2020年10月17日土曜日

XとZ

珍しく頭の中がショートしている。

仕事は相変わらずすったもんだしていて、ここにきてとうとう「どれだけヤバイ状態の完成度の原稿が私のところに来ているのか」が他の人の目から見ても明らかとなった。


あまりにわけがわからず、さっき「問題解決 プロセス」と検索して、トヨタの解決法とかいう四字熟語やビジネス用語満載なサイトをいくつか見てやめた。


世の中の多くのビジネスパーソンたちは、こんなことを日々しているのかと思うと本気ですごいと思う。


ちなみに、問題点ははっきりとしていて、大企業あるあるなのか、「当事者意識が低い、または無いこと」が全てにおいての一番の問題だと私は思っている。


数えきれないくらいの業務が大きな企業になればなるほど増えて、多くの人たちは自分のやったことがどこに繋がるのかわからないと思う。


私もその1人だけれど、ただ1つ違うのは、私のした仕事はいきなり客先に直で向かってしまうことだけはいつも決まっているから、だから社内の恐ろしく完成度の低い原稿が私のところにやってきても、今度はそれをものすごい色んな知恵や力を借りてかなりな完成度にまで持っていかないといけない。


日本語の原稿にはない、説明や文章、はたまた図の解説用語とかを入れている。


もちろん勝手にはできないから、毎回担当者に聞くし、そして責任感ある人たちはそこからさらにきちんと内容を書き足したり方々に連絡を取って良いものに仕上げてくれるけれど、その色んなことが本当にまずいことが今回明るみとなった。


何せ百発百中で毎回不備のある原稿しかこないから、そういう状態に普段から慣れてはいる(全く良くない慣れ方だけれど)。


例えば一例を言うと、ついこの間までしていた英訳で、すごいものに当たった。


「上下」と原稿中盤になってからこれまでにない部分が加わって、それは普通にtopdownになるのかuplowになるのかそれとももっと別の言葉になるのか、その辺りを明確にしたくて聞きに行った。


そうしたら、なんと「あれ?これおかしい」とか言い出して、担当者が前後数ページの暗号みたいなアルファベットと数字の羅列を読み解き出した。


なんと、「上下」ではなく正しくは「左右」だった!!!!!


ひっくり返りそうだった。


一事が万事そんな風で、ただその件は私の中でもトップ3の超仕事ができる誠実さんだったから、いつもの物腰柔らかい感じで「これ日本語も直しましょう!そしてそれを関係者に渡してみんなで共有するようにしましょう」とかいう、物腰柔らかい感じなのにきちんと問題解決のための方向性と具体性を示してくれたから、それはそれで良い方向に動いている。まだ途中。


そういうのはごく稀に起こって(完全に個人差だから、やる人とやらない人の差がものすごく激しい)、何せいつも不具合満載原稿しか私のところには来ないから、そういう神対応してくれる人たちには超感動する。


3連発くらい、不具合度10段階評価なら8とかに当たるものに度々当たって、日本語原稿の変更もしていたから(もちろん指示があっての修正)、とにかく変に慣れてしまった。


そこに今きた原稿は、そのさらに上をいっていた。


3連発くらい過去最高くらいに酷かったから、その時その時は10だなと思っていた。


ところが今回のものを見て、さらに過去最高を更新する超絶不具合な原稿がきた。


まず見た瞬間、「何かがおかしい」とわかって、さらには直訳したら非常にまずいもののオンパレードだった。


とりあえず「どう訳していいかわからない」の一言に尽きた。


直訳していいなら直訳するけれど、それ絶対にやったらアウトなやつというのは見てすぐにわかった。


でも、専門知識のない私には言葉の行間が読めないし想像もつかないから、そもそも何を質問していいのかもわからなければ、英訳依頼者の人は基本そういうのは「俺は英語の細かいニュアンスはわからない」と言う人だから、普通には聞けない。


私は頼まれた段階で、今回のものはMr.ダンディに英訳添削をお願いすることを条件に上げて、それを許可して欲しいと申し出た。


Mr.ダンディのことを私はとても頼もしいと思っているけれども、基本的に男性陣の多くは苦手としている。


なぜなら、Mr.ダンディはダメなものはダメとはっきりと言って、原稿直しをしょっちゅうさせる人だから。


プライドの生き物と言わんばかりの男の人たちはそれでダメージをくらうのか、みんな避けたがる。(じゃあもっとまともな原稿作ったらいいじゃん!といつも思う。)


