2019年8月21日水曜日

秋の仕事初日








米の収穫所ということ以外、何をするのか知らないまま初日を迎えた。

担当者から行けばわかります、と言われた通り、行けばすぐにわかるようになっていた。

田んぼの脇の県道みたいなところをひた走ると、突然大きな建物が出てきて、そこに行けば良かった。

ただ、駐車場はどれが使って良くてどれが使って悪いかわからずにウロウロぐるぐると回った。

そもそも朝、ゲリラ豪雨のように大雨となって、果たして今日は仕事があるんだろうかと思った。

初日雨が降った場合どうするのか、肝心要のことを聞き忘れた。

朝から迷惑と知っていても、私とて行く行かないでその後の動きが変わるから、朝から担当者の方の携帯を鳴らした。

今週は下準備があるから、雨が降っても行くことになってます、と今さらのように確認して、それでそのまま支度して出かけた。

色々見どころ満載の職場だった。

新潟県内ならどこでもよく見る米の倉庫のような大型の建物。

その内部は、最低限の設備は整っていて、とりあえず室内は空調があるとわかって良かった。

関係ないけれど、これを書いてる今は昼休みで、誰も喋らないテーブルを3人の男性と1人の女性、そして私の計5人で囲んで、それぞれが黙々と食べている。

男性陣の弁当の充実ぶりとは反対に、私はおにぎり2つと相変わらず弁当避けをしている。

室内に空調があるのとポットがあるとわかったから、弁当としてサンドイッチとカップラーメンはいけるとわかった。

サンドイッチはすごく手間がかかると思われているけれど、そんなことは全くない。

マヨネーズ塗って適当な具材を挟んで切ってラップで包んで終わり。

野菜類の水切りをどうしてるのかと聞かれたことがある。

ザ・適当人間は、そんなのパッパと適当に手で野菜を持ってフリフリして水を切るだけ。

それで終わる。

もしくは、それさえも面倒なら、ゆで卵を潰して卵サンドでいく。

自分の分はそれを食べるけれど、他人様にはとてもじゃないけれど渡せない代物になっている。

だから、誰にも食べさせたことはない。

そんな風で、とりあえず設備の確認は終了。

仕事はひたすら黙々と米なのかヌカなのかを入れる金属製のケージに、ケージの補強をするためのひもを片結びして、そこにカバー的なものを入れたらまたそれもひもを結ぶという作業を延々とした。
(写真に少しだけ写ってるのがそのケージ)

「まむすびはしないようにね」

そう言われて、何のことかわからなかったけれど、とりあえず片結びすればいいのはわかったからやり始めた。

ある意味想定通りというかやらかすかな…なんて思ったら正解で、片結びはいいけれど、どちらのひもを長くすると見た目的にバランスの取れた片結びになるのかわからず、何十本とやった午前中、とりあえず右側を長くすると大丈夫なのはわかってきた。

だけどそれでも私のはバランスがとってもおかしくて、他の人たちのものと比べると恐ろしいぐらいの出来具合いになっている。

こういう時の私の神がかり的な不器用さは群を抜いていて、子ども時代のオール1だった頃の自分を思い出す。

相変わらず、体を使ったり指先を使ったりする作業の不器用さは健在で、これは死ぬまでそうなんだろうなぁと思った。

関係ないけれど、この令和という時代にも関わらず、米の収穫に関わる作業の多くは手作業で、AIとは何ぞや?みたいなことになっていた。

私たちが使ったひもだって、業務用の大きなひもの束を、四隅にボルトみたいな釘が打たれた板を使って、そこをひたすら人がぐるぐるとひもを巻きつけて、それでひものカットをしていた。

Σ((((;゚Д゚)))))))?ってなった。

誰もスーパーや量販店で買う米が、そうした人の手作業なくしては袋詰めすらされないなんて知らないだろうなぁと思った。←私ももちろん知らなかった。

職場の見どころ満載・その1。

男性と女性と色んな方たちがいらっしゃる中で、1人だけ目を引く髪型をしていてものすごく驚いた。

最初は正面しか見えなくて気付かなかったけれど、よくよく見たら腰ぐらいまである長さの髪を1つ結びにして、そのあとそれを下まで三つ編みにしていた。

Σ(꒪◊꒪; )))) ←多分私はこんな顔になったと思う。

ネイティブ・アメリカンの人たちや中南米の原住民とされる種族の男性たちが長い髪を三つ編みにして結ってるあの感じにそっくりだった。

日本国内もいくつかの町に住んだけれど、そんな髪型の人は大都市含めて見かけたことがこれまでに一度もなかった。

この三つ編みさん、まだまだネタをたくさん提供してくれていて。

ある時、三つ編みさんが電話していたすぐ横を私は通った。

「もちもち、〇〇ですけど」

「もしもし」じゃなくて「もちもち」Σ(꒪◊꒪; )) ?

