2016年2月7日日曜日

ポトフを究める

去年の冬からポトフにはまっている。

1年前、料理ブログのブロガーの方たちがこぞってポトフを作っていた。

「絶品」と皆が口を揃えて言う。

自分で実際に作ってみるまで、ポトフは単なる野菜と肉・ウインナーを煮込んだメインにならない

スープと思っていた。

しかも調味料は塩だけというとてもシンプルなもの。

そんなものが美味しそうとはとても思えなかった。

いざ作ってみたら、その野菜・肉・ウインナー+塩だけのスープがものすごく美味しいとわかった。

「絶品」と言われるだけのことあって、本当に本当においしいスープが出来上がった。

今日の昼間も、掃除したり他のことをしながらただ煮込めばいいポトフは休日ランチにもってこいの

メニューだった。

しかも昼間なら別にポトフだけ食べて終わりでも全然気にならない。

そして今回は、このポトフに新兵器を投入してみた。

「茅乃舎(かやのや)」と呼ばれるブランドのだしがある。

発祥は福岡だけど料理ブログ界では有名ブランドらしく、色んな人のところで見かける。

名古屋市内にも1店舗だけ取り扱いがあって、一度は試してみたいと前々から思っていた。

そもそもだしバックなるものを買ったことのなかったわたしにとって、だしパックとはいくらが相場

なのかさっぱりわからずにいた。

だけど5パック入って300円台であれば、手が伸ばせる。

しかもそこはすべて試飲させてくれる。

店頭で味見をさせてもらって驚いた。

本当に「料亭か!?」と思ったほどの旨さで、これは皆が使うのもうなずけた。

それでその5パック入っただしパックを手に入れ、今日はポトフにパックを破いて直接入れた。

そう、茅乃舎のだしは袋を破いてそのまま使ってもOKというので、これまたありがたい限り。

さらに今日はもう2つ高級食材が一緒に入った。

1つは「インカのめざめ」と呼ばれるじゃがいも。

もう1つは、アップルベーコンというベーコンで有名なところが出してるウインナーがなんと特価!

普通の市販のものより安かったから、それも入れてみた。

ちなみに「インカのめざめ」は、なぜか半額になっていたものを買い置きしておいたもの。

もうどれだけ高級食材が揃ったんだという位の高級ポトフになった。

期待で胸を膨らませ、お気に入りのボウル型の陶器にポトフを盛り付けて一口スープを啜った。

あれ?と思った。

おいしいはおいしい。

だけどポトフ本来の良さも半減、茅乃舎のだしの良さも半減。

1+1=2ではなかった。

どちらも良さが失われて、実に中途半端になってしまった。

まぁおいしいのは変わらないから、と思って気を取り直し次はインカのめざめへ。

これもまた実に中途半端な味に仕上がっていた。

正しくは味が薄れ、何ともぼけた味しかしなかった。

今回インカのめざめを色んな食べ方で食べてみてわかったことは、わたし自身が多分じゃがいも

に関してはとても舌が肥えている。

子どものころからじゃがいもがとても好きだ。

別に特別ないもでなくていい、普通の男爵とかで十分。

ただ年に1度だけ、母の勤めている会社の社長夫人が夫人の実家の北海道からきたじゃがいも

を届けてくれていた。

今から25年程前は、じゃがいもと言えば男爵とメークイーン位なもので、その他の種類のものを

手に入れるのはほぼ不可能に近かった。

ましてや今のようにインターネットでボタン一つで全国各地のおいしいものを手にするような時代

でもなかったから、じゃがいもも当然スーパーで手にするか、農家の方のおすそわけをいただく

位しかなかった。

ところがその秋口に毎年届けられたじゃがいもは、まず皮が赤かった。

さつまいもの皮をもう少し濃くしたような赤で、子ども心に「これは絶対に高級じゃがいもに違い

ない」と踏んでいた。

このじゃがいもに関しては、わたしは一切の労を惜しまず、きちんと蒸し器を用意して自分の

おやつとして吹かし芋を食べていた。

本当においしくて、大きなじゃがいも2つは平気でぺろりと食べていた。

そういう芋を食べた記憶があるせいか、インカのめざめにはあまり感動を覚えなかった。

そしてさらに今回のポトフで言えば、人からおすそわけでいただいたさつまいもも入れていて、

そのさつまいもの圧倒的勝利で余計とインカのめざめは影が薄くなってしまった。

そう、さつまいもを入れるのも料理ブログの影響で、これまた色んな人が口を揃えて「ポトフには

絶対にさつまいも!」と言う。

1年前半信半疑で入れてみたらものすごくおいしくて、それ以来作る時は毎回入れている。

ウインナーに関して言えば、もうポトフには入れない方がおいしいと今回わかった。

ウインナーはおいしいものだと思うけれど、ポトフはあくまで野菜が主役で、そして少しばかりの

塊り肉があればそれで十分おいしいだしが出ることもわかった。

今回のポトフを作ってわかったことは、高級なもの同士を組み合わせればいいというものでもない

ということ。

高級であればあるほど、その素材をそのまま生かす方法で食べた方が絶対においしい。

実際にインカのめざめも、一番おいしいと思った食べ方は、単に吹かしてそしてあとはバターと塩

で和えただけのものだった。

個人的にポトフの材料でマストなのはさつまいも。

あとは適当で大丈夫。

逆に入れるといまいちなのは、じゃがいも(←さつまいもの甘さに負けて味がぼける)、大根。

大根は、あの大根特有の青臭さが目立つ。

個人的にいまいちだったのは、れんこん。

れんこんはあの歯ごたえが好きだから、煮た食感があまり好きではない。

今日はごぼうも入れてみたけれど、これはおいしかった。

ごぼう特有のくせが良い具合にスープに溶け込んでいた。

この冬、もう一度位ポトフを作ってみたいと思う。

その時は、また調味料は塩だけで作る予定。

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