Mr.ダンディは言うだけのものを毎回丁寧に且つ正しく導いて、原稿も修正文を毎回きちんと作ってくれるから、知識のない私が見ても「良くなった」とわかるし、何せ本当に正しいものを指摘して終わりじゃなくて有言実行で色々動いて形にするから、だから誰もぐうの音が出ない。


そんなわけでMr.ダンディに英訳添削をお願いするのは会社トップの許可も得てOKになった。(いまいち会社の組織がわからないけれども、要は今行っているところの社長に当たる人の許可を得た。ちなみに派遣の私がそういう手段を講じること自体が色々おかしいけれど、本気でそのレベルの許可がいるような案件ばかりをひたすら担当している。)


ところがMr.ダンディがそのタイミングで体調不良で早退・遅刻が続いて、それで今度は普段公にできない英語の師匠トムさんに、上層部了承の上で添削をお願いすることになった。


最終的には2つの原稿を、1つはMr.ダンディに、もう1つはトムさんにそれぞれ添削をお願いすることになった。


Mr.ダンディの添削の流れには慣れているから、今回もすごいことになりそうとは最初から予想していた。


で、どちらの原稿も手も足も出ないと早々に悟った私は、全文書き直しを覚悟で、ほぼほぼ担当者の部長には聞かず、とにかく知ってることは調べて書いて、あとは全て直訳した。


残りはMr.ダンディとトムさんに全て託すというか丸投げする気満々だった。


っていうか、もうそれしか私にできることはなく、それで実際にそのようにした。


2人それぞれにお願いに上がった時も、それら全てを伝えて、本当にすみませんとペコペコと頭を下げて押しつけてきた。


で、それが返ってきて、今回はMr.ダンディではなくトムさんから話があった。


私も変だとは思ったけれども、私が想像していた以上に日本語の原稿がボロボロだったらしい。


訳しながら「これ何するんだろう?」と何回も思いながら日本語と自分の英訳を読んでいた。


少なくとも、ある程度きちんと訳せば、技術を知らない私でも事の流れがなんとなく掴める。


ここにこの道具を設置して、設置したらこういう操作をして、そして必要な項目をこなして、それで最後こうしたらいいんだね、みたいな流れがわかる。


それが今回は訳してもその辺りが全然わからなかった。


全く内容が入ってこないし、これ絶対的に説明が足りないのは私でもわかるレベルだった。


それが単なる説明ならそれでもいいのかもだけど、今回のは不具合が出ていてそれに対する対策説明なのに、全くもってそれで解決されるとは思えなかった。


むしろ私の出す英訳がさらなるクレームを引き起こしかねないと思った。


本当に早々と英訳添削を絶対の条件にして欲しいと申し出て良かったなとさえ思いながら訳していた。


とか思っていた以上のことが実際の原稿にはあって、内容は間違えているわ、情報は足りないわで、トムさんは結局現場に出向いて全部確認してからのまずは日本語の読解をして、それから英訳を添削してくれていた。


しかも仕事の合間で終わる内容ではなく、自宅にお持ち帰りをされての添削だったことを知った。(それアピールじゃなくて、話の中で出てきて知った。)


トムさんはいつもと変わらない感じで私には接してくれたけれども、開口一番「私今すごく怒ってます。あまりにも日本語が酷くて怒っています」と切り出して、それで本当に丁寧に1から全部説明してくれた。


その後トムさんと話した時に、これまで私はずっと毎回目の当たりにしていたことを、トムさんがもっとはっきりと何が問題なのか核心をついてくれた。


それによって、さらに問題点がはっきりとした。


一番の問題は、日本語の原稿がぐだぐだ過ぎることだけれど、多くの人はそこをスルーする。


ところがそれが今度外に出る、それも英訳で出るとなると、そこから一気にそのぐだぐだ感が大問題になる。


取り返しがつかないくらいにヤバイものもあるわけで、だから私はうざがられようが面倒くさがられようが意に問わず、ひたすらその時その時の担当者に聞いている。


毎回そんな風だからかなり慣れてしまったけれども、今回のド級のヤバさを見て、トムさんがその酷さを体感することになった。


ちなみにトムさんからもMr.ダンディからも、よくぞあの酷い原稿から英訳できたと褒められた。





これは木曜から金曜にかけての真夜中に目覚めて書いたこと。


ここからは金曜に出勤した後に書いてる。

(花金ー!!!)


