これまで毎年秋から冬になると、朝の暗さがとても残念で何ともがっかりな1日の始まりなどと
思っていた。
あの空の暗さに気持ちが呑み込まれてしまいそうで、あまり好きではなかった。
ところが最近、この暗さに惹かれている自分がいる。
最近は5時半~6時過ぎに目覚めることが続いていて、そのままうだうだと布団で過ごし、そして
頭がすっきりし出す少し前にノートを取り出し書きものを始める。
いっぱい書くわけではないし、1行書いてはぼーっとすることも多いけれど、その何とも言えない
暗さに電気スタンドのぽっと灯った感じ、そして体はまだ布団の中というその全部が粋だ。
最中に「粋だ」なんて感じるほどに頭も体も起き上がってはいないけれど、なんとなくそのまったりと
した感じと空の暗さがマッチしていて、こういうのもいいなぁと思う。
もちろん町全体はまだ眠っている雰囲気が漂っているから、外は静かだし、近くのアパートの貯水
タンクと思しき音が時折聞こえるぐらい。
外の明るさが増し出すと、1羽2羽と鳥の鳴き声も耳にする。
春や夏のような元気で軽快な鳥の鳴き声とはいかなくても、少しずつ夜明けになっている感じが
鳥の声を通して伝わってくる。
夜が明けるまでが長いだけあって、そのペースに自分も合わせてゆっくりと起きる。
中にはがばっと起き上がる日もあるけれど、基本はゆっくりだ。
秋の夜長というのは1日の終わりの夜だけじゃなくて、朝を迎える直前の夜も含まれている気が
してならない。
夜が長い分、静かな時間も増える。
静かな時間に目が覚めて、自分だけの世界にどっぷりと浸り、そして少しずつ目覚めていく。
こういうのを粋と思えるようになったのは、なんとなく大人の階段を上った気分だ。
これからますます寒さも増し、布団から体を出すのが億劫になってくるけれど、今年はこれまでに
体験しなかった「暗さ」を満喫したいと思っている。
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