2019年11月22日金曜日
笑っちゃいけない
写真:部屋の天井の風景
天井を何度見上げたか知らない。
大抵行き詰まる時、天井を布団の中からぼーっと見る癖がある。
そうだ、天井の写真撮っておこう!と思って布団の中で仰向けになりながら撮影した。
名古屋時代もよくそんな風に天井眺めたなぁ、何も動けなかったけれど、何も思いつかなかったけれども、とにかく天井をじっと見てたなぁなんて思い出した。
いつもいつも、次はいつどんなタイミングでどんなきっかけで私は動き出すんだろう…って山ほどの心配をした。
今思うのは、そんな日々を何百回と過ごして、それでも私は絶対の絶対に大丈夫だったということ。
迷惑かけたり非難されたり色々あったけれども、どんな時も、天井ばかり眺めて、嫌になると布団かぶってすべてから逃げようとしていた時も、私は全部大丈夫だった。
それをいつかの私も思い出せるように、写真に残したい、そう思って昨日は別に落ち込んではなかったけれども写真に収めた。
今さっき次の派遣先の企業見学に赴いた。
今は何の縛りもないから、今のうちに書こうという魂胆。
バリバリの地元大手企業みたいなところで、従業員も数千人〜1万人規模でいるでしょ、みたいなところだった。
企業見学で4人もの人たちが同席したのは初めてだった。
全体を通しての感想。
これはダウンタウンの年末の「笑っちゃいけない」なのかと思った。
総務的な人事的な女性のみが笑って、あとの男性陣はニコリともしない。
ちょっと薄ら笑いぐらいはしていた人もいたけれど、ぶっちゃっけ「感情が死んでる」と思った。
自分の中の色んなものを殺さないと生きていけないような雰囲気で、オフィスは広いし綺麗だし申し分ない感じではあったけれども、そして福利厚生とか安定なんてのはこの辺りじゃ超一流クラスだと思うけれど、しかも技術系の会社だからよほど世の中の需要が変わらない限り生き延びそうな企業ではあったけれども、史上最高に「笑っちゃいけない」職場みたいだった。
広々としているおかげで息は詰まらなくて済みそうではあったけれども、笑顔付けて喋ってる私が本気の場違いな人みたいだった。
笑わないの?そんな仏頂面して大丈夫?と心の声は止まらなかったけれども、その職場の男性陣は笑わないのがデフォルトらしい。
何せ広い職場だからオフィスに着くまでも長い廊下を歩いたけれども、その途中すれ違った若い世代の男性たちはすれ違えば柔らかい表情で挨拶もしてくれたし、喫煙コーナーの男性たちはまだリラックスした表情をしていて、それを見て少しホッとした(9割男性みたいなところだった)。
楽だったのは、仕事さえしてくれれば、私がどんな職務経歴であるとかは気にならないようで、かなり放っておいてもらえそうな雰囲気なのはものすごく良かった。
素性を明かさなくて良いのと、何せ仕事の質問以外喋ることを一切しなくて良さそうだったから、面倒な人間関係が無さそうなのも良かった。
行ってみなきゃわからないけれど、年度末という終わりが見えているのが救いだった。
そんな余裕があるかは知らないけれど、「人が感情を殺して生きた場合どうなるのか」をひっそりと観察するには、もってこいの場所という感じだった。
職場の案内をしてくれた定年間近みたいな男性が、最後だけ一瞬横顔だけどニコッとしたのを見て、それは社食が安くて種類があってみたいな話の終わりの方だったけれども、それ見た時に少しホッとした。
何様かという話だけど、私に笑わなくてもいいから、大切な人たちの前では笑ってね…とお節介みたいなことは思った。
超ニコニコしなくても、せめて違う表情もできると、さらに言うと緩みの方の表情が出せるといいよね、と思った。
ちなみに女性だけは、作り笑いとかではなく、多分普段からにこやかに対応されているんだろうなぁと思った。
それは男性と女性の性差なのかもしれないし、その女性の個性なのかもしれない。
人生でこんなにも「笑っちゃいけない」などと感じた場所は他にあったかな…なんて振り返りつつ、私もせめて病まないように自分の体調と心の管理だけはきちんとしようと思った。
ちなみに仕事は、基本ひたすら入力だから、「単調でつまらないと思いますが大丈夫ですか?」と聞かれた。
変なものを持ち込みたくなくて、とりあえず「大丈夫かと思います」とその場では答えてきた。
大丈夫かどうかは知らないけれど、とりあえず仕事のおかげで父といる時間の確保ができるから、その気持ちだけは忙しさに忙殺されて忘れないようにしたいなと思った。
派遣会社のお洒落な男性オフィス長(←私の担当者になる予定の人)と別れた後、道を出てすぐのところで、「311」のご当地ナンバープレートの車とすれ違った。
久しぶりにお目にかかった誕生日のナンバープレートだった。
しかもご当地ナンバープレート(普通の白いナンバープレートではなくて、地域の特色が描かれた特殊なプレート)での誕生日ナンバーは初めて見た。
「大丈夫」
そう思った。
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