2020/05/26
心を鬼にすること。
事情を知っているのに知らぬふりをして、さらには期待を持たれそうな行為をとる…。
難しいなと思った。
前日の話し合いで、新人の子を英訳業務から外すことが確実となった。
単純に能力が会社の求めるレベルにはないから。
もし本人の努力で何とかなるなら違う選択肢もあったかもしれないけれど、それはどんなに努力しても埋まりそうにもないもので、そして関係者全会一致で「英訳をさせない」ことに決まった。
但し、本人はその決定を知らないし、まだまだ自分はやる気でいるだろうなぁと思う。
私がやらかしたことは、添削を先延ばしにしたこと。
手元にはまだ添削が終わっていない英訳が残っている。
それを返す。
でもそれはもういつかのデビューはないし、それを彼女が復習してもその復習したものが活かされる機会も巡ってこない。
永遠にやってこない機会だと知りながら、添削して返すことの気持ちの重鈍さみたいなのはこの上ない。
彼女はそれを見て期待するなり、期待はしなくても「いつか自分も英訳できるはず」と信じたままだろう。
嫌な役回りだなと思った。
もし個人的に深い話ができるのであれば良かったのかな…と一瞬考えたけれども、その関係なら余計と言いにくいことまであっただろうから今の距離感で良かったんだと知る。
話し合いは本当にシュールだった。
派遣の私が、部長・上司・現教育担当者を前にして、その子の実情を延々と説明するという、世にも不思議な構図が生まれていた。
間違いなく私が一番長く見て、近くでも見て、さらにはなんちゃって専門知識まであるから、そういう意味で過不足ない役割が回ってきた。
これまでの経過もExcelで表にまとめて状況がわかるようにしたし、なんならネットで彼女の特性に当てはまりそうなものを端的に説明してくれてるサイトのコピーも用意した。
コピーには大事なところを蛍光マーカで引いて、それを知らない部長もすぐにわかるようにした。
30分ほどで話し合いは終わり、部長も最初は訝しげ(いぶかしげ)にしていたけれども、状況を具体的に知って、最終的には自分の元で仕事をさせて様子を見ると言った。
できないことや不得意なことも伝えたし、その状況で何がやれるのかは部長もかなり参っていたようではあったけれども「何かしらは考える」と言って、とりあえずの近々の方向性は出た。
部長は立ち上がってその場を去る際、「人格は悪くねぇんだろ?」と振り返って私たちに聞いてきた。
私は即座に「人格は問題ありません」と答えた。
そういう人の元で面倒を見てもらえるというのは本当に良かった。
色々と大丈夫ではないけれども、そういう情のある上司で彼女も助かるだろうと思った。
本当はその時に彼女の取り組んだ課題を見せる予定が、私がギリギリまで準備していてバタバタとその場に駆けつけたせいで、肝心の課題のコピーを持ってくるのを忘れた。
部長に言われて、話し合いの後に部長の席に持って行った。
私のおよそ1日がかりの資料よりも、彼女の課題を見て、部長は即座に察した。
見た瞬間に、私に「この単語はどういう意味なんだ?」と聞いてきた。
もっとわかりやすい単語があるにも関わらず、ものすごい難解な英単語をあてがっていて、部長がどの程度英語を知っているのか知らないけれども、多分そんなには知らないと思うけれども、ものすごく知らない人が見ても明らかに「えっ?」ってなるものを彼女は書いていた。
他にも話し合いで出ていた具体的な不具合がわかる箇所を3つだけさっと説明した。
部長とやりとりしたのは、ほんの3分ないし4分でしかなかった。
けれど、その数分の間に見た目からの情報で、部長も事の次第や重大さを即座に察知した。
私が大袈裟に説明しているのでもなく、はたまた他の2人が話を盛っているのでもなく、もはや私たちからの情報よりももっと意味がわかってしまうものが課題の中に表れていた。
そして本人がいい加減にやっているとかふざけてやっているとかではなく、大真面目に取り組んだそのそれが、想像以上に凄い様相を示していて、部長もそれだけで瞬時に全てがわかってしまったようだった。
2020/05/29
来月から業務変更になるということが判明した。
そしてそれとは別に、私よりもそのことを先に全く関係のない別の子が知っていて、心底驚いた。
その子がどういう経緯で知ったのかも聞いて、その経緯の中で知らなくても良い情報まで耳に入った。
話は本当におかしなことになっていて、私の耳に数人の口を経て入ってきた内容は、きちんと面倒も見ず、教えずに、本人の努力も知らずに、それで即座に見切りをつけたというものだった。
私は後からどんどん腹が立ってきた。
すっごいやってあげたとは言わない。
だけど、連日残業して、小難しい文書たちの英訳を全て納期に間に合わせて提出して、4月も連日10時間勤務みたいになっていたけれども、その合間に本人にぴったりくっついて教えたことも数回あれば、30分近くみっちりとマンツーマンで教えたことも何回かあったし、さらには添削は勤務時間内にできない時は家に持ち帰ってやっていた。