上のことを書いた後、まさかたったの数時間で事態はあらぬ方向に動いた。


そうだった、トヨタの問題解決なるものを真夜中に見たほど、頭の中がショートしていたんだった。


それがまさかの展開となった。


とりあえず、無事に全てが間に合う算段だけは立った状態で木曜は終わっていて、金曜だった今日、残りの修正やら体裁を整えることをしたらあとは全て提出するだけで良かった。


ただ黙っているわけにはいかないから、何ていう風に上に報告するが良いかを考えて、それだけは何かしら言葉を考えてメールはもちろんのこと、口頭でも言いに行かなきゃなのかなと思うと、毎回のことでも気が重たかった。


そんな風な感じでスタートした今日だった。


そしてトムさんから添削してもらったものを直しをしている中で、どうしても1つ確認しないとわからないところが出てきた。


さすがにスルーできなくて、それは聞きに行った。


毎回忙しいところ聞いていて、申し訳なさマックスだった。


その後もう1つ出てきてしまって、平謝りしながら聞いた。


トムさんも丁寧に対応してくれてあとは最後整えれば良いというところまできた。


ちなみに2つ目の時に、その内容に関するエピソードを伝えた。


トムさんは「これってしょっちゅう出てこないですか?」と聞かれて、私は逆に驚いて、ここ数ヶ月で実際にあったことをそのまま喋った。


方向の名称なんだけれど、とにかく日本語でも聞いたこともなければ言葉を見て想像さえもできないような言葉で、それに初めて当たった時、その時の担当者に初めて見たから全く英訳の想像もつかない、日本語の意味さえわからないから過去の英訳資料があるならくださいとお願いした。


そうしたら「ないです。最近は使わないからないです」と返ってきて、その時はMr.ダンディに窮状を訴えて、Mr.ダンディから英訳をしてもらった。


というような顛末をトムさんに話したら、

「それすごいですね!!!もちろん嫌味。

ものが無くなるってこの会社は言うんですね、いやー新しい形ですねー」

と一緒に嫌味を言いまくってくれた。 


トムさんの話でわかった。


都合が悪くなると、中には無いことにしてその場しのぎで適当なことを言う人たちがいること、そして私がわからないと思って適当な返事をする人たちがいることも。


私をこき下ろすのは構わないけれど、そういう適当なことをするとそれが会社の不利益になるわけで、どうしてそういうことを平気でやれるのかがわからなかった。


そんなこんなのやりとりの後、自分の席に戻ってあれこれ直していたら、まさかの「うわっ、これってどうするんだろう?」というのが出てきた。


トムさんが1つの図の中のXYZの組合せがおかしいと指摘して直していったところがあった。


最初の原稿はYZだけれど、正しくはXYだと説明して直したところだった。


よくよく見たらその項目のタイトルにもあって、さすがに3回目の正直で聞きに行くのははばかられた。


そこで、Mr.ダンディ側の原稿でも確認したいところがあって、それくらいならMr.ダンディにも負担をかけずに聞けるだろうと思って、それを今度はMr.ダンディに聞いた。


原稿を読んでMr.ダンディが、タイトルも直すのが正解だと教えてくれた。


それでようやく終わって、今度こそラストスパート!、今週晴れやかに終わって気持ち良く週末を迎えられる♪と、心の中は一気に引きこもり週末に向けて心は晴れ晴れとしていた。


で、ふんふん〜♪と鼻歌の1つも出てきそうな調子で直していたら、なんと本文にもYZがあった。


ΣΣ(; )))) ‼︎‼︎‼︎‼︎


痛恨の見落としだった。


短い文章と全体の構成と図とを見渡して、おそらくそこもXYが正しいだろうと思った。


思ったけれども、果たして本当にそれでいいのかわからないのと、他は全部完璧にしたのにそこだけが私が適当に直して間違えるのもものすごく嫌だった。


さんざん聞きに行ったから、トムさんは頼れない(本当に激務な感じだった)、Mr.ダンディも忙しそうにしている(最初行こうとしたら席にいなかった)、間にイケメンエンジニア硬派さんも巻き込んで説明してもらったけれど、硬派さんにそれをまた振るのも気が引ける


