2018年3月1日木曜日

最初で最後のお食事会

明日の夜職場のお食事会がある。

これまで全ての飲み会を断ってきた。

たとえ長の送別会でも私は欠席した。

1つの飲み会以外は、時間とお金をそこに使いたくなかった。

無駄とまでは思わないけれど、何せ職場ではほとんど喋らない私にとって、いきなり飲み会はハードルが高すぎた。

1つの飲み会だけは、ギリギリまで迷った。

行く気持ち1割、行かない気持ち9割の中、幹事の人にはいつが最後の返事の締切かだけ聞いて、本当に最後の最後まで迷った。

行って気まずい思いをする自分と、当日の後さらに悶々とする自分が思い浮かんで、自分の心臓がもたないと判断した。

幹事の人には断りを入れた。

なんなら予約を入れる直前だったかと思う、念のためともう一度確認された記憶がある。

欠席してはダメという会ではなかったと思うけれど、出欠を再確認されて事の重大さを知った。

それでも私は自分の心の平和のために、とは言わなかったけど、別の適当な理由を付けて断った。

プレゼント代を出したいとは言ったけど、それはなんとなくうやむやのまま終わった。

一瞬だけ菓子とか栄養ドリンクとかを個人的に渡そうかとも考えたけど、なんだかそれさえも嫌がられそうで全てやめた。

飲み会もちょっとしたおつかれさまギフトも全てやめた。

その後も2、3回別の会に声をかけてもらったけど、毎回適当なこと言って断った。

その私が今回は自ら参加を希望した。

お世話になった人が来週から県外に出向する。

出向する期間はある程度決まってるみたいだけど、多分戻ってくる頃には今度は私が入れ違いでいない。

その人ともう1人の出向予定の人のちょっとした激励会的な感じで集まると幹事の人が説明してくれたから、私は元々入ってた用事を断ってそちらに行くことにした。

もう最後だし、今ならこじんまりとした会で且つ誰が近くになっても喋れるかなと思ったから、それで行こうと決めた。

場所は美味しい焼肉屋さん。

そこは1年前の秋に一度だけ行った。

不思議な縁だと思う。

その1年前の秋の日、私はその近くに用事があって、そこで私は迷子になって、なんと今の職場の真ん前にたどり着いた。

今考えても変な偶然だった。

今の職場はそこに行こうと思わない限り絶対に通らない道沿いにある。

そんな場所に迷子になるなんてよほどのことだと思う。

まさか未来の職場に行き着くとは当時想像だにしていなかった。

さらにその日、当時の職場の人のオススメで、明日行く焼肉屋さんを紹介されて、そこにその時待ち合わせた女の子と一緒に行ってきた。

まさかその店がその未来の職場の飲み会の定番だとは知らず、本当に偶然だらけのことが今の今に繋がっている。

今日の仕事中、色んなことを思い返していた。

まずはすれ違いになるだろう2人には前倒しでお菓子を用意しようと決めた。

2人の食の好みに詳しそうな人に聞いたら、2人ともスイーツ好きと判明した(1人はスイーツ男子と呼ばれるぐらいに好きなのは知ってた)。

仕事帰りにお菓子屋さんに寄って調達しようと考えた。

ちょっとしたありがとうメッセージも付けようと決めた。

特にお世話になった人にはきちんと挨拶しようと思った。

私は今の仕事が扱っているサービスに関して、全く知識がない。

おとといもアルファベットと数字とカタカナで書かれた部品と写真を照合するという仕事を頼まれたはいいけれど、私にはどの写真を見ても全て金属製の箱にしか見えず、手伝っているのか足手まといになっているのか判断の難しいところだった(汗)。

そんな私が事務的な部分を少しお手伝いするのはそれが仕事だから私的にはそれで良かったけれど、お手伝いされる側からしたらこんなにも知識のない私が担当されるのは多少なりとも負担が増えているのは否めなかった。

伝票整理をしても伝票に記されている名前がわからないのだから、そういうことが少しでもあると全てその人を頼っていた。

間違えると私だけが困るのはいいけれど、相手やその先の人たち全体に迷惑が及ぶのはわかりきってたから、毎回しつこいほどにわからないものは質問という名の丸投げをやり続けた。