しかも文法は、自分もネットや本で調べてきちんと正しい情報を探して読んで理解してさらには本人に伝わる言葉を選んで資料を作ったことも片手で数えるくらいはしたと思う。
さらには、英語、教育それも障害児教育、心理、中間管理職の人たち4人にもそれぞれ相談してアドバイスもらって、できることはすぐにした。
それなのに、やってもらってないとは何ぞや!?という話。
しかも、5月からは乳飲み子含めた幼児2人を抱えた育休明けの人が英訳の添削はしてくれていたけれども、その人だって家に帰ってから本で調べて、辞書で調べて、この上なく丁寧な添削を作って返していた。
本当に根気よくやっていて、本当なら有料の域の添削だよね〜なんてふざけて言っていたけれども、本気でそういうものを丁寧に作って毎回返していた。
私たちがやってないなんて言われる筋合いはない。
彼女が望む量ではなかったかもしれないけれども、ここまでやってもらったことを「教えてもらってない」「何もしてもらえない」みたいな言われ方をするのは、私としては人としてあるまじき許せない域のことになっている。
有料でやっていた家庭教師や大学院レベルの難しい添削よりも本当に丁寧にやっていたくらいやって、それでその言われ方をされることが私には理解不能だった。
過去の中で一番丁寧に説明したり資料まで作って伝えたり周りに相談したつもりで私はいるけれど、そしてそれははっきり言って彼女の特異なことにすべて因があって、普通なら絶対にそこまでしなくてもいいことをせざるを得ないから、そして本人も一生懸命だからやれることはやれる範囲でやったのに、何という言い草なのかと思う。
仕方のないことではあるけれども、世話をしたいなどとは到底思えない言葉で、もしかしたら話に尾ひれがたくさん付いている可能性もあるけれども、それでも今私の耳の中に入ったことが全てで、もう言い訳もいらないし、謝罪もいらない。
1つだけ思ったことは、「人がすべて」だということ。
こんな風になってくると、そもそも来月から関わることはなくなるにしても、力になりたいとかできることはしようなんて到底思えない。
自分でがんばってねと思う。
人がしてくれない、ってどんだけ相手ありきで自力じゃないの?だし、仮に自力で何とかならないなら相手からサポートしてもらえるように人間関係の構築ってとても大事だと思う。
彼女を反面教師にして、私はこれからも人をとにかく大事に、困った時に快く助けてもらえるように、誰が相手でも誠実にいたいと思う。
特に私は、ほぼ毎回相手の人たちに説明してもらわないと、英訳1つパソコン操作1つままならないから、武士俣さんだったら仕方ないなと相手も呆れようがあきらめようがなんでもいいから助けてもらえるように、そういうものを目指していきたいと思う。
ちょっとだけ自慢v( ̄∀ ̄)v。
技術部門の裏方トップのMr.ダンディに、この間とんでもないことを言ってお詫びした時のこと。(Mr.ダンディに向かって誰も言えない究極の「これ、やらないというわけにはいきませんか?」と直談判しに行った…( ̄∀ ̄;)。締切が直近で迫りまくりなのに、その中でとんでもない量の薄い文字を濃くする修正があって、私の技量では真面目に1つ直すのに5分、かけることの100以上は確実にあるものゆえ、納期に大幅に遅れるか、さもなければそこは薄くても見えないのとは違うからそれでOKしてもらうかの2択で、それで直談判に行った。その顛末を話したら、普段笑わない人たちでさえ大声で笑ってたくらいに←別に笑いを誘ってはない、ある種大失態を犯した人( ̄∀ ̄;))
Mr.ダンディに、よくよく振り返ったら、お客さんに対してきちんとしようとしている、妥協できるものではないというMr.ダンディたちの仕事のあり方をはなっから否定するようなことだったなと大いに反省して翌日メールして謝った(口頭ではまた今度伺う時に言う予定)。
その際に返事をもらったこと。
ちなみに私の失態さえも、それは私の早く提出しなければという責任感から来てるとわかっていたから全く気にしてないとあった。ホッ。
「武士俣さんが私達の意を理解してくれたってことはとてもうれしいです。」とも言ってもらえて、それも私も嬉しかった。
そして最後にこんな風に結ばれてきた。
「この部屋のドアはいつも武士俣さんには開いているから、遠慮なくまた来てください。」
ものすごく嬉しかった。
早速コピーして、印刷したものを家に持ち帰ってきた。
こういう若干というかかなり変な計算と考えなしに動いてとんでもないことを言い出したりとかは日常茶飯事でも、とにかく人を大事にすることだけはこれからも心掛けようと思う。
私なんかは自分の能力だけで仕事をカバーするのは難しすぎるから、他の人たちの力を借りてようやく何とかなっているから、だからこそ人を大事にすることは徹底的にやりたいと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