久しぶりに、今住んでいるアパート入居後すぐに手に入れた植物を観察した。
ダイソーで買ってきた観葉植物で、少しでも長持ちしたらいいかなぁとごく軽い気持ちで買った。
それがまさか幾つもの冬を越えて、今年もまたさらに葉の数を増やすだなんて当時は全く予想
だにしていなかった。
久しぶりに見たら、ものすごい数の葉っぱが増殖していて驚いた。
植物好きの友人が、うちに遊びに来るたびにその植物の近くにぴったりと寄って、しばらく無言で
じっと観察したくなるその気持ちが、今日初めてわかった気がする。
しかもこの植物、びっくりする位に強い。
いつだったかは友達が泊まりに来て、朝一番に謝られた。
「ぶっしーごめん、本当にごめん」
「どうしたの?」
「朝起きたらなぜか植物が手にあって、どうも寝ている最中に引っこ抜いたらしい!」
と手に植物を持ったまま言われたことがあった。
もうそうなってしまったのは仕方ない。
ダメ元で植物を土の中に植え返し、様子を見ることにした。
まさか普通に復活するとは思わなかった。
そしてつい先日も、わたしが誤って植物をなぎ倒した。
近くの何かを取ろうとした時、足に植物が当たった気がした。
気がしたのではなく、本当に当たっていた。
そして植物はものすごく変な角度で倒れかかっていた。
ぎょっとしてとりあえず元の位置に戻し、また祈るように数日間は様子を見ていた。
ということをさっき植物を見て思い出し、気付いたらまたこうして復活を遂げていた。
たしか土の中には割れてしまったパワーストーンも入れたと思う、何年か前に。
でもそれだけでこんなに大きくなるとは思えない。
わたしには想像もつかないスピードで植物は成長している。
いつだったか、福祉団体が発行する機関誌のようなものにあった記事を今でもよく覚えている。
とある大学教授か何かが、植物を育てる実験をした。
最良の土、最良の種、最良の日光の当たり方、最良の水、最良の肥料・・・という具合に100%の
条件を揃えての栽培。
片や、それらの条件の一部を悪くしたというか、100%ではなく80%位にした状態での栽培。
それぞれ同じ種類の植物を栽培してわかったことというのが、その記事の中で紹介されていた。
普通に考えたら、100%整った環境の植物の方がさぞかし育ちも良かろうというもの。
でも実際には、ちょっと条件を悪くした方が植物が良く育ったという研究結果になったとのこと。
ちなみに機関誌には、それは人間とて同じで、至れり尽くせり万全の体制の下よりも、多少は
あちらこちらにデコボコがあってその方が人間として大きく成長できるのではないか、というような
感じで締めくくられていた。
ふと家にある植物を見て、このよくわからない人間による数々の試練が一方的に与えられたから
こそ、決して最良とは言えないこの状況下で生き続けてくれたのではないかと思っている。
そしていつも突然やってくる人災に備えて植物は土の中で力強く根を張っているのかもしれない。
ちなみに、おととしの春くらいに一度きちんと植え替えした時に植物の根っこも初めて見たけれど、
これが何とも細々としていて、よくこんな細さでここまで成長できたなぁと感心する位だった。
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