それが相手も慣れているのか普通に応対してる風で、私は驚きすぎて思わずチラ見してしまった。

えーえーえーΣ(꒪◊꒪; )))) Σ(꒪◊꒪; ))))

何このすごい電話!?

昼休み、みんな室内に戻る。

室内は入口が1箇所しかない。

当然入ったら全員が通る場所というのがある。

もちもち三つ編みさんは、なんとそこでちょうど着替えをしていて、いきなり私は下半身パンツ姿のもちもち三つ編みさんを見ることになった。

髪の毛に劣らず、足も野獣のように毛むくじゃらだった。

そして最後きわめつけは、今回の写真をたったさっき外に出て撮りに行ったら、もちもち三つ編みさんも外に出ていて、なんと持参したとしか思えないローラースケートみたいな子どもがバランスを取って乗るタイプのボードに乗っていて、もちもち電話をしている最中だったΣ(꒪◊꒪; )))) 。
(多分、「バランススクーター」と呼ばれるものだと思う。)

たかが3時間ほどの時間でここまでネタ提供をしてくれる人に初めて会った。

ちなみにもちもち三つ編みさんはみんなから愛されてるようで、色んな人たちから声を掛けられている。

愛されキャラらしい。

ある意味、超絶ぶっ飛んでいるのに、周りから愛されていて羨ましい限りだった。

ツッコミどころ満載過ぎるけれど、人は良さそうだし、もしこの期間に仲良くなれたら、私は間違いなくもちもち三つ編みさんに三つ編みの理由を聞いちゃうと思う 笑。




もちもち三つ編みさんは良いとして、次のツッコミどころは、おばちゃんたち。

派遣会社からは人はみんな良い人たちですよ〜と聞かされていた。

そうでありますように…と願ったら、たしかに今日から一緒に始める人や多くの人たちは良さそうな雰囲気だった。

だけど中には、毎年レギュラーメンバーで来てそうなおばちゃん2人組がいて、見るからに苦手なタイプの人たちだった。

日焼けも凄そうだから初日様子を見て、すっぴんで行けそうなら2日目からはすっぴんで行こうかと思ってた。

誰にも会わないし、どうせ帽子をかぶったり汗で色々流れたら同じと思って、私の中では「すっぴんで行けますように!」とおかしな願い事をしていた。

だけど、おばちゃんたちを見てそれはやめようかと思った。

田舎のおばちゃんあるあるで、何層にも塗りたくったファンデーションで、多分汗じゃ簡単にファンデーションは流れない。

更年期で汗かきまくりだろうが、流れそうにもないそのバッチリなファンデーションに口紅も明るいピンク、もうかなりガッツリの化粧をしていた。

すっぴんだと目立つかしら…とか思いながら、ちなみに化粧してても化粧してるとわからないけれど、化粧が汗で落ちることで化粧してたんだとバレるような私は、明日以降どうしようかと思案中。

若い男の子も同年代の男性もいたけれど、ここは出会いの場とかデートじゃないし、そんなことより日焼け対策が大事だから、それを頭に入れて明日以降どうしようかと迷っている。

ちなみに、最低限の化粧をするようになったのは、ある時にあるエッセイで、30代過ぎたいい年した大人の女がすっぴんだと、はたから見て何か変な思想を持っている人と思われやすいと知った著者が、36歳からはするようになったと書いていたのを見てからだった。

