2018年2月11日日曜日

スープカレーと未来事典


私の中のマイルールの1つに、誰かから奇妙な提案があったらその通りに動いてみるというのがある。

2017年12月3日。

場所は東京吉祥寺。

私はスープカレーを出すお店の中にいた。

 

数年前からスープカレーにはまった。

20代の頃、友達の結婚式で初めて北海道は札幌に行った時、スープカレーを初めて食したけれど、それが全然美味しいと感じず、もう生涯でスープカレーを食べることはないだろうと思っていた。

それがどういう理由だったのか今となっては全く思い出せないけれど、突然思いついたかのように、名古屋でスープカレー屋さんに数年前1人で行ってきた。

突然食べたくなったのか何なのか本当にその理由が一切思い出せないけれど、札幌に本店があるスープカレー屋さんに行ったのは間違いない。

ほとんど期待せずに行ったのに、行ってみて食べたらあまりにも美味しくてびっくりした。

それ以来、東京に行くと時間と場所の都合がつけば、スープカレー屋さんを探して食べている。

本場北海道で食べれない代わりに、食の宝庫東京に行った時に食べるということを始めるようになったのが3年位前だろうか。

一度自分でも作ってみたけれど、あの味の深さは家で出すのが難しく、それがわかって以来私はスープカレー屋さんに行けそうなチャンスがあれば行くようにしている。

2017年12月3日はその年3回目のスープカレー屋さんだった。

「吉祥寺 スープカレー」で検索して、過去に一度行ったお店は除外して、そうすると選択肢はわずかだった。

そのうちの1つのお店に行った。

私のことだから、その時だってペンジュラムを使って店を決めたと思う。

スープカレーを食べに行くのはこれまでだってしていたから、後はお店の居心地が良いといいなぁぐらいにしか思わずお店の扉を開いた。

書いていて色々思い出した。

窓側の方に3つテーブルがあって、そのうちのまんなかは既に男性の1人客が座っていた。

私は左右どちらのテーブルでも良かったけれど、なんとなく右側の方がいいと思い、右側のテーブルを選んだ。

ああいう時のなんとなくって実は大切なんだなと今になって思う。

なぜなら左側のテーブルに座ったとしたら、私がその後実際に体験したことは体験できないようになっていたから。

席に着くと、丁度見える位置に本が置いてあった。

壁側がちょっとした本棚のようになっていて、そこにある本は自由に読めるようになっていた。

もし左側の席だったなら、私は反対の右側の壁にある本たちに目もくれなかったんじゃないかと思っている。

最初誕生日辞典を手に取ったけれど、珍しくあまりぴんとこない誕生日辞典で、すぐに元の位置に戻した。

壁の本たちに目をやると「未来事典」と題された本があった。



それも誕生日辞典の類いだとわかり、手に取って席に戻った。

そんな分厚い本、しかも分厚くても自分の誕生日は366日ある中の1日=1~2ページ分だけ読むために買うのは何ともあほらしいから、自分では絶対に買わない。

だからスープカレーの到着を待つまでに読むには丁度良いだろうと思って、読み始めた。

実際に開いてみて、これまで見た誕生日辞典とは1つ大きく異なっていた。

見たことある人ならわかると思うけれど、基本的に誕生日辞典は見開き1ページが1日分の誕生日の解説になっている。

ところが未来事典は見開いたページの左側に私の誕生日含めた3日分の誕生日がざっくりと紹介され、反対の右側にはいまいちよくわからないメッセージが書かれていた。

そのよくわからないメッセージはこの3日分の人に向けられたメッセージという風でもなく、そもそもこれは使い方を見ないとわからないぞと思って、使い方のページを読んでいった。

本に書かれている計算をして、そして計算式にあてはめて出された数字のページを見ると今の自分の年齢や1年前1年後という具合に、1年1年のテーマが書かれていた。

1年ごとのテーマの部分が、まさに今の自分や1年前の自分にぴったりで驚いた。

それが面白くてスマホで写真を撮ったりもした。

そうこうしているうちにスープカレーが運ばれてきて、女店主さんが私に話しかけてきた。

「その本面白いですよね。もし気に入ったなら、近くのコンビニでコピーしてきてもいいですよ。まぁ携帯で写真も撮られたようなのでそれでもいいんですが、本当に良かったらコピーを取りに行かれても大丈夫ですから」

最初私はぽかんとした。

これまでだって色んなお店で色んな本や雑誌を見て過ごしたことは数限りなくあるけれど、その読んだ本のコピーを取ってきてもいいなんて言われたのは初めてだった。

次はその日のメインイベントの、過去に何回かお世話になっている占い師のおばちゃんとの約束が迫っていて、時間的にもそんなに余裕はなかった。

でもふと思った。

そもそも何でこの人は私にコピーを取ることを勧めているんだろう?って。

流れとしてはかなり変すぎる。

今はわからないけれど、これが何か意味があって言われてることなんじゃないかと勘の方が働いた。

そして1年ずつコピーすることで、去年と今年を振り返ってそこに何か書きこんでもいいし、また数年先もコピーしておけば自分なりの未来の指針になるかなと思った。

せっかくの(奇妙な)提案だったから、私は実際に食べ終えてから近くのコンビニの場所を教えてもらいコピーを取ってきた。

見直そうと思いながら目につくところのクリアファイルに入れて2ヶ月近くが経過した。

 

節分の前日。

ホロスコープ鑑定書がデータで届いた。

20枚ある鑑定書を1つ1つ読み進めていった。

最後の方に今年の流れのメッセージがあった。

読んでいて「私この文章どこかで読んだ」と内容よりもまず先にその既視感のような感覚を覚えた。

どこで読んだんだろう…と考えていくうちに、もしかしてと思ってスープカレーのお店で声を掛けられてコピーさせてもらった紙を探して読んだ。

びっくりした。

言葉は多少違うけれど、その紙に書かれていたことがホロスコープ鑑定書にも書かれていた。

あぁもうその時にすでにこの未来が定まっていたんだろうなぁと思った。

スープカレーを食べることも、占い師のおばちゃんに会うために吉祥寺に行ったのも、もっとさかのぼってなぜかスープカレーがある日突然とてつもなく食べたくなったのも、全部全部繋がっていた。

1つ1つは時間差もあれば、全く何の関係性もないようなことたちの集まりだけれど、それでもやっぱり根底では繋がっている。

私に大切なメッセージを届けるために、そこに向かって色んな小道具たちが集まる。

1つ1つの小道具は持ち込まれてもさっぱり意味がわからないけれど、それがある日ドラマの舞台の上にぽんと置かれると全体像が見える。

そのストーリーの中でそれぞれの小道具がどんな風な役割を演じているのかがわかるようになっている。

私はもう迷わなかった。

これで合っていると思えた。

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