一か八かの賭けで直そうかと思った。


でもやっぱりそこだけもし違っていたら本当に嫌だし、そしてそれが文中の実際の手順の説明の中にあって、たかがXZの違いでも実際は全く違うものだろうことはなんとなくわかった。


何もものを知らない私が、単に図やタイトルも変更したから、本文も変更するだろうと決め付けて判断するのは危険極まりなかった。


そんなこんなの心の葛藤をしながら作業を進めているうちに、昼休みのチャイムが鳴った。


とりあえずお昼と思って、おにぎりとスープジャーに入れてきた昨日の夜の余りの肉じゃがを食べた。


「魔法瓶」という言葉を生み出した象印は本当にすごくて、先日特売で出ていたスープジャーを買ってそこにカレーやスープ、肉じゃがと色々持って行ったら、もう感動的に温めたままの温度で昼休みまでもってくれる。


これ超良い!!!とものすごく気に入っている。


そんなこんなで昼休みも終わって業務に戻った時、あとはそこだけを聞けばいいから!と開き直って、再度Mr.ダンディを訪ねた。


Mr.ダンディは中身を見て、「たしかにそこも直すことになるな。だけど、文の意味がわからない。日本語が何を言っているのか想像がつかない」と言った。


それで多分こういう意味じゃないかと、日本語を直してくれて、それを英訳することになった。


ただ、1つだけ、そのXYに直すはいいけれど、文章だと文の途中に()があって、それが英訳した時に、新規の日本語だとそれがどこに付くのが正しいのかわからなくてそれを聞いた。


私はどっちみち意味はわからないから、本当に単なる文章構成の質問だけをしていた。


ところがその質問によってMr.ダンディの「わからない」はもっと加速して、いよいよ本当にその()の説明がプラスされることでさらに迷宮入りしているようだった。


Mr.ダンディは私に今回の原稿は誰が作ったかを聞いているかを確認したけれど、私は依頼者の部長しか知らないと答えたらMr.ダンディは部長に電話をした。


部長の返答で、それは古い原稿だからもはや誰が作ったものかわからないという話が判明して、それでMr.ダンディは机の引き出しから帽子を取り出して「ちょっと現場に確認して、わかったらまた武士俣さんに教えるよ」と言われた。


その時点で私はもう卒倒しそうだった。


もちろんものすごくありがたい。


そしてせっかくきれいになったから、最後まできちんと作るのは私としても気持ちがいい。


だけど、いつの時も助けてくれるMr.ダンディというのは、会社の中でも一番花形とされる部署のトップだった人なわけで(今は年齢的な理由で退いている)、なんなら私は会社の会長にさえ食ってかかって電話越しではあったけれど物を言う場面も見たことがあるから、只者ではないのはさすがにわかる。


退いた今でも社内の人たちはMr.ダンディの実質的な立ち位置は変わらないから、みんな気を使っているし、丁寧に対応している。


社内で図々しいくらいに何かを軽々しく聞いたり頼んでいるのはもはや私だけで、うっすらとは気付いていたけれども、私はそういうところも普通の感覚からずれているのは明らかだった。


だけど、さすがの私もMr.ダンディを現場に向かわせるような趣味もなければ、そんな大それたことを頼むような権限もどこまでも強い心臓なんかもない。


ぎゃあー\(д;)/ってなったけれども、基本的にそういうことを嫌がらずにすぐに動く人なのは知っているから、すみませんとお願いします、そして(自分の)席でお待ちしてますと言って自分は戻ってきた。


色んな意味でぶっ倒れそうな話だったけれども、もう仕方ないとあきらめた。


しばらくするとMr.ダンディはやってきて、さらなるすごい情報を持ってきた。


なんと、Mr.ダンディが確認に行ったら、その原稿というのはあくまでも問題ない時の通常の状態の時の資料であって、今回のような不具合対策としては肝心の不具合対策部分が抜けていて、資料追加が必要なことが発覚した。


ガーン(;;)


