2018年3月19日月曜日

ペンジュラムと器


3月15日の小春日和な日、家から60km離れた珈琲店でモーニングを皮きりに、その後も色んな楽しい用事を思い付くままに詰め込んで目一杯遊んだ(☆)
日も暮れた最後の方に、本来の目的だった洗顔ソープを買う予定がなんと在庫切れ。

今のところそのお店でしか売ってるところを見たことがなく、泣く泣くあきらめて店を後にした。

色々詰め込んだけれど、本来一番の目的はその洗顔ソープだった。

その一番のことが達成できず、ドッと疲れが出た。

ましてや色んなことをやり終えた後で、1日フル稼働だった体はもう限界に近かった。

90kmは運転し、これからまた70kmほどの運転も待っていた。

本当はもう1つの大きなショッピングセンターにも行きたかったけれど、体は休みたかったからそれも止めた。

こういう時、念のためにペンジュラムに「今から家に帰ります」と聞く。

ペンジュラムはNOを出してきて、例のもう1つのショッピングセンターに行くことを示した。

ウソでしょ?と思った。

私疲れてますけど!とペンジュラムを見て思った。

何度聞いても、そのショッピングセンターに行くがYES、行かないについては単なるNOではなく絶対的なNOを最初から出していた。

はっきり言って、その大きなショッピングセンターに私は用事がない。

買うものもない。

広いけれどどうしても見たい店もない。

それでもペンジュラムはYESしか出さなかった。

ここまでくると何かあるとしか思えず、老体に鞭打ってではないけれど、疲れた体を引っ張ってとりあえずそのショッピングセンターへ移動した。

私には何の目的もなかったから、極力動かなくて済むようにペンジュラムにいくつか車の中で質問をした。

行くのは1階だけでOKか?→YES。(2階や3階に上がる体力も気力もなし)
服を買うのか?→NO。(うん、買う予定最初からないよ)
もしかしてそこに洗顔ソープが売ってる(期待大)→NO。(ガーン)
別の何かのために行くのか?→YES。

1階のお店を思い浮かべる。

私が行く店はカルディ含めて5つほど。

だけどどれも今欲しいものは1つとしてない。

どこも用事がない。

そしてカルディ以外については気に入ったものがなければ絶対に買物をしない店たちばかり。

カルディだって基本的に必要なものしか買わないし、今家のストックが切れてるものは何もない。

ほんと何しに行くんだろう?と思って店内に入った。

服の店はすべてパスで、普段入りもしない化粧品屋に入って一応洗顔ソープがないか確認した。

案の定ない。

広すぎる店内は歩くだけで疲れるから、相当気になるものがない限りどこにも寄らずひたすらまっすぐ進んだ。

食器だけは見るのが好きだから、服屋に置いている食器売り場だけちょっと立ち寄った。

私は食器を見るのも好きだけれど、もしその食器を手にしたら…という妄想の時間も好きだ。

食器の妄想は毎回どこまでも行きすぎで、それを友達の前で何回か話したら大爆笑されるか冷ややかな目を向けられるかの毎回どちらかでしかない。

今回もここにケーキを乗せたら…とか、夢の結婚生活の食卓の朝食風景では…とどこまでも妄想が広がった。

そんなことしてる場合じゃなかった、疲れてるんだった!と我に返ってまた先へ先へと進んだ。

212kitchenという台所用雑貨店に入った。

ここも基本的に見るのは好きだけれど、いまいち趣味が合わないから、相当ピンポイントで必要なものがないと買物をしない。

名古屋時代も含めてこのお店には数十回通っているけれど、買ったのは弁当用の木のはし&はし入れと木製のお茶っぱなんかのさじみたいなのだけだったと思う。

器は量産的なものが多くてデザインや形があまり好きじゃないのと、そして値段もやたらと張るから買ったことがない。

だから今回も何の期待もせずに店の中に入った。

疲れてるから、私はセール品コーナーを見つけてまずはそこを見て、その後はまっすぐに食器コーナーに行った。

驚いた。

まさかまさかの昼間に買った器と同じ器が売られてるとは!

実はその昼間に買った器には全く別のストーリーがあった。

そもそも昼間に買った器は全く買う予定のものではなかった。

そしてもっと言うと、そのお店は偶然見つけた雑貨屋さんだった。

私はその日の昼、ずっと行ってみたかったシンガポール料理のお店に行った。

そのすぐ近くで、例の在庫切れだった洗顔ソープが売っている雑貨屋と同じ系列の店舗をたまたま見つけた。

だからそこで洗顔ソープがあれば、わざわざいつも買う店の方は行かなくて済むと思って寄った店だった。

洗顔ソープはなかった代わりに、器があった。

実は名古屋にいた頃から私はもう何年にも渡って、1人分用の煮物を盛り付ける中鉢が欲しかった。

1人分の肉じゃがとかそういう類いのもの。

ちょっと汁も一緒に盛らないと絵にならない、又はおいしくない、そういうものを盛るための器が欲しかった。

それに関しては相当探し回った。

ほぼ1日かけて大阪の千日前道具屋筋商店街で食器を探した時も、瀬戸焼で有名な瀬戸の町を1日かけて回った時も(それも数回)、東京の合羽橋でも、全国陶器市やドームで開かれたテーブルウェアフェスティバルの時も、とにかくどんなに探してもなかった。

