2015年12月12日土曜日

夜の掃除

1日休みだった今日。

雲はあるものの天気も良く、掃除日和だなぁと思いながら朝を迎えた。

午前中は洗濯機を回しながらパソコンでの所用を足していた。

あっという間にお昼になり、妹からもらった南アフリカ産のスパイスと半額のしらすを使って、

久しぶりにパスタを作って食べた。

南アフリカ産のスパイスは、黒胡椒の粒をごりごりと回しながらすりおろすタイプの容器と同じ容器

に入っていて、すりおろすとちょっとした隠しアクセントになって良かった。

玉ねぎのスライスと豚肉、あとはしょうゆとバターでどんな味になるのか想像できないまま作った。

思いの外おいしくでき、久しぶりに自分でも満足するパスタが出来上がった。

その後はさっさと掃除をして、色々溜めこんだ家のことを1つずつ片付けていこうと思っていた。

ところが少し昼寝をしようと横になると、そこからは睡魔にひたすら襲われて、気付けば短い昼寝

を何度も何度も繰り返した。

今思えば疲れていたことがわかる。

2週間休みなしで動いていた上に今週は4日連続残業、さらには精神的ダメージも職場で浴びる

ほどに起こり、心身共々疲弊していた。

だからあの昼間の睡魔は、もう体が発していた悲鳴に近かった。

夕方近くになり、今日はもうこのままどろんして明日を迎えようと思い始めた頃。

なぜか突然体の中でしゃきっとするものが湧きあがってきて、まずは洗濯物を畳んだ。

今日は久しぶりに布団も干していた。

折角布団がきれいになったのに、掃除をしていない部屋が気になりだした。

完璧な掃除はいいから、せめて夜気持ち良く眠れる位に部屋を整えようと思い、掃除を始めた。

多分時計は7時を回っていただろう。

掃除が終わったのは8時を過ぎた頃。

できれば朝の時間帯に掃除をする方が気持ち良いのは知っている。

朝の方がすっきりさわやかになることもわかっている。

それでも今日みたいに体がSOSを出していたら、休まざるを得ない。

それで気付けば夜暗くなってからの掃除。

もっと気持ち悪いものかと思えば、夜の掃除は夜の掃除で良かった。

朝みたいに1日時間がたっぷりとあるわけではなく、ある程度1日の中で残りの時間が限られて

いて、それがかえって気を引き締める効果をもたらした。

近所も1日の終わりに向けて静まり返っている。

その静けさの中で20年以上慣れ親しんだ音楽をかけてひたすら掃いては拭き掃いては拭きを

繰り返した。

今部屋の中は見違えるほど空気がぴりりとしている。

整った証拠だ。

今思い出して、慌てて柏手を家の中で数ヶ所打ってきたけれど、音が通るのがわかる。

どういう原理なのか知らないけれど、掃除をした後に柏手を打つと音が空間に響き渡る。

柏手を打つのは、家の空気を良い状態に保つだったか、良い気を流すだったか、そういう理由

だったかと思う。

変な言い方だけど、掃除をするとこの小さなアパートの部屋も喜んでいるように思う。

大切に扱ってもらえてるというのか、そこは人も空間も同じだなぁなんて思ってしまう。

もちろん空間に口はないから「きれいになって気持ちいい」などとは言わないけれど、そういう

気持ちのようなものが空間から伝わってくる。


この文章を書いていて、久しぶりにこのブログの原点を思い出した。

掃除の時、2年前の手帳代わりに使っていた薄い小さなノートが出てきた。

少しだけぱらぱらとめくっていると、「『心』『書くこと』『生活』この3つを結びつける」とあった。

その思いは2年経った今も変わっていない。

「心」と「生活」は密着している。

「心」のことを自分がずっと追い求めて勉強したり実践を積んだりしていても、心のことは常に

日々生きている生活とものすごく密接な関係にある。

「心」のことは難しい理論をいくら机上で学んでもわかることではない。

むしろ日々の営みと結びつけたところにそれらの難しい理論がすっと入ってくる感じだ。

生活を抜いたところでの心の話は、どこか上っ面な感じがしてならない。

そして上っ面なところだけを追い求めると、俗に言う「怪しい宗教」だの「怪しい教え」になる。

そうならないためにも、生活や日々生きていることと結び付けて考える方がわたしは自然だと

思っている。

そして、それらの思いを発信する手段としてわたしは「書く」を選んだ。

だから「心」も「生活」も「書くこと」も、すべてが揃って初めて三重奏のように1つのものが

出来上がる。

今日ここに書いたことは、まさに「心」の話で「生活」の話でもあって、そしてそれらをこうして「書く」

ことで表現している。

書いていて気持ち良い。

部屋が整っているおかげもあるけれど、とにかくすべてが1つの方向に手を取り合って進んでいる

様がとても気持ち良い。

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