ある年の同じ日はどんな天気だったんだろう・・・。
どんな天気のもと、1つの命は誕生したんだろう。
自分の人生を心底憎んでいる人に人生で初めて出逢った。
当時を思えば、同じぐらいもしくはもっときつい人生を送っている人に何人も出逢っていた。
だけれども、口にしてまで自分の人生や自分の命を憎んでいる人に逢ったことがなかった。
森山直太朗の歌の歌詞「この真っ白いキャンバスにあなたなら何を描きますか」が頭をよぎる。
とりあえず何枚もある直太朗のCDから目星をつけて1枚のCDを手に取った。
直太朗の歌は、「歌詞は知っていても題名は知らない」というのが多い。
この歌ももれなくそのタイプだ。
歌詞カードの文面を目で追い、題名を今知った。
『太陽』。
ぴったりだ。
自分の命を丸ごと憎んでいた人の性格を表すなら『太陽』そのものだ。
この間、ある情報が欲しくて、片っ端からノートを何冊も引っくり返して血眼で探した日があった。
5冊目の小さなノートにその情報はあったのだけど、途中で開いた別のノートのメモが目に入った。
全部は読まなかったけど、そこにはある占い師さんから言われたことをそのままメモしていた。
「救世主」とは書いていなかったけど、救世主現る、位の存在だった。
占い師さんはこんな風に表現してくれた。
「あなたがろうそくなら、その人物はあなたの火が消えないように燃料となったり、風が吹いたら
消えないように楯となったりする人よ。」
DSみたいな電子辞書みたいな機械にピピッとわたしの生年月日か何かを打ち込んで、それを
見ながらある年のある月を突然指し、
「この時にあなた心が粉々になるような出来事があったでしょう?その時に現れたのがその人物」
と言い切った。
その出来事のことなんか1つもその占い師さんに話していない。
ヒントになることすら言っていない。
その不思議な機械は一体何をその占い師さんに伝えたのだろう。
摩訶不思議な気分に包まれながら、的を射た占い師さんの発言にもう言葉も出なかった。
「銀河に浮かぶこの辺鄙(へんぴ)な惑星(ほし)の六十億分の物語
それは終わらない約束
草木も眠るあの聖なる夜に 偶然あなたが生まれ落ちた
輝く奇跡を信じ 生きる」
~『太陽』 森山直太朗より~
出逢いと別れを繰り返しながら人生は続いていく。
雨が降って、太陽が顔出して、その下で人と人とが出逢って別れて。
思い通りにいかないことも、自分が望んでいることと真逆なことが人生で起ころうとも、
人生は淡々と続いていく。
毎日きっかりと朝を迎えて夜が更けていく。
10回目の今日は、「自分の中でひと区切り」という言葉が浮かんだ。
どう完結していいのかもわからずダラダラと時間だけが過ぎ、気付いたら10回もの年を越して、
でも10回目を迎えたらこれまでの9回には決して表れなかった「ひと区切り」が生まれた。
「輝く奇跡を信じ 生きる」
直太朗の言葉の通りに生きているのかもしれない。
「目眩(めくるめ)く些細な悩みは
とりあえず今は置いておいて
そのうち忘れればいい」
~『太陽』より~
悩みを出したり脇に置いたりを繰り返した10年。
それが臨界点に達して、気付いたら、忘れられるようになったのかもしれない。
だから「自分の中でひと区切り」が生まれたのかもしれない。
小雨の中、蝉の鳴き声があちらこちらから聞こえた。
灰色の空を2羽のカワサギと思しき白い大きな鳥たちが飛んでいた。
雨に混ざった風の中を、わたしの体は通過していった。
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