何百どころか何千という単位の器を見ているけれど、どうも今の日本の食卓事情に合わないのか、ほとんど中鉢と呼べるようなものが売られていない。

いいなと思っても、重さがとか、値段がとか、触感がとか、デザインがとか…とにかく「これだ!」と思えるものがない。

いつだったか器の作家展のようなものに立ち寄った時、店番をしていた陶芸家の方に煮物を盛れるような器がなかなかないと言ったことがあった。

そうしたらその人がまさに私が見て回って得た感想と同じことを言っていて、今の日本ではその手のサイズの煮物の器をあまり積極的には作っていないのだそうだ。

ないわけではないけれど、数としてはかなり少ないとのことだった。

作っても業務用なんかの大量発注系が多くて、個人宅で使う用には出回る数も作られる数も相当少ないらしい。

そんなにも探しに探した器を、なんと予定もなかったその洗顔ソープを探すために入ったお店に置いてあった。

値段も650円とかわいくて、そして何より一目惚れだった。

しかも軽い。

私は重たい食器が好きではないし、普段使い&お手入れするのに異常なほどの緊張感を強いられる食器も好きじゃない。

それら全てをクリアしていた。

ただ1つだけ残念だったのは、その器がラス1(ラスト1)だったこと。

お店の人も出ている分だけという風に説明された。

この食器だけに関しては、2つ欲しかった。

ぱっと見て、まぁいつもの妄想と何が違うのかよくわからないけれど、なんとなく2つ持つイメージが出てきて、そしてそれを誰かと共に囲むというのが頭に浮かぶ器だった。

その誰かもいないのに、ましてや今後ますますお一人様生活の可能性濃厚なのに、どうしても2つ欲しいと思った器だった。

別に気に入ったら私は1つでも買うし、いつからか本気で1人で生きていく気がすると思ってからはもうどうでも2つもいらないわと開き直り、本当に1つしか買わないことが習慣づいていた。

しかももう長いこと食器を買っていない。

実家に住んでからは、実家の全く好きではないヤマザキのパン祭りの皿を中心に使っている。

名古屋から持ち帰ったものたちは、いつかの1人暮らしなり奇跡的な結婚を遂げた場合の時用に大切に保管している。

だから食器を買うこと自体もものすごく久しぶりだった。

多分3~4年ぶりだと思う。

そんな私が一目惚れした器で、そして珍しく2つ買いたいと思った。

だけど数は1つしかないから、もうそれはあきらめるしかないと思い、そしてペンジュラムに聞いても「買う」と出るから、あぁこれはすぐには使わないにしても買っても良いものなんだと思って買った。


という昼間の出来事&過去の色んなことが一気に浮かび上がり、それがまさかその212kitchenで同じものが売られてるとは、なんという偶然だろうと思った。

ちなみに212kitchenはどんなに行かなくても2ヶ月に一度は行っている。

そこのレギュラー化したお皿たちもよく存じ上げている。

イレギュラーで入ってくるものも毎回目にするけれど、どれ1つとして惚れたものには出合ったことがこれまでに一度もなかった。

基本的に趣味が私とは違う店なんだと片付けていた。

だからまさかその日に一度は2つ買うことをあきらめた一目惚れした器と同じ器が売ってるだなんて、天変地異もいいところだった。

そしてこの器のさらに高ポイントなところは、1つ1つ手作りゆえに色も表情も質感も全く違っている。

だから2つとして同じものがない。

今手元に2つあるけれど、2つとも全然似ていない。

さらに和が強すぎるわけでもなく洋でも普通に使える。

シチューでもサラダでもなんでもいける。

本当に素晴らしい出合いだった。

奇跡はまだ続き、レジに行った時のこと。

ちなみにショッピングセンターとはイオンのことだけれど、イオンのカードの提示を求められたことはこれまでにも多数あったけれど、一度も「ポイントを使われますか?」と聞かれたことはなかった。

なのに昨日は「92ポイントございますが、使われますか?」と聞かれた。

こんなこと初めてだった。

ますますラッキー♪と踊りたくなるぐらいに思い、そうしてくださいとお願いした。

ということで、この2つめの鉢は税込610円で購入できた。

これで一気に疲れが飛んだ。

ペンジュラムは何を知っていたのだろうと思う。

そりゃ行け行けと言うわけだと納得した。

本当に毎回毎回ペンジュラムには驚かされるけれど、今回もとびっきりの夢を1つ叶えて
くれた。


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