人それぞれ休日の計画の立て方は違うけれど、私の場合『引きこもりデー』なるものを必ず設ける。
先々週の週末はコンタクトを買うために眼科に。
それは先週末、美容院に行って矯正縮毛(薬で髪の毛を真っ直ぐにする)をかけるために。
縮毛矯正をかけたら、髪の毛にクセがつかないように、メガネの代わりに次の日と次の次の日はコンタクトにする(自分なりのこだわり)。
で、その肝心のコンタクトがなくて、それで先々週の週末に眼科へ。
先週末は美容院へ。
来週末は金沢に行って姪っ子のお世話。
となると、何もない週末は今週だけで、だから私は完全に引きこもる計画を立てた。
数ヶ月ぶりに連絡がきた人からの誘いを断ってでも私はとにかく引きこもろうと決めた。
この数日、仕事が実におかしなスケジュールが組まれて連日残業していたけれど(上層部の管理ミスというか管理怠惰によって、ありえない締切設定がなされた)、週末に悶々とするのは嫌だから、とにかくキリの良い形に収まるように金曜日はきっちりとやり切った。
気持ち良く引きこもれるように、余計な心配事や懸念事はとことんカットした。
そういうためなら、がんばれる。
(常にやる気なし子)
金曜日、1週間の疲れ+残業合わせた10時間勤務でグッタリなはずなのに!、私は仕事の後、なんと6軒もの店に出かけた(うち1軒は用事)。
引きこもるために、途中で外に出なくてすむよう必要な食料や飲み物を買い込んだ。
*
続きを書く前に、引きこもりたいのに迷い出してる日曜の朝の今。
晴天。
雲1つない晴天、の日曜の朝6時過ぎ。
遠出は絶対にしないけれど、少しは外に出たくなる天気。
こういう天気が一番困る。
昨日はこの後書くけれど、ほんの一瞬、超面倒ではあったけれども、面倒くささを上回る理由があってささっと出かけてきた。
所要時間5分とか10分。
でも昨日は雲も多くて、何にも気にならなかったけれど、今日は雲1つない。
いくら春でも、ここまで雲がなくて晴れの休日はとっても珍しい。
本当に少しだけ外に出るのでいいんだけれど、いかんせん用事がない。
こんな天気、世の中の人々も外に出たいだろうから、人混みのあるところには出かけたくない。
ウォーキングは気が向かない。
どうしよう…。
これ書きながらまた続きは考えよう。
*
上の日曜の朝を書いたついでに、昨日の土曜の少しのお出かけについて書こう。
昨日(4/10土曜)のお出かけは、冒頭の写真のために出かけた。
金曜の夜、数軒お店を巡った1軒で鯛の切身を買った。
高級食材の鯛を買う予定なんか全くなかったけれども、それが身厚でおいしそうな上、値段半額の100円!!!
タラララッララー☆
私の中で「アクアパッツァ」が即座に思い浮かんだ。
しれっとアクアパッツァとか言っているけれども、冒頭の写真の料理アクアパッツァは人生で初めて作った。
アクアパッツァの正式な日本語訳は知らないけれども、言うなれば魚介の白ワイン蒸しになる。
鯛の切身はアクアパッツァ以外に私の中には思い浮かばなかった。
で、そこまで思い浮かんだくせして、なんならそのスーパーとは別のスーパーで安くなっていたパセリを何の予定もなくカゴに入れたくせして(パセリもアクアパッツァにはあった方がいい)、肝心のにんにくと白ワインを買い忘れた。
白ワインは日本酒で代わりはできるけれども、にんにくは代わりがない。
私は1人暮らしの時はにんにくを絶やすことがなかったけれども、今の親と一緒の家ではにんにくのストックというものがない。
営業マンだった父のこだわりで、にんにくは基本的に食卓に一切上がらなかった。
そして母は、人からにんにくをもらうと、それをすぐに醤油に漬けてにんにく醤油を作るから生のにんにくが残らない。(田舎は農作物をあれこれいただく文化がある。)
だからうちにはにんにくが無い。
だけど、アクアパッツァにはいる。
仕方ない、にんにくを買いに行こう、そしてついでに白ワインも買おうと相なった。
たかがスーパーのために着替えるのも面倒で、部屋着のまま上にニットのカーディガン羽織って出た。
面倒だと感じるとどこまでも適当な自分と、誰にも会わないと思ってすごい格好でも出かけられる自分をあっぱれ半分呆れ半分で見ながら出かけた。
正味20分程度でしかなかったと思う。
ミニトマトまで半額だったのと、大粒の加熱用牡蠣がグラム198円で安かったのとで、それらもかごに入れた。
そして、夜になって初アクアパッツァをネットで見つけたクックパッドの簡単レシピを見て、おおよそその通りに作ったら、もうあまりの美味しさにバクバクと食べた。
何この激うま料理は!!!、と1人で白ワイン開けて、アクアパッツァというより魚介の白ワイン蒸しを食べながら思った。