一応今日までの締切でそれに間に合うように動いていたのに、そしてMr.ダンディにもトムさんにもそれを伝えて、ものすごい勢いで急かしたのに。


Mr.ダンディはさすがで、私に

「今現場が資料を探していて、それが来てからじゃないとどうにもならんから、今日の締切は無理だと私の方からA(部長)に言うから」

とすかさず言ってくれた。


またあの意味不明な資料が追加されると思うと頭が痛くなりそうだったけれど、とりあえず追加資料が来ないことにはどうにもならないから、私は待機する他なく、時間も中途半端だったから、その間に他に溜め込んでた仕事を片付け始めた。


Mr.ダンディは立ち去り際にため息混じりに「こうやって誰も確認しないものが武士俣さんのところに来るんだな。こりゃ大変だ。途中で確認する人間なんかいくらでもいただろうに、その誰も確認しないことが全部しわ寄せでくるんだね」と言っていた。


たった1つのXZの一文字の違いがとんでもない旋風を引き起こす結果となった。


そして良くも悪くも、色んなことが一気に明るみに出て、これはMr.ダンディのことだからこのままでは済まされないだろうなぁと思った。


私ではなく、他の人たちの在り方ややり方について、多分これまで通りとはいかないことが出てくるだろうことはチラリと頭の片隅で思った。


事の顛末を自分の上司にも伝えて、とりあえずゆるりと週末モードで今やらなくてもいい仕事に取りかかった。


しばらくして、休憩しよう!と思って、この間赤札付きの高級チョコを買ったから、それを食べて、このチョコおいしいなぁなんて思いながら、残り30分もすれば帰れる♪とすでに心も体も週末モードに突入していた。


「武士俣さん!」


ボーッとしていたところにいきなり呼ばれてビックリして呼ばれた方向を見ると、A部長が立っていた。


会社のきまりで、現場に行く時は帽子着用必須で、A部長が現場から戻ってきたのはわかった。


基本的に事務所勤務の人だから、帽子をかぶることはほぼない。


A部長の手には私がそもそもMr.ダンディに渡した日本語原稿があって、それの意味を現場に確認に行ってくれたようだった。


一部変更だけで済むようで良かったーと思いながら聞いていると、それを今度はMr.ダンディにも説明に行くと言う。


私はもう用無しと思ったけれど、なんとなくの空気で「私も一緒にMr.ダンディの席に行った方がいいですか?」と聞いた。


その方がいいと言われたから、私も慌てて近くにあった紙やら資料やらを手に持ってA部長の後について行った。


A部長は同じ説明をMr.ダンディにした後、私の時にはなかったさらにマニアックな技術の説明をしていた。


あまり追加にはならなかったのは、もしそれ以上の不具合なら機械を解体してのかなり特殊な作業になる上、それを説明するとなると完全に新規の資料がいるようなのと、そこまでマニアックな内容をエンドユーザーがするとなると相当な技術を要するから、現時点で現実的ではないという判断で、できる範囲の内容だけにとどまったようだった。


笑いはしなかったけれど、A部長が

「もしこれ以上わからないことがあれば武士俣さんは俺に聞いてくれたらいいから」

と言ってきたこと。


口だけではなく、本当にそう言ってくれてるんだろうなぁと思った。


普段もそう言ってよー!と心の中でこっそり思ったけれど、まぁ本当にわからない時は聞きに行こうと思った。


Mr.ダンディは、月曜からしばらく東京出張という名の東京引き払いで完全に新潟勤務に切り替わるようで、何日か不在になるようだった。(地元が新潟で長いこと東京本社勤務で単身赴任してた。)


私に「もうあと残りを英訳したら大丈夫だから」と言って、とりあえずその場は解散した。


急いで席に戻って、追加の英訳を訳した。


私の頭の中で月曜日の計算をした。


Mr.ダンディ不在イコールトムさんを頼らざるを得ない、だけどトムさんは忙しかったり会議だったりする可能性がある、それはすなわち締切の終わりが見えなくなるから、もう今何が何でも訳して見てもらおうと思った。