それでもその人はどんなに忙しくても自分の仕事で手一杯でも、嫌な顔1つせず、毎回質問という名の丸投げの私の要望に付き合ってくれた。

そして何か私にお願いする時も申し訳なさそうにしてるのが返って申し訳なく、派遣だとかそんなの関係なく人としてやり取りしてくれてるのが本当に嬉しかった。

その人やこの数ヶ月ほぼ毎日顔を合わせて仲良くなれた人たちと最初で最後のお食事会、今なら他を断ってでも行きたいという気持ちになった。

そういうものを今の職場には1ミリも求めていなかったから、そういう気持ちになれたことがただただ嬉しい。

そして生涯で最後となるなら、それはもう楽しんだ者勝ちだなと思うから、楽しんで行ってこようと思ってる。

なんなら飲み大好きな私が明日はノンアルで参戦する。

そんな飲み会、もういつぶりかもわからない。

でも私は飲んでも飲まなくても同じテンションだから、そのままの自分で楽しめたらいいなと思う。

帰り道、地元のお菓子屋に寄った。

本当はモナカが美味しいお店のものを買いたかったけど、着いたら閉まってた。

止むを得ず、美味しいと評判の店に行って2人分お菓子を買った。

お手頃価格の菓子を見て、これ辞める時もここの菓子にしようと決めた。

下見もできて一石二鳥だった。

ちょっとしたメッセージはこれからか明日の朝早く起きて書く。

特に世話になった方の人には、思いつくままにお礼を細かく書いて渡そうと思ってる。

久しぶりに職場の人へのお菓子を用意したけれど、それを自発的に喜んで用意できたことも嬉しかった。

1つ前の職場は人数が多かったから、仲の良い人たち数人と合同で渡したけれど、私は買い物には行かずお金だけ渡した。

その1つ前は史上最低なお礼のお菓子の用意で、あんなにも気持ちのない贈り物ならしない方が何十倍もいいと思った。

これまでにも仕事の数だけお菓子の用意やお礼の品の用意はあったけど、今回はその中でもかなり気持ち良く用意できたものの1つだった。

そうできるのは相手の人柄あってこそだから、そんな人と一緒に仕事をさせてもらえたのは本当にありがたかった。

相手が抜けてるところがあっても、正直私は気にならなかった。

それよりもどんな時も心穏やかにやり取りできたことの方が私には大切なポイントだったから、相手の多少の抜け加減はもうあとはできる人たちがフォローしたらいいぐらいに思って見てた。

ちなみにこの方は今日もお菓子のことやお礼の手紙に何を書くかということを考えさせる時間を私に与えてくれて、相手はもちろんそんなつもりはないのはわかってるけど、私は私でものすごく助けられた。

事の次第はこんなところからスタートした。

今日から新しい女の子が1人入った。

そしてその子がとっても可愛い子だった。

本当にお世辞とかじゃなく、真面目に可愛い子だった。

それがまさかとんでもない方向に話が広がるとは思ってなかった。

あまりに可愛くて、同僚の方は仕事中そのことをラインしたという話を私に教えてくれた。

そこまでは良かった。

その後、どんな返事が来たかも聞く羽目になって、聞いた言葉を抹消してしまいたかった。

聞いた言葉は一瞬で色んなことが駆け巡るスイッチになっていて、私はその話を面白がるフリして、心は沈みまくってた。

心臓を一突きされた気分だった。

誰も悪くないし、反応してるのは私だけで、そんなの私の問題だというのはわかってても、心中穏やかではなかった。

そんな時に私はそこから逃げたくて、お菓子の予定やお礼の手紙を考えることに全力投球した。

聞きたくなくても聞かなかったことにはできないし、仕事中だから仕事をしなきゃいけない。

そんな時にお世話になった人へのお菓子の候補を考えたり何を書くかを考えるのは、とても良い気分転換になった。

その人の存在にこんな風にも助けられるなんて思ってもみなかったけれど、本当に最後までありがたいぐらいにふと救われる瞬間をたくさんもらった。

夏のある土曜日、あるスーパーをうろついていたら「ぶしまたさん!」と呼ぶ声が耳に届いた。

辺りを見渡すと相手はその人で、普通に職場で会う時と変わらずに挨拶してくれた。

またどこかでばったり会うことがあれば、この人にはまたそんな風に挨拶できるだろうなと思ってる。

そんなこんなの思い出にもう少し人数を増やしてもう1つプラスアルファの思い出を明日作ってこようと思う。

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