で、そのおばちゃんたちから早速洗礼を受けた私。

↑上は昼休みに書いた。
↓下は終業後に書いた。

おばちゃんたちの洗礼は「心配」や「気にかけてる風」を装っての、釘刺しだった( ̄∀ ̄;)。

日差しがすごいから帽子なんかの用意が必要と言われた。

そこまではいい。

その後が凄かった。

「去年来ていた子で、全身すごい装備で来ていた子がいて、帽子かぶってタオルでさらに顔回りを覆って、マスクして、腕カバーして、上下長袖長ズボンで、とにかく肌がどこも出ていないぐらいで、蒸し蒸しして暑そうにしてたわよ」

マスク以外、私もそれしようと思っていたけれど、それの何が悪いのかと言いたくなった。

ちなみにおばちゃんたちの話は聞いたし自分も絶対にそのように批判的に思われるのは間違いないけれど、日焼け対策は最重要事項だから、その非難ごうごうファッションを明日以降もしていく。
(午前中は倉庫内作業で、その時の私はTシャツにジーンズだった。その時に話しかけられた。午後からは日が出てきたから、その非難ごうごうファッションに変わった。)

午前中はその程度だったけれども、午後から来客があって担当者不在の中の作業となったら、ベテラン勢=おばちゃんたちは一挙手一投足に注目して、何か少しでも違うと横からでも背後からでも遠くからでも口を出してきた。

おばちゃんたちがしている仕事が忙しそうだったから、手の空いた私は手伝いましょうかと申し出た。

おばちゃんの返事は凄かった。

「雑巾を新しく出すのがもったいないから、あなたしなくていいわよ。他のことしたら?」

はいー?Σ(꒪◊꒪; ))))

雑巾を出すのがもったいない?

私をフラフラさせてお金だけ支払われる方がもっともったいなくないの?

もうどうでも良くなって、おばちゃんたちから離れて、他のところに行った。

少しすると、おばちゃんの1人が「今のうちにトイレ掃除を教えておいてよ」と、今年が2回目の女性に指示を出した。

その方が本当にとっても素敵な方で、上手く私含めた新しい人たちとおばちゃんたちの繋ぎ役をしてくれていた。

トイレ掃除をやりながらどうしてもわからないことが出てきた時に、その素敵な方がおばちゃんの1人に確認をした。

そうしたらおばちゃん2人組の中にもヒエラルキーがあるらしく、「〇〇さん(←もう片割れ)に確認してみるわ」と言う。

そんなのどっちでもいいじゃん!と言いたくなったけれど、それは確認が要るらしい。

それなら、私が手持ち無沙汰の時にもっと確認を互いにしてくれ!!!と思った。

トイレ掃除の細かなルールの方が、手持ち無沙汰で何していいかわからない人を何とかするより大切なようだった( ̄∀ ̄;)。

ちなみにトイレは、特に男子トイレはウルトラスーパー汚かった。

さすがに1人の若い女の子だけに汚れたトイレを掃除させるのは可哀想すぎて、男子トイレ側は私が代わった。
(本気で可哀想なレベルの汚さだった、特に男子トイレ!!!)

男性もたくさんいるのに、どうして女の人だけがトイレ掃除をするのか、私はその田舎特有の男尊女卑的なあり方にものすごく疑問を抱いた。

責任者の男性は午前中、私たちの作業場所のすぐ隣りでほうきとちりとりを持って掃除をしていた。

そこはいいからさ、お客さん来るならトイレ掃除しようよ!と、実際に掃除をしていた時に男性のお客さんが使っているのを目撃してそう思った。←当たり前だけど、一度廊下に出た。さもないと、私がセクハラしてしまうことになる( ̄∀ ̄;)。

よくぞあんなにも掃除されてないトイレにお客さんを通せたなぁと感心した←もちろん嫌味。

自分たちが使うところぐらい掃除してくれ!と思った。

小学生の男の子2人組が、今これを書いていたら私の車の前に来た。(コンビニの駐車場)

2人で舌を巻いてブルルルルと音を鳴らしていた。

1人が言った。

「知ってる?舌巻けるのってエロい人ができるんだって!」

見た感じ5年生くらい。

くだらないことを半分冗談で半分それ俺信じてる!みたいな2人の様子を見て、可笑しかったけれども微笑ましかった。

2人に、舌巻いて音を出すよりもトイレ掃除できる男の人の方がモテるよ!と教えてやりたい。

トイレ掃除の後は、そのでかい敷地内の中の掃除をあれこれやった。

何をどうしたら鳥の羽がその敷地内に入り込むのかわからないけれど、何枚かきれいなふわふわの羽根を見つけては1人でテンションが上がった。

鳥の羽根は私の中でラッキーアイテム!