人生初のアクアパッツァは、何でこれまで一度も作らなかったのかものすごく後悔するくらいにおいしかった。
しかも、味付けはしなくても魚介類から良い出汁が出るし、失敗するところがない。
ホタルイカは大量に入ったものが半額だった時に買っていくつかに分けて冷凍したもので、ホタルイカの刺身は飽きてそのままにしてあったものを使った。
アサリはスーパーで売っている剥きアサリ(中国産)で十分事足りる。
アサリだけは何で中国産しか普段見かけないのか、この間テレビを見て初めて知った。
今日本国内で採れるアサリは、市場に出回る1割しかないとのことで、だからか〜と納得した。
白ワインは安いもので十分だし、とにかく簡単に作れる。
クックパッドいわく、どうでも鯛じゃなくても良いらしく、他の魚でもいけるとのこと。
でも個人的に、人生で食べた鯛の中で一番おいしくいただけたのが今回のアクアパッツァだった。
*
朝二度寝をしたら、出ることが面倒くさくなって多分このまま出ないと思う。
昼間はトマトソース的なパスタにする予定で、昨日の余った白ワインと一緒に昼飲みしてそのままダラダラとテレビやら録画した番組やらを見て過ごすのもいいなぁと今は思っている。(日曜の正午前)
とにかく私にとって、「誰にも何にも邪魔されない休息日」というのが本当に必要になる。
昨日土曜日も今日日曜日も、自分が気にならない程度の家事はした。
今さっきは荒れに荒れた自分の部屋をそこそこきれいにした。
それで今日1日の家事はやり切った!と思っているから、あとはつまみを作って飲んだりはたまたテレビを見る、またはウトウトうたた寝をするとか、そんなんで十分に満たされる。
誘いを断ったというのもこんな風だった。
「もし出かけたとするなら…」と想像を一瞬のうちにした。
そもそも時間とお金を使ってまで会いたい相手なのかというとそうじゃない。
さらには誘われた内容も、自分が確実に疲れることがすぐにわかった。
多くの人はその内容を楽しむイベントだと思うけれど、私は間違いなく気遣いをする。
気遣いをしなければいけない相手ではなくても、自分が自分のペースでは動けないというのは私にとって別の気遣いが必要になる。
人と比べたことがないからわからないけれども、私というのは私にしかわからないペースがある。
すごい動いたかと思えば、突然何もしなくなったり、とにかくON/OFFの切り替えが自分でも読めないくらいに激しい。
何もしなければその激しさに1人で適当に合わせておけばいいけれども、これが自分以外の誰かがいるとなるとそうも言ってられなくなる。
とにかく「自分のペースが一番大事」主義者たちと集うのはものすごく楽だし、そういう人たち相手だと変な気遣いや気兼ねがいらないから、私は私のままだし、相手たちも相手のままでいいから、皆が皆自分のペースのままなのになぜか一体感が生まれているという奇跡的な時間を過ごせる。
今でも長く付き合っている人たちはみんなそのスタイルの人たちばかりだと気付いた。
でも、そういう人たちはとても稀(まれ)であって、それを他の人たち全員に求めていたらキリがなくなる。
今回の誘われた相手はまだ互いにペースも掴めないし、もしかしたら掴めぬままで終わるかもしれなくて、とにかく私は1人で家に完全に引きこもれるように自分の時間を手配した。
*
これを書こうと思った時に、大学1年の頃の夏休みを思い出した。
秋学期・春学期と1年目を終えると、5月の途中から8月末くらいまで文字通り3ヶ月の夏休みに入る。
その3ヶ月の夏休みが私にとって人生で初めての引きこもり的な時間だった。
親から4年間帰ってくるなと言われていた私には日本帰国の選択肢はもちろんなく、夏学期を取ることも経済的に無理で、まだバイト云々というのも当時はわからなくてやらなかった。(ビザの関係で学生は大学内のみのバイトがOKだった)
ちょうど寮から一人暮らしのアパートに移ったばかりで、私はそのアパートにほぼほぼ1日中いた。
当時の暮らしさえ覚えている。
朝適当な時間に起きてごはんを作って食べて、昼からは超ドロドロのメロドラマを見て(ストーリーの一部も覚えている)、夕方気が向けば近くの河原に散歩に行って、あとはまた家に戻ってごはん食べてシャワー浴びたりなんだりして寝る。
時々友達に会ったけれども、それでも3ヶ月の8〜9割はそのスタイルで過ごした。
メロドラマはすごくて、姉妹で男を奪うわ(片方は不倫)、子どもは物のようにあちらこちらにやられたり、監禁されたり、はたまたクローン人間を作ってそのクローンと本物の妻とで旦那を奪い合うみたいな、壮絶すぎる内容だった。
はちゃめちゃな内容だけど、見るのをやめられない中毒性の高いメロドラマだった。