超特急で訳して終わったのが1637


1645終業で、東京に行く直前のMr.ダンディをつかまえてさらなるお願いに行くのもはばかられたけれど、背に腹は変えられず、直行した。


Mr.ダンディは全く意に介さず、快く見てくれるだけじゃなく「私もすぐ見て持っていくから武士俣さんは席で待ってて」と言って預かってくれた。


チャイムが鳴ってしばらくすると、Mr.ダンディはやってきた。


私に直しとあとは他との整合性を取るために気をつけるべき点をわかりやすく説明してくれた。


おかげさまで本当に文章そのものは95%完成して、あとは月曜出勤したら他との整合性を見てなんとかすれば良かった。


Mr.ダンディにお礼を言って、こちらに戻ってくる時を心待ちにしてますと伝えた。


Mr.ダンディに、これからは武士俣さんが望むような形にますますなっていくと思うよ、武士俣さんが先導してるようなもんだな、などと笑いながら言われたけれど(ちなみにそんなわけない)、おそらくこれからMr.ダンディともう1人の上の人が新潟勤務確定になることで、大きく変わっていく感じはする。


すでに今月から、Mr.ダンディたち2人は元々の東京勤務での籍と私がいる部署の籍とを兼務する辞令が出て、辞令が出た割に何も大きく変わってはなかったけれど、多分今回の完全に新潟勤務になることで大きく変更するんだろうなぁと思う。





とりあえず見通しが立って、スッキリとした気分で近くのスーパーに立ち寄った。


そのスーパーは夕方5時と言えば半額シールを早々と貼るスタイルを取っていて、私はそれ狙いで行った。


スーパーで買い物していた時に、突然今日の昼休みのシーンが思い浮かんだ。


私は肉じゃがとおにぎり、そして小さなスイーツを食べただけなのに、いきなりすごいお腹が痛くなった。


トイレは歯磨き女性たちで混んでるから、その中に入るのは気が引けた。


だから昼休みが終わるのを待とうと思ったけれど、お腹が痛いのは止まらないし、ますます痛くなって、残り19分この痛みと格闘するのは無理だと思った。


それであまり人がいないと思しき階下の更衣室隣りのトイレまで行った。


初めて行くトイレで、「誰もいませんように」と祈る気持ちで行った。


その時はあまりの痛さに何も考えられなかったけれど、おなか痛い割におなかが下ったわけでもなく、拍子抜けして帰ってきた。


それで昼休み明けてすぐにMr.ダンディのところに行くと決めて動いたら上のようなことになった。


Σ(o;;‼︎‼︎‼︎Σ(; ))))‼︎‼︎‼︎(°°)!!


もしかしてと思ったけれど、あの尋常ではない突然のおなかの痛みは、あれは聞きに行くか行かないか迷っていたけれども、そして迷う理由は完全に私個人のまた聞きに行くのかというためらいのみだったけれど、蓋を開けてみればとんでもないことが色々一気に発覚したわけで、あれは放置せずきちんと聞きに行きなさいというサインだったんじゃないかと思った。


私の場合、このオカルトチックな体質はそういう風にも現れていて、筋の違うことをしようとしたり、本来やらなきゃいけないのにやらないでいると、体が不具合を起こして知らせてくる。


それも本当にピンポイントで突然具合が悪くなって、やることをやるとまたピタリと治まる。


だから午後も全くもって元気だったし、チョコを堪能するくらいでお腹痛くなったことなんか忘れていた。


多分そうだろうと思って、買い物が終わって車に戻るとペンジュラムを出した。


体調不良のこととやるやらないのあのこととが関連していたかを聞いたら、やっぱりYESだった。


色々質問を変えてみたけれど、やっぱりそうだった。


そして色んなことを振り返った。


Mr.ダンディたちの東京引き払いは(数ヶ月ずっと住まいを借りたままだったらしい)、単なる異動ではなく、会社の長年の功労者の異動ゆえに会長他現トップリーダーたちが間違いなく居合わせることになると思う。


そんな時に私がたまたまピンポイントで聞いたことがとんでもなく色んなことを一気に見える形にしただけじゃなく、どのくらい組織としてまずいことになっているのか、普段ならMr.ダンディも知ってはいても、私が見てるほどに本当の現場の中で起こっていることは見えなかったものが一気に明るみに出て、それは間違いなく本社でも共有されるだろうことは想像がついた。


