2016年1月16日土曜日

物の選び方

30代に入って大きく変わったことの1つに物の選び方がある。

消耗品と身につけるものとで分けると、消耗品は相変わらずで身につけるものの選び方が大きく

変わった。

消耗品に関して言えば、食料やシャンプー、洗剤なんかの日用品は食べられたら使えたらそして

安ければ基本的に何でもいいと思っている。

それらの中で唯一こだわっているとしたら調味料位だけど、調味料だって人からいただけば、

たとえそれが添加物入りでも気にせずにありがたく使わせてもらう。

所詮こだわっていると言っても、年に何回でもない調味料購入の時に少しこだわる程度。

身につけるものは、20代の投資が30代にもそのまま続けて使えると知ってから、物の選び方が

変わった。

10代や20代の頃は流行が大事で、いくらファッションなんかにあまり興味のないわたしでも、

季節に合わせた服を毎年何かしらは新調していた。

また当時は、まだ母の勤めている服飾関係の会社からくるもので自分好みのものが少なかったと

いうのもある。

かばんについても然りで、とりあえず色んなかばんを買っていた。

当時は種類を多く持つことが大切だと考えていたから。

そして実家暮らしだった故、収納スペースは今の10倍以上あったから、物を増やしても自分の

生活スペースを圧迫するような問題は一切なかった。

30代に入って一番大きな最初の転機は、収納スペースの問題だった。

一畳分ほどの底面積に天井までの高さの収納スペースしか今の住まいにはない。

そこに布団2組(敷布団+掛布団)と大小各1のスーツケース、暖房器具、シーズン物の靴、

そして服を収納する。

この中で唯一大きさ・数を調整して収納できるのは衣類だけとなるから、衣類とかばんに関しては

選りすぐったものだけを残している。

それ故に毎年の流行を追いかけていたらえらいことになるわけで、定番で長く使えるものを自然と

選ぶようになったのが最初。

何も流行を追うのをやめようと思ったのではなく、物理的な問題でそうせざるを得なかったから

単にそうなったというだけのこと。

最初はそんな理由で始まった物の選び方だったけれど、ここ1、2年で新たなことにも気付いた。

本当に良いものは、末長く使えるということ。

例えば20代の頃、大枚をはたいてバーバリーの鞄を1つ買った。

大枚と言っても3枚~5枚の範疇だったと思われる。

5万円も出したとは思えないから、3万円前後だったような気がする。

滅多に使わないけれど、結婚式にも持って行けるし、前の仕事は卒業式や入学式なんかも行く

ことがあったからそういう時にも活躍していた。

今バーバリーのサイトを見たら当時と同じデザインのものはもう扱っていないみたいだけど、

似たようなものが20万越えでびっくらこいた。

噂かねがね聞いてはいたけれど、まさか買った当時、バーバリーの経営方針が変わって驚く位の

値上がりをするなんて想像だにしていなかった。

バーバリーは活躍の機会が少ないけれど、日常使いしている革のかばんたちはもうどれも10年

選手になっている。

そろそろ傷んできたけれども、先日わたしのその愛用鞄を見た年配の方が、

「それ捨てるのもったいないわよ。修理してでも使い続けた方がいいわよ。

もうそういうのってなかなか手に入らないから」

と言ってくださった。

それを聞いて余計とこれからも長く使おうと思っている。

先日は、妹の結婚祝いのお返しでもらった腕時計のベルト交換をした。

自分で買ったわけではないけれど、大層良い時計だと思う。

時計の裏面にMADE IN FRANCEの刻印があり、どこぞのフランスの職人が作りそして日本に

運び込まれ妹夫婦が見つけ今わたしの手元にあると思うたびに今も感動を覚える。

電池交換はもう2度ほどしているし、ベルト交換は今回初ではあったけれど、これもまた生まれ

変わったように輝きを増している。

28歳の時に金属アレルギーを発症してからピアスもネックレスも金属製の腕時計も全部駄目に

なってしまったけれど、妹夫婦から贈られたベルト部分は革製、時計部分と金具の部分は

何かしらの金属である時計では、一度もアレルギーを起こしていない。

時計が壊れない限り、生涯現役で使い続けようと思っている。

こうして気付くと、良いものはとにかく長持ちで頑丈だ。

デザインも落ち着いているから、流行り廃りもなくそしてどんなシーンにも合う。

服はヒートテックとか綿シャツ以外はほとんど買うことがないけれど、母の会社経由でやってきた

衣類たちは実に長持ちしている。

中でも冬用のコート3枚と春秋用の薄いコート1枚は、すでに30代ずっと通しで使っている。

10代20代の頃には決してわからなかった物の良さが30代まで使い続けてようやく知ることと

なり、そして今はいかに長く飽きずに使えるかということを主眼において身につけるものは選ぶ

ことがうんと増えた。

今は多くなくていいから、良いものを末長くと思っている。

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