その時間はテレビ視聴に忙しいから電話には出れないと公言していた。
滅多にかかってこない電話よりも私はメロドラマを優先させる人間で、今こうして書くとけっこうな変わり者だったかもしれない…と思った。
こんなこと言うとさらにツッコミどころ満載だけれど、私が「変わり者だったかもしれない」と書くのは、私にとってはそれが普通の日常だったわけで別におかしなことや異端なことをしている気はさらさらなかった。
とにかくそんな風で、私は19歳の夏に早々と引きこもりの素質を開花させていた。
その後からは30代に入るまではノンストップで駆け抜けたと記憶している。
それが初めてだったのかどうかは記憶がないけれど、学習塾の仕事をしていた頃に、私は契約社員になれたことで社員旅行に行かなくて良くなった時があった。
社員なら有無を言わさず強制参加だったけれども(しかも宿に着いたら着いたで各グループごとに出し物の練習をしなきゃいけなくて、全くもってのんびりする時間もなくこんな旅行嫌だと思った)、契約社員は行かなくて良かった。
正社員よりも契約社員の方が絶対に良いと思ったのもその会社の時だった。(世にも珍しい契約社員人気の職場で、私は当時その特殊な雇用形態の第一号みたいな人で、そうなりたい人たち数人からどうしたらその待遇で契約社員になれるかを相談されたりもした。)
それでたしか2連休か3連休になって、それで私は引きこもりを決行した。
あんなにも喜んだ引きこもり時間も多分それまでになくて、今でもその時に引きこもり前に買物に出かけた時の風景や気持ちをよく覚えている。
*
日曜日の外に出る出ない結論は、最終的に「出る用事」を作った。
近所のドラッグストアに明日以降の朝のパンを買いに行くことにした。
それなら徒歩5分だし、少し外に出れるからいいなぁと思った。
外に出てみて、どうして私が外に出るのがストレスになるのかよくわかった。
まず出ようとしたら、隣りの家のお父さんもちょうど外に出ていて、挨拶するぐらいはいいけれども何とも面倒だと思った。
隣りのお父さんは多分すごい照れ屋さんで、ガッツリ正面からかち合わない限り挨拶を避けたがる。
お父さんが違う方を向いてそちらに歩き出した時に私はさっと家を出た。
本当は隣りの家の前を通る予定でいたけれども、今なら隣りのお父さんに会わずに行けると思って、反対の方から出た。
角を曲がってすぐのところで絶句した。
近所に同級生の小川くんがいる。
(小川くんと呼んだことはない)
白のスバルLEVORGだけが止まっていて、普段のご両親の青い車がなかった。
そして、白のスバルは洗車中だった。
小川くんらしい姿も見えて、何かを取りに行ってる風の時にそそくさとその横を通り過ぎた。
家の玄関を出て1分くらいでどっと疲れた。
子どもの頃の小川くんはスーパーシャイで、そして子どもの頃の私もすごく内気で、そんな2人が今顔を合わせても挨拶することの方がはばかられる。
私を見ても同級生の武士俣だとは気付かない可能性も高い。
というか、そもそも小川くんは今ここには住んでないから、そもそもどうして今日実家に帰省していて、さらには外に出て車の洗車をしているなんて、実家に戻って今年が5年目になるけれど、そんなの初めてのことだった。
よりにもよって何で今なの!?と思ったけれども、一生に一度しか体験し得ないような偶然、小川くんwith白のスバルLEVORG洗車中のすぐ横を通り過ぎる、をうっかり体験してしまった。
予定不調和すぎる。
私が外に出るのが面倒なのはそういうのもあって面倒に感じている。
部屋着のまま外に出たものの、うっかり変なことになって、青空も小春日和な心地よさも味わう前に早くパンを買って早く帰りたいと思った。
*
今回の引きこもりはプチ引きこもりみたいな感じになったけれども、すごく気持ちは満たされた。
テレビは録り溜めた番組をいくつか見た。
ヒューマンドラマ系をいくつか見て、ゲラゲラ笑ったりウルウルと涙流したり、その自由な感じが良かった。
イタリアン系のメニューの時に、にんにくは最初ではなくて途中で入れる方が香りが立っておいしくなることも知った。
日曜日の昼間はトマトソース風のパスタをそのやり方で作って、自分史上最高においしいパスタができた。
部屋もそこそこ片付いたし、こうして何回かに分けてブログも書けた。
良い風に満たされて、また明日月曜日からがんばれる。
とにかく自分のために自分1人の時間を作ること、そしてその時はとことん自分の欲望のままに全て任せること、そうすると自分が満たされる。
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