「月8000円の美容代…」
携帯ニュースで面白そうな記事を見つけて読んでいた。
40歳独身男性の家計の見直し的なもので、色々内容がぶっ飛んでいたけれど、一番驚いたのが月8000円の美容代だった。
美容院代や日用品代は含まれていないようで、単純に日常で使う化粧水だとか加齢臭ケアだとかそういうものに8000円かかるらしい。
男の人なのにそんなにかかるの⁉︎と思いつつ、すごい昔の記憶が蘇ってきた。
今の若い男子たちは知らないけれど、私と同世代のアラフォー男性たちはそういうことにすごく気を使う人と使わない人と両極端だと思う。
何を思い出したって、私は過去に一度男のルームメートを持ったことがあってその時の洗面台を思い出した。
ドラマみたいな話だったけれど、私はある日突然、同世代の男のルームメートを持つことになった。
大学3年の時に1年だけ違う州の大学に行った。
国内交換制度プログラムみたいなのを利用して、元の大学に籍を置いたまま別の大学に行って、そこで取得した単位はまた在籍校でそのまま卒業単位に認定されるというものだった。
それが終わったらまた元の町へ戻ってきたのはいいけれど、とりあえず住むところがなかった。
そこにいた友達カップルが、夏休み2人とも一緒に住んでるアパートを空けるから、私が自分の住む場所を見つけるまで家賃払ってそこに住んで欲しいと、願ったり叶ったりのオファーをくれた。
二つ返事で飛びついて、それで私はその日スーツケースをガラガラと引いて友達カップルのアパートに向かった。
彼氏の方は旅立つ前日で、私にアパートの鍵とか必要なものを渡してくれる予定だった。
そこに行くと、3人の日本人の交換留学で来ていた男の子たちを紹介された。
私と入れ違いだったんだなと思いながら、はじめましてなんてのんきに挨拶したら、その彼氏が言った。
「あのねフミコ、この中のTだけど、これから1ヶ月、日本に帰国するまでフミコと一緒にこのアパートに住むから!」
えっ⁉︎そんなの聞いてない!と思ったけれど(ちなみに驚かそうと思って言わなかったらしい)、Tとて住む部屋がない、私もない、ないもの同士文句など言える立場になく、本当にどこの誰かも知らない全くの初対面男子と突然ルームシェアを始めるという奇妙なことがスタートした。
あんなのドラマだけの世界かと思ったけれどリアルにあるんだ、とその時初めて知った。
Tはとても気さくで気を使わなくてよくて、本当に楽チンだった。
お互いに距離感の取り方も今思えば似ていたと思う、会えば話を色々するし、そうでないそれぞれの個人の時間は個人で動く、本物の同居人だった。
しかも私は夕方から夜中にかけて学校の掃除のバイトに行っていたから、日長1日顔を合わせっぱなしということもそうそうなかった。
一度バイトの日、私は忘れ物か何かで休憩中にアパートに戻った時、男に媚びてばっかりいる女の子がTを訪ねてきていて、膝枕とかしてたからどうしようかと思った。
中に入ったと思うけれど(そこを通らないと部屋に行けない)、私の方が気まずいわと思いながら軽く挨拶してすたこらさっさと自分の忘れ物を取りに行った気がする。
アパートの中に入る前に通路に面した窓から丸見えだったから、入ることさえ躊躇された。
連れ込んでもいいけれど、やることは自分の部屋でやってくれ!と思った(←さすがにそんなこと言えなかったけれど)。
関係ないけれど、その女の子は最後の最後まですっごい苦手だった。
苦手と言うより嫌いだった。
確かに男ウケする顔にスタイルではあったけれど、とにかく性格が男の前と女の前で違いすぎてめちゃくちゃだった。
本気でゲスな性格なのに、男の前で猫かぶって可愛らしく振る舞ってバカじゃないの?といつも思ってた。
Tも日本に彼女いるんじゃなかったの?と思いながら、それだけは私は2人とも何なの?と思って見ていた。
(その後も女狐のTをはじめ男性たちへの媚びっぷりは凄かった)
私は全くタイプではなかったからTを見てもそして同じ屋根の下で暮らしていても何にも思わなかったけれど、Tは多分モテる。
私の女友達に写真を見せた時、Tの写真が出てくると、何人かは「この人かっこいいね!」と言っていたし、日本でTに会うといつも彼女や彼女候補が絶えなかった。
確かに話も面白いし気も利くスマート男子ではあったけれど、異性だという風に見たことはない。
向こうもそうだと思うけれど、お互いに一線を絶対に越えない自信がある。
その時以降これまでに何人の男性を家に泊めたかは覚えてないけれど(普通に二桁いく人数)、色んな人たちが泊まってくれたから私にはわかる。
絶対にそういうことにはならない異性というのがいる。
っていうかそういう人じゃないと泊められないけれど、Tも完全にそのタイプだった。
