2015年10月16日金曜日

思い出のナシゴレン

今日のお弁当は、即席で何かしらの焼き飯+卵でオムライス風にしようと決めた。

昨日の夜パスタを食べたのはいいけれど、そうなると翌日のお弁当のおかずがない。

週末はお弁当が要らないから、何か常備菜を作るのは避けたい。

昨日は厚切りベーコンとエリンギの炊き込みご飯を朝炊いて、茶碗1杯分だけ残っていた。

新たに米を炊くのも面倒で、冷凍庫から白いごはんを1杯分見つけ、その茶碗2杯分で何とか

今日のお弁当を作ることにした。

ベーコンとエリンギの炊き込みご飯には、すでにオリーブオイル+コンソメ+しょうゆで味が付いて

いる。

意外な組み合わせだけど、これがわたしの中で大ヒットし、繰り返し作っている。

当の白いごはんはもちろん何の味もない。

ふたつを合わせて炒めると、どうしても味が薄くなる。

炊き込みご飯は十分堪能したから、できたら別の味に変えたかった。

冷蔵庫を開けて、つい最近仕入れたスイートチリソースと目が合った。

これ入れたらおいしいんじゃなかろうか!?と思い、スイートチリソースを付け足した。

塩っ気が足りなかったから、そこにさらにしょうゆも足した。

おかしなものをたくさん組み合わせてる風だけど、これがものすごく美味しく出来上がった。

そして美味しさよりもわたしの気を引いたのは、これが過去に人が作ってくれたナシゴレンの味と

同じだったことだった。

その人は当時インドネシア人のルームメートを持っていた。

今日の夕方そのインドネシア人のルームメートの名前をようやく思い出した。

「アグース」だった。

いつかアグースが、わたしにナシゴレンを作ってくれた人に作ってくれたのが最初で、アグースは

その人にレシピを教えた。

わたしはそのナシゴレンをたくさん作ってもらい、何度も何度も美味しいと言いながら一度も飽きる

ことなく食べ続けた。

そもそも「ナシゴレン」などというインドネシア料理を食べたのは、その時が初めてだった。

作り方も教えてもらったのに、どの調味料を使っていたかはすっかり忘れてしまった。

そこでもスイートチリソースを使ったのかどうかは、今も思い出せない。

だけど今朝と今日のお昼に食べた焼き飯は、まさにあのナシゴレンの味だった。

当時住んでいた町は、1年の中で夏がものすごく短いのが特徴だった。

その短い夏に、辛いナシゴレンを食べまくり、レシピも教えてもらい、その一つ一つが今となっては

かけがえのない時間だったと気付く。

まさか今日ナシゴレンの味に再会するとは思わず、朝から一人で時間旅行をしてしまった。

ちなみに、10数年前のナシゴレンブーム以降、今日に至るまでわたしは一度もナシゴレンを

作ったことがなかった。

お店で「ナシゴレン」という名のものをみんなでシェアするように注文したこともあったけれど、

わたしが知っているナシゴレンの味とは遥かに違っていた。

全く別物と言っても良かった。

それがまさかこんな風に再会することになるとは。

人生どこで何が起こるかわからない。

だから面白い。

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