昨日の夜、麦茶を煮だす用のお湯を沸かしていたにも関わらず、そんなことすっかり忘れていて
別のことをしていた。
途中、ゴムを燃やした時のような独特のにおいが鼻をつき、最初は電気ストーブに埃でも入って
焦げたのだろうと思ったけれど、においのするのはストーブとは別方向だった。
それではたと気付いてガスコンロのところに行ったら、なんと大量のお湯を沸かしたはずの鍋には
水など一滴も残っておらず、代わりに底面が濃い茶色になっていた。
本来は白い鍋だから、それはもうすごい変わりようで、それを見て一人ショックを受けていた。
まずは軽くスポンジで洗ったけれど、何も変化せず。
そしていつもするように、キッチンハイターを垂らして1~2時間様子見たけど、さして変わらず。
その後は、重曹の注意書きを読んだら鍋の焦げ落としに効くとあったから、重層撒いて水を張って
コンロにかけた。
一度目である程度は薄くなったけれど、それでもまだはっきりと茶色い底面。
もう一度祈るような気持ちで、重層水を作り直して沸かした。
最初に比べたら7割はきれいになった。
それでもまだ白いとは言えない状況で、今朝家を出る時に鍋に水を張り、そしてそこに最後の頼み
の綱でもう一度キッチンハイターをかなり多めに垂らした。
夕方家に戻り鍋をのぞくと、いつもの白い底面が現れた。
ようやく自分でも納得できる白さになって、ほっと胸をなでおろした。
そもそもこの鍋との付き合いは、今の家に引っ越してからわりかしすぐに手に入れたから、もう
かれこれ6年以上の付き合いになる。
野田琺瑯の月兎シリーズと呼ばれるホーロー鍋で、一応名前は「ミルクパン」となっている。
わたしは外が茶色いシリーズのものを1つ持っている。
当時誰に影響されたのかは忘れたけれど、引っ越したばかりの頃はインテリア雑誌やキッチン
周りの調度品系の雑誌をよく読んでいた。
多分そこで見て一目惚れして、自分で雑貨屋を歩き回って探し出したような気がする。
今となっては記憶も曖昧で、店舗で買ったのかネットで注文したのかも定かじゃない。
だけど、とにかくその鍋が欲しくて買ったことだけは憶えている。
当時も今も変わらないけれど、基本的にわたしはフライパン1つで全ての料理をする。
26cmの深鍋タイプのフライパンは、もう何代買い換えたのか忘れた。
最初のフライパンは、そのホーロー鍋と共に色を揃えて茶色のちょっとお洒落なブランドのものを
手にしたけれど、テフロンは剥げるとわかってからは、もうブランドにはこだわらなくなった。
代わりに軽くて使い勝手が良さそうなものをホームセンターで調達してくる。
大体2年もたない。
だから何でも良くなった。
料理全般はそれで事足りるから良いけれど、ちょっとお湯を沸かしたいとかいうのにフライパン
だと大袈裟すぎるし使い勝手が悪い。
やかんも考えたけれど、やかんになるとお湯を沸かす以外に用途がなく、そのくせ場所を取るから
候補から一瞬で消えた。
そこで考えたのが、このミルクパンと呼ばれる小さな鍋だった。
わたしの当時の読みは大当たりで、たしかにメインはお湯を沸かすことになっているけれど、その
他にも野菜やマカロニも茹でるし、味噌汁も作る。
丁度良い大きさで、本当に重宝している。
手入れも適当だけれど、その適当な感じでも長持ちしてくれるところもものすごく好感度が高い。
ズボラさんには、「手入れが面倒ではない」というのはものすごく重要ポイントだ。
だから気付いたら6年以上ずっと変わらずに使い続けている。
今後も壊れない限りは使い続ける予定で、おそらく20年30年選手になってくれるだろうと思って
いる。
そんな風に日々自然と考えていたから、昨日の鍋焦げ事件にはものすごく焦った。
これからも使い続ける予定だったのに、こんな風になられては!とものすごく必死だった。
その焦げを取る作業の最中に、この鍋との出逢いを思い出していた。
いつの頃からか、良いものを長く使い続けることに憧れるようになった。
今さっき鍋の値段を見たら3000円になっていて、たかが3000円程度のものがこんなにも長く
愛用品になるとは思いもよらなかった。
洋服以上に日々使っているのに、洋服の3000円はたかが知れているしそんなにも長持ちは
期待できないけれど、これが鍋になった途端、こんなにも長く日々の生活で大活躍してくれる。
しかも末長く使えような感じだ。
一体いつ傷付いたのか全く憶えていないけれど、1箇所だけホーローが剥げたところがある。
とても小さいし、鍋の淵の部分だし、全然気にならない。
むしろそれが、わたし独自の鍋のトレードマークのようになっていて気に入ってさえいる。
味があるというか、長年使っていますのアピールのようで好きだ。
今回色々思い出したことで、鍋への思いも新たにした。
そして最低限、鍋焦がしだけはやらかさないように気をつけようと自分に誓ってみた。
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