2014年7月5日土曜日

梅干しを漬ける

本の影響で、ことし人生で初めての梅干しを漬けている。

料理家の高山なおみさんが、

梅干しを漬ける時期に部屋中に充満する梅の香りがとっても楽しみだ、

1年の中でもこの時期にしかない楽しみ・・・

というような内容のことをエッセーで書いていた。

それを読んだのはたしか冬くらいで、

その頃から梅が出回る時期をそれはそれは楽しみにしていた。

梅干しを漬けることより、「部屋中に充満する梅の香り」の体験をしたかった。


母親は、物心つく頃より毎年梅干しを漬けていた。

だけど、興味がないというのは、目の前で梅干し先生がいてもいないも同然で、

今となってはとっても勿体ないことをしたと思う。


梅干し1年生のわたしは、とりあえず、

母の難解な教授(電話)と、
クックパッドと、
スーパーに置いてあった梅干しの漬け方の紙と、

それぞれを組み合わせながらやっている。

母の難解な説明を聞いた後、クックパッドで写真付きの工程を見ると、なるほど納得だ。


話が飛ぶが、「梅干しを漬ける」ことに興味を持ちだしてから、

はじめてスーパーに並ぶ梅を観察するようになった。

梅干し用の梅は、青梅ではなく、黄色い熟した梅が適しているとのことだけど、

青い梅が並んで、次いで黄色い梅が並ぶ、という季節に沿った変化を

今年はスーパーに行くたびにわざわざ立ち寄って見てみた。

本当にその通りだった。

6月の最終週、なんとなくこれが最後の梅のような気がする、

と思って黄色い梅を買った。

買っといて良かった。

なぜなら、本当にその後、梅が店頭に並ぶことがなかったから。


すぐにでも漬けて良い状態だったにも関わらず、

わたしはその買った黄色い梅を数日放置した。

放置したことが吉と出るか凶と出るかわからないけど、

少なくとも高山なおみさんが言われていた

「部屋中に充満する梅の香り」を思う存分堪能した。

わたしの場合、3日ほどしかそれは楽しめなかったけど(梅が傷みだしたから)、

本当にその匂いをかぐためだけに毎年梅仕事をしてもいい!という位の、

この上ない楽しみな香りではあった。


赤紫蘇は、梅が終わる頃、店頭に並ぶことも今年はじめて知った。

母や本の中の説明通りだった。

こういう旬のものというのはすごい。

数日の違いこそあれど、寸分狂わず、毎年同じような時期に出回る。


この1年ほどだろうか、こういう季節の移り変わりや旬のものへの興味が強くなってきた。

小学校のときの、朝顔やひまわりなんていうのは全然興味が湧かないものだったけど、

今の年齢になって、初めてそういう自然の流れや自然の力みたいなもの、

それを楽しみながら観察したり、実験のように何かを体験するようになった。

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