本当にただ1つ、XZの違い、本当にその一文字しか違わないことがまさかのこんなとんでもない事態を一気に引き起こして、今に至っている。


ここまで事態が急展開したから、もうあと私は自分のすることだけして、事態を見守ったらいいと思った。


トムさんが怒るくらいに和文が酷いという話も直の上司に言って、だからそれは自分のところの部長に伝えようと思いますと言ったら、逆にいつも私が言ってばかりいて部長もそれに慣れてしまっているから、逆にトムさんが部長に直で言う方がいいんじゃないかと思うと言われた。


それをトムさんに伝えると、上司の事なかれ主義には閉口していたけれども、とにかく原稿が本当に酷すぎるのはわかったしあれは今後もそのままにしていいこととは違うから、その場で問題点が何かを突き詰めて、自分も上司と相談してそれをどう上に掛け合うかはまた預かって対応しますと言ってもらった。


たった1つの普段とそんなに変わらない英訳依頼が今思わぬ形となって動いている。


何がどうなるかはわからないけれど、私は自分の領分だけ動いていたらいい気がした。


多分私がごちゃごちゃとトヨタ式みたく動かなくても、本当に必要なことは確実に動く気がした。


亀の歩みのようにゆっくりかもしれないけれど、それでも何事もなくこれまでと同じとはならない気がする。


そもそもトムさんがものすごく反応したのもこれまでと違えば、Mr.ダンディが現場に行って確認するのも珍しければ(多分英訳のために現場に行くこと自体Mr.ダンディも初めてだったと思う)、A部長自ら原稿を手にして私に変更点を説明するために現場に行ってくれたのも初めてだった。


全てが異例続きで、これだけ動くだけでも本当にびっくらポンなことだった。


まさかそんなにも動いているのが、XZの差だなんて誰も思わないだろうなぁと思った。


わからないけれど、北と南くらいの差があるんだと思う。


羽田空港にいるのに、本当は北海道に行く予定が沖縄に行く飛行機に間違えて乗るみたいな、私にはXZも何を具体的に指すものかは知らないけれど、おそらくそういうようなことなんだと思う。


こういう場面に遭遇する度に、今の職場に見学に行った日の帰り道を思い出す。


顔合わせが終わった帰り道、近くの大型店舗に止めていた車に乗って道路に出たら、すぐに311ナンバーの車とすれ違った。


私は1日10時間も入力作業なんかできるとは全く思えなかったけれど、どういうわけか自分の誕生日ナンバーを目にして、不思議な気持ちでいた。


それが大丈夫のサインだなんて全く信じられなかったけれど、何がどうしたら入力作業をするのはOKなんだろう?と思ったことはよく覚えている。


今そろそろ1年を迎えようとして、まさかの英訳の方に配置換えになって、ここまで色々とすったもんだして、でも色々あっても最終的に本当に何とかしなきゃいけないものはみんな何とかなって


あの時の誕生日ナンバープレートはその合図だったんだろうか


ちなみに余談だけど、こんな風に色々何とかなったことを書いてはいるものの、当然私のやり方や在り方が気にくわない人もいるわけで、それで腹立つことも先日あったけれども、こうした色んなことを振り返った時に、理解してくれる人は理解してくれると知って、それでいいんだと思えるようになった。


たしかに面倒なこともたくさん言うけれども、決してそれはマイナスになることの提言じゃなく、少しでもまともな方向に向かわせるためのプロセスでしかなくて、それを理解できないお馬鹿さんには何を言っても伝わらないしわからないと見切って、私も冷戦状態で一切関わらなくなった。


Mr.ダンディ、トムさん、誠実さん、硬派さんはじめ他にもきちんとわかる人たちは全力で力を貸してくれるし、A部長もここぞという時はすぐに動いてくれて、裏ではいつもありがとうとわざわざ伝えてくれる。


人間性のおかしい人は相手にしても仕方ないから、そういう人は自分が困ったらいいと放置することにした。


そんなこんなで、とりあえずトヨタの問題解決法とかビジネスの問題解決法とか私には難しすぎてちんぷんかんぷんだったけれども、とにかく自分が正しいと信じているものを忠実に1つ1つやっていくしかないなと思っている。



参考までにスープジャーの相場を。

下の段の1480円の象印のもの
茶色を私は買って、
性能の良さを伝えたら母も欲しいと言って
母用に白を買った。

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