毎回見かけると、「見えない存在から守られてる」と思う。

外での作業の時、ふと田んぼの方を見ると、サギみたいな白い鳥が集団でいてその光景がとってもきれいで、これもまた見ていてお得な気分になれた。

今年2回目の方に聞いたら、そういう光景は去年一度も見ていないと言われた。

そんな稀な風景に出くわして、何もないけれど、何か得した気持ちになった。

1日の終わりに、もちもち三つ編みさんが私の方を見てニコニコしながら「おつかれさまでした」と言ってくれた。

色々面白い人だけど、人はとっても良い人というのがすごく伝わってきた。

あと、おばちゃんたちのおかげで私は「若い人」となり、例の今年2回目の素敵な方から「武士俣さん、あの男性には気をつけてください!」と言われたおじさんがいた。

すごい遠くから手招きされて、外作業の手伝いに駆り出されそうになった時があった。

おじさんは明らかに私を見て手招きした。

私が行こうとしたら、おばちゃんたちが「あなたは行かなくていいわよ!男性陣に行かせたらいいのよ!」と言われた。

最終的に男性陣が行ったけれど、後からその素敵な方に「あのおじさん、去年も若い派遣の子にすごいちょっかい出して、いい人なんだけど、やたらと付きまとわれて大変だったから、武士俣さんも若いから狙われちゃうから気をつけて」と言われた。

他の話をしていた時に、私が40歳独身ニートなことを明かしたら絶対に相手が言葉に詰まるとわかって、40歳はじめ自己紹介的なことは何も言えず適当に交わした。

癖のあるおばちゃんたち効果で私は若い人認定されるという、ちんちくりんな状況も生まれて、さらに女好きおじさんもいて…みたいな、何だか色々可笑しかった。

ちなみに、おばちゃん効果なのか、おじさんたちは優しくて気配り上手な人たちが何人かいた。

おばちゃんたちは毒が強すぎて優しくしても何も得しないと思われてもおかしくなさそうな感じで、一方で一般社会ではそんな風に男性からちやほやされない私がなぜか良くしてもらうという超常現象を引き起こした( ̄∀ ̄;)。

仕事が終わって、駐車場に戻った。

私ぐらいの年齢の男性もいて、アロマセラピーをしたいともう1人の若い男の子に話していたのを聞いて、私はもっとそば耳立てて話を聞きたい衝動に駆られた場面が仕事中あった。

ちなみにその男性いわく、アロマセラピーのセラピスト募集は女性のみらしい。

たしかに、背中にオイル垂らすとかなれば、男性が女性にやってそれが間違えておかしな方向にいったら、強姦罪とかになりうる可能性があるのかもしれない。

そう考えれば、募集がないことも何となくわかった。

で、そのアロマセラピーに興味があると話してた男性は、なんと関西圏のナンバーでプリウスに乗っていた。

関西訛りがあるのはすぐにわかった。

なんでこんな新潟のへんぴな町に短期で仕事をしているのか不思議だったけれど、プリウスに乗っていたことでさらに不思議さが増した。

派遣初日ゆえ、担当者から電話が来て、今日の様子を聞かれた。

担当者の方から、仕事もだけど人に関して心配された。

こういう時私はあったままをいつも伝える。

毎年のレギュラーメンバーと新規メンバーとで色々差があったことを言った。

それに戸惑って動揺を隠せない人も中にはいて、その辺りの色んな人たちとのやりとりが私側も少し工夫が必要だと感じたことも言った。(←おばちゃんたちもだけど、動揺を隠せない人も若干面倒くさい人だと私は感じた。)

色んな反応の人がいたぐらい、なかなかな人間模様だったことは言った。

あそこは色んな年齢層の人がいるので、それゆえとっても個性的な人たちが集まっているけれど、武士俣さん大丈夫ですか?と聞かれた。

私は適当にかわせるし、その素敵な方が本当に上手くフォローしてくれたので大丈夫ですと答えた。

「個性的なメンバー」なのは間違いない 笑。

まだ初日。

初日とは思えない色んな濃厚なものを見てきたけれど、明日以降また色々と何かしら見て感じてくるんだろうなぁと思っている。

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