誤解を招きそうだから付け足すと、みんなで集まろう!となった時にうちが雑魚寝でも泊まりやすい環境だったり、移動するのにちょうど便利な場所に家があったりして、それでよく色んな人が男女問わず泊まりに来てた。
日本だとちょっと事情が違うのかもしれないけれど、アメリカやドミニカにいた時は性差を超えた友達は当たり前だったから、泊まる=関係を持つなんていうことにはならない。
だから日本に戻ってきてからもそれは変わらなくて、向こうで知り合った男友達とはみんな互いに行き来しても何ともない。
しかも、これは私個人の持論だけれど、特に異性の友達なんていうのは貴重だから、一線を越えて相手との関係を失うよりも相手との関係そのものを大切にすることの方が何十倍も大事だから、そういうことをしようという発想にならない。
相手が大切であればあるほど、そんなことはできない。
そもそもそういう気持ちさえ起きない。
私がそういう対象にならないとかはさておいても、男友達もみんなそこは大切にしてくれてる。
だから今も変わらずに会える。
話が逸れすぎた。
初対面の日にルームメートにいきなりなったTと、その月8000円を美容代に使うアラフォー男性の姿とが重なった。
その話を読んで、真っ先にTが思い浮かんだ。
Tと言うよりも、Tと共有スペースだった洗面台を。
それぞれの荷物を洗面台に置いた。
忘れもしない初日のこと。
そもそも私が少ないのかもしれないけれど、Tは女の私よりも3倍近い化粧品関連のグッズをそこに置いていた。
パッと見ただけじゃ何が何なのかわからなかったけれど、とにかくものすごくたくさんのグッズが置かれていて、度肝を抜かれた。
私が、歯磨き粉・洗顔・化粧水・クリームだとしたら、Tは明らかにその3倍は何かを持っていた。
洗面台の占有面積が明らかに男女で逆転していた。
Tは美意識高い男子だった。
そう言えば、格好とかも相まって、ゲイに間違われるとか言ってた気がする。
眉毛ももちろん整えてた。
っていうか、何だったんだろう、あのたくさんのグッズたちは。
スキンヘッドに近かったから、頭関係のものはなかったはず。
となると、何だったんだろう、あの大量の何かたち。
Tのその洗面コーナーを思い出すと、どこの誰かは知らないけれど、アラフォー男性の月8000円の美容代はわかる気がする。
もっともそんな男の人、私絶対に苦手だと思う。
化粧水を使う男の人たちはけっこう見たけれど(泊まりにくると、貸して!という人たちもいた)、そんなポーチにあれこれ入れないといけないほどに何かを持っていたのはTしか見たことがない。
それ何に使うの?みたいなものがたくさんあったことしか覚えていない。
Tみたいな人と付き合うことなんかないと思うけれど、できれば私よりもズボラな人がいいなぁと思う。
私のスキンケアもそもそもかなりいい加減だから、それよりも上手(うわて)な人は私が引け目を感じる(苦笑)。
化粧水とクリームを見て、どっちが先に使うものかわからないとか、それ何が違うの?ってなるぐらいの男の人がいい。
そしてできれば私のズボラ加減が気にならない人。
Tみたいに美意識高い人だと、何か言われまくるなぁと感じる。
(そういう人と付き合ったことがないからわからないけれど)
ちなみに男性で一番素敵な考え方をしていたのは、上司だった。
私より多分一回り前後上の人だと思う。
非常に物腰柔らかな話し方で、多分若い頃はモテ男だっただろう外見の人だった。
いつかみんなで女の人の化粧の話になった時、その上司はきっぱりと言った。
自分の奥さんは普段すっぴんで、そして自分も奥さんのすっぴんが一番きれいだと思ってる。
そう言った。
こういう人超素敵!と思った。
月8000円の美容代男子の口からは間違っても出てこないセリフだなと思う。
ちなみに記事によると、月8000円は、新しいものがあると飛びつくクセがあるとはあったけれど、何を買うと月8000円もかかるのかもっと内訳を知りたかった。
今男性化粧品もすごい充実してるのはドラッグストアを見てたらわかるけれど、何に8000円もかかるの?と思う。
だって、どんなに丁寧にスキンケアをしっかりしても、化粧水を月に1本使い切るとかできないんだけど!と思う。
だからその記事の中のアラフォー男性は相当何かをしてるとしか思えない。
熱く色々書いたけれど、明後日に控えたホロスコープ講座の宿題をこれからやらないとだから、おしまい。
ホロスコープの宿題、終わる気がしない…(汗)。
そして、出たよ出た!、まずは部屋の掃除から!なんて思ってる自分…(汗)。
肌は着実に年齢を重ねても、性格や行動パターンは学生時代と何ら変わってない…(汗)。
((((;゚Д゚)))))))
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