【がんばってください】
1月2日、妹の友達ふたりがそれぞれの第二子第三子の赤ちゃんプラス上の子どもを連れて我が家に遊びにきた。
妹の小学校からの友達で、私も何回か顔を合わせたりお宅に伺ったこともある。
そのうちの1人Cちゃんが帰る時、激しく雪が降り始めた。
家の目の前に車を止めていたけれど、小2になったお兄ちゃんは私と相合傘してまずは車へ、そしてはいはいを始めた赤ちゃんとCちゃんに1本傘を手渡して、私もその後に続いて車の前までもう一度行った。
お兄ちゃんに最後会った時はたしかまだ年長ぐらいで、大きくなったね~、あの時は全く話さなかったのに今は何か聞いたら普通に答えてくれるぐらいに大人になったね~なんて話をした。
ほんとよその子は大きくなるのが早い、そして3人も子育てしてるCちゃん本当にすごいわ!と本当に思ったことをそのまま口にした。
Cちゃんは私に、
「次はお姉さんの番ですよ!がんばってください!」
とそれはそれはとても自然に私に言ってくれた。
それもにこにこしながら。
30を過ぎた辺りから年々加速して、周りの人たちは結婚とか出産について何も触れてこなくなる。
そして関係性が遠ければ遠いほど、そういうことはもはやタブーのような内容になっていて、絶対に誰も何も言ってこない。
ましてや、結婚はまだしも子ども(妊娠出産)のこととなると「もう無理でしょ」と言わんばかりに周りは口を必ずつぐむ。
そっとしておいてくれることはありがたいし、それはそれで大人としてのマナーだからそれでいい。
でも、そんなのおかまいなしにCちゃんのようにさらりと私に「がんばってください!」なんて言ってくれる人はほぼほぼゼロだから、逆にCちゃんのまっすぐな言葉がとてつもなく嬉しかった。
大人になればなるほど、相手がどう受け取るかわからないから、単純に相手のしあわせを願うような言葉は言わなくなる。
相手の背景なんて相当親しくてもすべてわかるわけではないし、ましてや普段会うこともない、今回のような妹の友達となれば関係性はさらに遠くて、絶対に当たり障りないことを言うのが礼儀みたくなっている。
だけれど、Cちゃんは私が思ったままを口にしたように、Cちゃんも思ったままを口にして私に「がんばってください」と言ってくれたと思う。
言われた私がCちゃんの言葉にうれしくなったんだから、間違いない。
新年早々うれしいなと思いながら、Cちゃん親子を見送って家の中に戻った。
【年賀状リレー】
1月11日、大雪がすごくて3時過ぎに仕事から上がり、家に帰ってからやおら1時間駐車場の雪かきをした。
後半晴れてきて、なんと空にはオリオン座をはじめとする星がいくつか瞬き出した。
雪かきのご褒美みたいで、オリオン座の方に向かってスノーダンプを運ぶたびに何だか得した気分になった。
雪かきも終わり、車の中の荷物を出そうと携帯をさっとチェックした。
リーダーからLINEがきてた。
今年の年賀状も例年通り、年賀状が届いたら返事を出す方式で書いた。
遠く九州から年賀状が元旦に届き、52円で出せるというぎりぎりの1月7日に黒いボールペンで文章だけ書いた年賀状を送った。
絵も写真も、何なら色もない。
その年賀状が今日届いたのかどうかはわからない。
だけれど、リーダーはわざわざ年賀状のお礼と「今年、うまく行けば…お父さんになるかもです。」とおめでたいニュースも教えてくれた。
まだ安定期じゃないから周りに言ってないけれど…と付け加えてあったけれど、そんな時期にわざわざ教えてもらえたことが本当にうれしかった。
そしてもう少しメッセージをやりとりすると、リーダーは最後に「次はブッシーだ!」と締めくくっていた。
リーダーとは同い年で誕生日も数日違い。
ドミニカで「三十路会」なるものを同い年の3月生まれの4人で結成した。
色んな年齢の日本人がいる中で、同い年でしかも同じ3月生まれという偶然に4人は大盛り上がりした。
それが縁で今も続いている関係だ。
自分たちの30歳の誕生日を祝った時、私は自分の誕生日の日にだけつける日記帳にみんなからメッセージを書いてもらった。
リーダーからは色んな言葉の後、最後に「ママになったんだねってブッシーに言える日を心から楽しみにしています」という言葉をもらった。
名古屋でも5年ほどお互い近くに住んでいた(同じ市内で1時間ぐらいで行き来できる距離)。
ドミニカにいた時も名古屋にいた時も、どれだけたくさんリーダーと結婚について話をしたかわからない。
子どもについてもかなりマニアックな妄想を駆り立てて話した。
妄想ではなく、本当に描いた未来の人生を歩み出してるリーダーを見て、とてもほっこりとした気持ちになれた。
自分の年齢が上がったからなのか、それとも本当に自分の中に余裕というか卑屈にならず人のしあわせを喜べるような心持ちができたのか、真偽はわからないけれど、本当にリーダーの新しい家族の話はうれしかった。
そして次はブッシーだ!と言ってくれるその言葉も気持ちもうれしかった。
いつだったかリーダーと2人で岐阜に住んでいる友達を訪ねたことがあった。
3人目?の出産祝いだったか、その家族の仲良しぶりを見てくるのが目的だったのか忘れたけれど、しあわせな友達の姿は見ていてとても心が洗われたことは覚えてる。
その帰り道、リーダーが運転する車の中で私はぽつりとつぶやいた。
自分が今一番人生の中でどうしようもない時期で、こんな時に誰かと付き合うとかそういうことは全く考えられないし、そういう自分を見せられないというようなことを言った。
その時リーダーは大真面目に、静かにでもとても強くこんな風に返してきた。
「ブッシーそれは違うよ。
ブッシーが今一番ダメだと思っているなら、それこそ今がチャンスだよ。
ブッシーが一番ダメだと思っている自分をいいと言ってくれる人、そういう人こそ本物だし、そしてそういう人こそブッシーに一番合っている人だよ」
その瞬間だけ切り取ったみたいに憶えている。
何ならおおよその窓の外の風景まで憶えている。
リーダーの言葉に嘘はない。
いつも全力で何かを伝えてくれる。
だから今回も「次はブッシーだ!」というのは、リーダーが本気でそれを願ってくれているのがわかる。
Cちゃんの言葉もリーダーの言葉も両方とてもうれしかった。
本気で私のしあわせを願ってくれる人たちだというのが伝わってくるから。
それも、色んなことを考えずに、まっすぐに思ったままを言ってくれているのがわかるから。
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