有給休暇のとある1日
妹と2歳の姪っ子メイが金沢から帰省してきた。
1年間の有休を使いきった私には有休がなく、そこを上の人にお願いして翌週3月から支給される新たな有休を前倒しで使いたいと言ったら2つ返事で了承を得て、それで昨日今日と有休を取っている。
(来週の有休に当てている2日分は普通に出勤して、本来有休でもなんでもない昨日と今日はタイムシート上は出勤扱いにしてもらった)
そんな大人の事情も含んだ有休の使途は…。
自宅から徒歩1分のところに児童館がある。
そこにメイと5分くらいかけて歩いて行ってきた。
そこには十数回通っているメイの方が詳しくて、丸っと初心者の私の方がドギマギした。
妹から噂かねがね聞いていたけれど、本当にだだっ広い敷地で、そこに色んなおもちゃから大型の遊具まで置いている。
そんな充実型の施設なのに、冬で寒いということとあまり知られていないのかほとんど人が来ないということだった。
昨日はメイと奥の方にインフルで学級閉鎖になったと思しき小学生の女の子しかいなくて、その大きな施設を貸し切り状態で使えた。
物珍しいおもちゃが満載で、メイは喜び勇んでいた。
子どもの施設で働いていた20代、私が仕事で一番嫌いだった時間は幼稚園に通う前の小さな子どもたちと一緒に過ごす日中の時間だった。
特にマンツーマンで2時間ぐらい一緒に過ごすのは、私にとって拷問の他の何ものでもなかった。
子どもはすぐに遊びに飽きるし、たまに特定の遊びにはまることはあるけれど、それはエンドレス怪獣ごっことかままごと要素の高い○○ごっこで同じことを繰り返しさせられる。
それが嫌で私は3歳の子に3キロ近い距離を散歩させて過ごすということを何回もやった。
変な話、1人を見るより10人一斉に見る方が気持ちが楽だった。
バタバタしているうちに時間が過ぎるから、気にならない。
そんな私が10年ぶり以上に2歳の子どもと一緒にみっちり遊びだけをするというのは、ある種恐怖だった。
メイが指さすものを次から次へと出して遊ぶ方式でいってみた。
2歳児のするままごとはエンドレス同じことの繰り返しで、それが終わった時時計を見てあまり時間が経ってないことに心底がっかりした(苦笑)。
自分の姪っ子なら理由なしに可愛いから耐えられるのかと少し期待してみたりもしたけれど、そんな期待3回目ぐらいの同じ動きのままごとで見事に打ち砕かれた。
メイは超ニコニコだったけれど、この時の私の顔はさぞかしひきつっていたと思う。
ままごとの次は、木製のプラレールをやりたいと始まった。
それも全然構わなかったけれど、いかんせんそういう線路の組み立てとかが極端に苦手な私には、プラレールの部品たちを見てぞっとした。
これ組み立てられるの??という感じ。
しかもメイがこれを使えと1つ大きな踏切のついた道具も出してきた。
ますますわからない。
とりあえず繋げていけばなんとかなるだろうと思い、繋げ始めた。
途中からうっすらと気付いてはいたけれど、どこかから向きがおかしいのか凹凸の組み合わせがうまくない。
でもそんなのどこを直せばいいのかもわからず、しかも変に曲線になってるから、その扱いもどうしていいのかわからなかった。
どうすんのこれ?とぶつぶつ独り言言いながら、メイは楽しく完成部分に汽車を走らせて喜んでいたけれど、線路の繋がらない私は1人悪戦苦闘していた。
最後は私の力ではどうにもならないとあきらめ、こんな風に。
繋がっていなくてもそんなのは手で汽車を持ち上げて通過させればいいと開き直って、メイにもそのように実演したけれど、私の努力のかいも虚しく、メイは自分が気に入った大きな道具のところをひたすらリピートして汽車を走らせていた。
とりあえず頭を使ってぐったりしながらも、いらない道具をしまっていた時のこと。
メイは1メートル以上離れているのに何か臭い。
嫌な予感しかしなかったけれど、メイに聞いた。
「ねぇウンチした?」
「してない。ない!」
「見せて!」
「みない!」
もうこの否定っぷりはしている。
本当にしていない時は素直に「ないよ、みていいよ」と言ってくるから、この拒絶具合といい臭いといい、99%確信。
「じゃあしてなくていいから、少しだけ見せて!」
「しない!」
「おやつ食べようか?食べる前にちょっと見せて!」
「いいよ」
ようやく交渉成立。
