2015年10月23日金曜日

粋な朝の秋の時間

これまで毎年秋から冬になると、朝の暗さがとても残念で何ともがっかりな1日の始まりなどと

思っていた。

あの空の暗さに気持ちが呑み込まれてしまいそうで、あまり好きではなかった。

ところが最近、この暗さに惹かれている自分がいる。

最近は5時半~6時過ぎに目覚めることが続いていて、そのままうだうだと布団で過ごし、そして

頭がすっきりし出す少し前にノートを取り出し書きものを始める。

いっぱい書くわけではないし、1行書いてはぼーっとすることも多いけれど、その何とも言えない

暗さに電気スタンドのぽっと灯った感じ、そして体はまだ布団の中というその全部が粋だ。

最中に「粋だ」なんて感じるほどに頭も体も起き上がってはいないけれど、なんとなくそのまったりと

した感じと空の暗さがマッチしていて、こういうのもいいなぁと思う。

もちろん町全体はまだ眠っている雰囲気が漂っているから、外は静かだし、近くのアパートの貯水

タンクと思しき音が時折聞こえるぐらい。

外の明るさが増し出すと、1羽2羽と鳥の鳴き声も耳にする。

春や夏のような元気で軽快な鳥の鳴き声とはいかなくても、少しずつ夜明けになっている感じが

鳥の声を通して伝わってくる。

夜が明けるまでが長いだけあって、そのペースに自分も合わせてゆっくりと起きる。

中にはがばっと起き上がる日もあるけれど、基本はゆっくりだ。

秋の夜長というのは1日の終わりの夜だけじゃなくて、朝を迎える直前の夜も含まれている気が

してならない。

夜が長い分、静かな時間も増える。

静かな時間に目が覚めて、自分だけの世界にどっぷりと浸り、そして少しずつ目覚めていく。

こういうのを粋と思えるようになったのは、なんとなく大人の階段を上った気分だ。

これからますます寒さも増し、布団から体を出すのが億劫になってくるけれど、今年はこれまでに

体験しなかった「暗さ」を満喫したいと思っている。

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