これは強がりではなく、本音の話。
「クリぼっち」クリスマスに1人ぼっちのことを指すらしい。
この2、3年で気付いたけれど、私クリスマス近くになればなるほどテンションが上がる。
よく考えたら、クリスマスデート的なものは学生時代に一度経験した?きりだと思う。
(それさえも記憶がかなり怪しい)
だからクリスマスに誰か恋人と過ごすとか、クリスマスデートをしたとか、そういう思い出がない。
いわゆる「クリぼっち」を毎年律儀に敢行している。
なのにこの20数年、クリスマスに嫌な思い出はない。
孤独を感じたクリスマスはある。
アメリカもドミニカ共和国も、クリスマスは家族との時間だから、招待してもらったのはありがたかったけれど、家族がいない寂しさや心許なさを体験した。
だけど、その時以外で、クリスマス1人だから寂しい(涙)とは気付けばなったことがない。
ちなみにアメリカにいた時に、うちは両親と私と妹2人の家族だとアメリカ人の友達に言ったら、「Your family is crazy. 」と冗談で笑いながら言ってきた人がいた。
彼はその後付け足して説明してくれた。
アメリカでは離婚は当たり前で、ずっと夫婦一緒なんてクレージーなんだよ!って。
でも私はその話よりもその後に彼が自嘲的に自分の家族の話をした時の寂しそうな顔の方が印象に残っている。
彼の両親はそれぞれ再婚して、さらに新しい子どもに新しいそれぞれのパートナーがいる。
それぞれが新しい家族でやり直していて、でももう成人したばかりの彼には、帰る場所がなかった。
帰れないわけじゃないけれど、居場所がない、そんな風なことを言っていた。
だから、日本でいうところの正月的な立ち位置になるクリスマスは、彼にとって拷問の他ならない年中行事だった。
クリスマスの孤独感を思う時、いつもその時の話が頭をかすめる。
だから、日本で独り身の人たちが1人で過ごすクリスマスとか言っても、私にはそのヘビー感がわからないから、話は適当に合わせられるけれど、心の中では「だから?」と若干毒付いている自分がいる(←怖っ)。
話は戻ってクリスマスに向けてテンションが上がる理由。
私はイルミネーションがすごく好きなんだと知ったのは35を過ぎてからだと思う。
イルミネーションなら何でも良くて、空気が冷たくてスッとしているところに、青とか白とかの色が灯っているあの様子がすごく好きで、いつ見てもほっこりする。
それは小さな商店街のものでも、ビジネス街でサラリーマンやOLの人が忙しなく行き交うようなところのものでも、何でも好き。
デパートなんかの豪華なクリスマスツリーの飾りを見るのも好きだし、讃美歌のようなクリスマスソングをしっとりと聴くのも好き。
ケーキやチキンも好きだし、なんだろう、クリスマス関連のものは基本的に好きなもので溢れ返っている。
何せ1人でもクリスマスパーティー的に家でクリスマスバージョンのごはんを食べるぐらいの人だから、なんなら超緊張しながらスパークリングワインの蓋を開けて1人で乾杯するぐらいだから、私には1人かどうかなんて全く関係ない。
イルミネーションは、カップルうじゃうじゃみたなところに行くとさすがにひとりぼっちだなぁとは多少感じるけれど、そういうところは避けるから、わりかし1人でも楽しんで見ている。
アメリカにいた頃は、クリスマス近くになると近所のクリスマスイルミネーションを見に行く小さなツアーを友達としていたぐらい。
一般家庭もその時ばかりはかなり気合いの入ったデコレーションを家の庭や屋根に施すから、見ていて飽きることがなかった。
去年は、無理矢理時間を作って、吉祥寺の駅前のイルミネーションを1人で眺めて何枚も写真に撮った。
施設で働いていた時は、何回かクリスマスイブに夜勤が当たって、当たるたびに真夜中にぶっしーサンタに扮して(衣装なし)プレゼントを子どもたちの枕元に置いて、そして朝になったら子どもたちの部屋を回って一緒に置いたチョコのゴミを回収しに行っていた。
名古屋にいた時、いつかのクリスマスイブに女の子の友達とパジャマパーティー(単なるお泊まり)をした。
その時はデパ地下のケーキをわざわざ予約してもらって、豪華なクリスマスディナーを家でした。
2人でカタログを見ながらケーキを選ぶその時間も楽しかった。
去年のクリスマスイブは、年がら年中旦那さんが休みの日は家にいない友達と一緒にファミレスで喋り倒した。
(旦那さんは浮気とかじゃなくきちんとした用事)
それも楽しかった。
そんな思い出ばかりだから、クリスマスが1人でも私は基本気にならない。
20代の頃、クリスマスでも何でもない普段の日常のある日に、当時付き合っていた人と大きなショッピングモールに出かけた。
日本国内で行ったショッピングモールの中で、そこは一番大きかった気がする。
オープンしたばかりで人もたくさんいた。
面積が元々広いところだったから、人が多くても人混みという感じではなく、わりかしゆったりと歩ける風だった。
私はそこにいた時、ひたすらカップルや自分たちぐらいの年齢の夫婦ばかりを見ていた。
私の目にはどの人たちも仲良さそうに映り、ケンカしているカップルでさえもケンカできるぐらいに仲が良いんだと思って見ていた。
当時はその人と付き合った中でも一番修羅場みたいな時期で、本当に心は荒(すさ)みまくっていた。
コミュニケーション全般が上手くいかず、何もかもがちぐはぐで、何で一緒にいるのかもわからないぐらいだった。
私はその時の方が本気の孤独を感じていた。
隣りには誰かいる。
はたから見て1人じゃないことになっている。
でも隣りに誰かいるのに、私は孤独だった。
1人の孤独より2人でいて尚も孤独という方が心に響いた。
寂しさは半端なかった。
1人の時よりも、2人でいて孤独を感じる方が本当に寂しいんだと知った。
今クリスマスイルミネーションを1人で見ていても平気なのは、その時のおかげだと思う。
初めから1人でそこに見に行くのは、1人ってはなからわかっているからいい。
でも誰かといて本当なら2人で楽しめるはずなのに、まるで1人でいるみたいな感覚、それはものすごくきつい。
感じ方は人それぞれだけど、私には後者の方が断然きつい。
だからクリぼっちとかそんなのははっきり言ってどうでもいい。
1つだけ願うとしたら、一生のうちに誰かと一緒にイルミネーションを見に行けたら最高だし、さらに言うと「今年も一緒に見れたね」と同じものを毎年繰り返して見ることができたらどんなにいいだろうと思う。
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