広い施設の中には子ども用のトイレが2つもあるけれど、オムツをどこで替えるのかがわからない。
妹もおやつや出席シールや遊び方なんかは事細かに説明してくれたけれど、オムツについては「あ!一応かばんの中にオムツ入ってるから」の一言しか言わなかった。
妹はどこで替えていたんだろう?と思いながらきょろきょろしていると、おむつを替える台を見つけてそしてそこはカーテンで仕切れるのがわかった。
外でメイのオムツを替えたことない私は最初オムツ台を開いてセットしたけれど、よくよく考えたら横になられる方がもっと大変になるとすぐにわかって、立ったままオムツを替えることにした。
っていうか、家でもそうしていることを思い出した。
あまりにパニックで一瞬おかしなことを考えたけれど、そうじゃないことを思い出してようやく冷静になれた。
なんだろう、有休取ってまでしているメイのウンチのオムツ替え…。
絵文字の(-_-;)こんな顔になりそうだった。
ちなみに帰ってから妹に聞いたら、十数回行っている児童館でこれまで一度もウンチはしたことがないとのこと。
しかもメイは外だと緊張するのか外ですることはほとんどない。
よりにもよって昨日…。
だから妹も私に「出ないと思うけど、一応オムツ入れといたから」ととてもさらりと説明していた。
他のことはものすごい懇切丁寧に説明してくれてたけど…。
そんなまさかのウンチタイムが特大のおまけで付いてくるとは。
妹に「むしろ当たりじゃん!」と言われても全く嬉しくなかった。
その後もメイと1時間ほど児童館で遊んでから、家に戻って今度は妹と3人で美味しいランチの店と美味しい珈琲を入れる店をたまたま見つけて行ったけれど、とにかく私の有休はメイとの児童館とウンチによるオムツ替えに費やされたことが一番だったことを言いたい。
これまで色んな有休の使い方をしてきたけれど、こんな使い方は初めてで斬新だった。
でもよくよく考えてみたら、こんな風に有休を使ってまででもメイと過ごせるのなんて今しかないなと思った。
徒歩1分の児童館もメイにとってはとても楽しいお出かけだったし(その週、何と週5で通い詰め、さらには最後の日は午前は妹と、午後はばあさん(母)と2回も行った)、とにかく飽きることなく毎日毎日喜んでいた。
ウンチを変えたのは私だけだったけれど、それだって面白い(?)思い出になる。
思い出を作るために誰かといるというのは最高に粋な有休の使い方だなと思う。
【追記】
メイと妹が帰る日、帰る直前にメイと2人で私の部屋に行った。
メイは階段が好きで、用事がなくても一緒に2階に上がること何十回とあった。
私の部屋でメイと妹と3人で寝たし、メイはウンチをする時の十中八九は私の部屋に1人で行きそこで力んでた。
私の部屋は完全にメイのウンチ部屋と化した。
そこにメイと2人で出発する直前に行った。
メイは今回も私がオイルマッサージをすることを好んだ。
その時も別にマッサージの必要はなかったけれど、メイに「オイルぬりぬりする?」と聞いたら「うん!」と元気な声で返事が返ってきた。
もう出発寸前だから、足じゃなくて手のかさかさしたところに塗った。
メイの小さな手をさすりながら私は泣きそうになった。
あぁもうこの時はこの時しかないんだということがわかって、また塗ってあげたくてももうあと数分後にはメイたちはここを去るんだなと思うと、切ない気持ちになった。
メイは黙って私の手の動きを見ていたけれど、私はその小さな手とメイを見て泣きそうになるところをぐっと抑えるのに必死だった。
声が震えそうになりながら、メイに「じゃあ下に行こうか!」と言うのがやっとだった。
お気に入りの1枚。
このぶさいくな寝起き顔が可愛くて愛しくてしかたない。
ぶさかわいい顔で、自分の相棒のタイ生まれのトンプソン(ぬいぐるみ)とリップと一緒に。
この日の朝は、抱っこして下に連れていかれたことが不満で、
「じぶん、じぶん」
(自分で階段降りる)
と言って、もう一度2階に上がって自ら階段を降りてる様子。
アンパンマンのチョッキは、私がメイにプレゼント。
妹は絶対にキャラクターものを買わない主義だから
そこはおばが代わってメイの希望を叶えてあげることに!
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