寄せたショーケースで、国内では修理不可能のものだから「絶対にさわらないでください」みたいなことが書かれた紙が貼られていた。

目を引くショーケースだから絶対にみんな見てしまう。

ましてや狭い店内ですごい存在感を出してるから近くに寄って見る方が人間心理として普通だと思う。

それに加えてショーケースの中には数少ない種類のお持ち帰り用のスイーツが入っていて、それは要はメニューそのものでもあるからみんな見てしまう。

別に触らないけれど、その言い方の刺々しさに何か冷たいものを感じた

そして私の立ち位置はどうも良くなかったらしく、何度も店員さんの邪魔になっていたし(他のお客さんたちとの兼ね合いで、他に立ち場所がなかった)、その都度丁寧だけど邪険に扱われてる感が本当に少しだけど出ていた。

空気でわかっちゃう感じだった。

しかも店主と思しき私とそんなに年の変わらないだろう男性から「店内ご利用ですか?」と言うことを聞かれた時も、何かその「絶対にさわらないでください」のオーラと同じような冷たさを感じた。

何かが本当にずれてるお店というのが私の感想だった。

いちごのシャーベットを私は頼んで、それは友達の車でみんなで食べたけれど、あぁ残念、消毒の味がした。

多分生のいちごを売りにしているから相当消毒とかには気を使っているんだと思う。

それゆえに消毒の味が残ってしまって、バカ舌でも気付いちゃうレベルだった。

お客さんもけっこう入ってはいたけれど、とにかく居心地の悪さはベスト3、ここ近年では堂々の1番という感じの店だった。

再訪はないし、お金を払ってまであのお店の商品を食べたり買ったりしたくないと思った。
 
誕生日の日、私は色々考えた結果、海辺でひとりピクニックを決行することにした。

どこかのお店でケーキを食べても落ち着かない感じがしたから、反対にケーキを道中で買ってそれを持って海に行こうと決めた。

海に行くまでの道ですぐ道沿いにあるケーキ屋を検索した。

1軒ヒットした。

よく考えたらそこはこのブログたちをアップするのによく使うネットカフェと同じ敷地内にあるお店で、あぁたしかに駐車場はさんで向かい側にあったなと思った。

前評判も聞いたことがないけれど、こじんまりとやっているのは知っていた

ちなみによくよく思い出すと、多分カットケーキを1つだけお店で買うのは人生で初めてだったと思う。

すごく緊張した。

たった1つのケーキを買うってお店からしたら迷惑とは違うけれど、あまりありがたい買い方ではないんじゃないかなと思った。

でも1つしかいらないから、1つだけを注文した。

「以上でよろしいですか?」というようなことも聞かれなかったのかもしれない。

とても丁寧に「かしこまりました。これからお包みするので少々お待ち下さい」というようなことを言われた。

とても感じが良かった。

「持ち歩きはどの程度のお時間でしょうか?」
「1時間ぐらいです」
「では1時間分の保冷剤を一緒にしておきますね」
と笑顔で言われた。

たった1つのケーキにそこまでしてもらうのが逆に恐縮したけれど、このお店はカットケーキ1つの時もホールケーキ1つの時も同じように対応してくれるんだろうなぁと思った。個数とか売上じゃなくて、目の前のお客さん1人1人を大切にしてくれるんだろうなぁというのがひしひしと伝わってきた。

本当に気持ちの良い対応だった。

最初の注文時から最後の清算時まで本当ににこにこと笑顔で、それが作った笑顔じゃないのは見ていて伝わった。

実際に海に着いてからケーキの箱を良く見てみるとこんな風になっていた。


あぁ本当に愛情に溢れてる対応でものすごく納得した。
ご愛嬌じゃなくて本物の愛情が入っている。

本当においしいものを作りたくて、そして食べる人がそれを食べておいしいと感じるような笑顔がこぼれるようなものを作りたい、そういう想いに溢れてるのが伝わるケーキだった。

張りきって海辺まで出たのはいいけれど、着いた時から突風で寒すぎて車の中に避難。

そのうち雨まで降り出してピクニックは中止せざるを得なくなった。

だからケーキも家で食べた。

ずっと行方不明だった漆塗りのお盆も出てきて、そこにきれいにセットして食べた。

写真見た友達と仕事の人から「ここどこ?」と聞かれたぐらいに素敵なセットになった。


食べて美味しいのはすぐにわかった。

繊細な感じで作られているのもわかった。

間違いなくまた今度そのお店に買いに行く。

それくらいにおいしいケーキだった。

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