2018年11月26日月曜日

ママ友体験

たかが1時間程度のママ友体験で、猛烈に疲れた。

そして、本当に心から世のお母さんたちを尊敬した。

あれは、私が人生で経験した数々の体験の中で一番気を使い、一番フル回転で察知センサーを発動し、さらには小難しい人間模様に対する臨機応変な対応を瞬時に余儀なくされる場になっていた。

大真面目に子育てや専業主婦を下に見る男の人たちやキャリアウーマンたちに言いたい。

子育てや子育てにもれなく自動でくっついてくる他の保護者とのやりとりの方が大変だから!

仕事の方が何十倍も楽だと実感した。

仕事でこれまで、PTAのバザーのお手伝いとか、体験保育とか、保護者懇談とか、万引き発覚で店に謝罪とか、あれこれやったけれど、今日の1時間程度の集いの方が私には本気できつかった。

最近のブログで、動物の交尾シーンがテレビに映って、子どもに「あれ何やってんの?」と聞かれたことを書いたけれど、そちらの方が楽。

事の発端は、姪っ子(来月で3歳)が「メイとしょかんにいきたい!」と言ったところに始まる。

前の日、母がメイに「図書館に行こうか!」などと提案していた。

だけど、本人新潟に来る前からの体調不良で、昨日も夕方ぐらいまではいまいち調子が出なかった。
(その後、みんなに菌を移して、1人だけ超元気になったけれど)

今日になって、「メイとしょかんにいきたい」と、あと3時間で金沢に帰るのに、そんなことをぼやき始めた。

月曜日だから図書館は休みだと言うとションボリしながら「メイとしょかんにいきたかった…」と言い(迫真の演技と涙声)、今度は「じどうかんにいきたい!」と始まった。

消去法で、体も空いていて元気なのは私しかいなかった。

それで徒歩1分の児童館へとメイと行くことになった。

平日、連休明けの月曜、絶対に空いてる!と何の根拠もなしに思った私は、今日も前回同様メイとままごとなんかをしながら過ごすものだと思っていた。

玄関入ると、やたらと声がする。

遠目に2人ほどは見えた。

入ってびっくり、うじゃうじゃとちびっ子がいて、その数だけお母さんかおばあちゃんがいる。

入った瞬間から卒倒しそうだった。

まず何がびっくりって、受付に行くと見慣れた顔があって、名簿の苗字を見て、数年前まで20年近くに渡りうちのお隣りだったお母さんがいた。

お孫さんを連れて来ていた。

そういえば母もそんなこと言ってたなと思い出した、児童館で元お隣さんと会ったと。

挨拶や多少の世間話はできるけれど、いかんせんそれ以上の会話なんてしたことなかったから、非常に辛いものがあった。

そんなのまだ序の口で、その後さらにヒートアップする。

なんと今日は、クリスマスリースを作ろう!というイベント日で、それでどうやらたくさん人が来ていた模様。

最初「クリスマスリース作るなんて、それで時間潰れてラッキー!」と思った。

そのリース作りまでメイと時間を適当に過ごすことになるけれど、メイと私は今日来館した中で最後に来たから、すでにお母さんグループや、談話グループが出来上がっていて、その広いスペースの中で(コンビニ2〜3軒分はある)おもちゃが集中している棚の前を占領されていて、それ見て「げっ“( ̄ω ̄;;)੭ꠥ⁾⁾」となった。

メイは究極の引っ込み思案を発揮して、私にだけ聞こえる声で「メイ、あれしたい」とか指差しながら言う。

「ふみこ、やぁーーーーだぁーーーーっ!」とものすごくでかい声で遠吠えする家での姿とは天と地の差だった。

私は他の方たちの邪魔にならないよう間を縫って、メイが希望するおもちゃを取りに行き、そして隅っこの空いているところに座ってメイとその遊びを始めた。

周りを観察しながら、「公園デビュー」するしないのお母さんたちのお悩み相談を思い出した。

これ、ハードル高いわ!と思った。

私もメイに負けじと人見知りを発揮して、観察はするもののどこのグループにも混ざらず、ひたすらメイとだけ遊ぶふりをした。

クリスマスリース作りまでは、メイもひたすらひとり遊び系のおもちゃ(上から球を転がすと下の仕掛けのレールの上をぐるぐる回るものとか)をしていて、時々他の子たちが興味深そうにやってくると、メイには「貸して!って言われたら貸してあげてね!」と言いながら様子を見ていた。

お母さんやおばあちゃん、世代ごちゃ混ぜのグループのトークを盗み聞きしてわかったこと。

この手のグループの会話は、ものすごい配慮が必要な会話だとわかった。

子どもを通じて自己紹介はすると思うけれど、変に家族事情や地域事情に絡む話は基本的にご法度(仲良くなれば多分別)、子どもの成長についても相手の子どもの成長や健康は目には見えない何か事情があることもあるから詮索になりそうなことはもちろんご法度、という具合にあれこれ細かな制約が至るところにありすぎて、超神経使うわこれ!と思った。

ましてや私は姪っ子だからもっと話が面倒だから、そこはもうそっと黙っておくしかない。

そんなこんなのうちに、待望のクリスマスリース作りの時間が始まった。

あれは親子共同作業だし、適当にやれば時間が過ぎるというありがたいやり取りかと思った。

それが勘違いだというのは、参加してからわかった。

まず、席を聞くということから開始。

実は私、今回わかったけれど、どこに座ってもいいですよ形式である程度埋まった中から適当な席に座るのがとても苦手。

これが単なる免許更新なんかで講習を聞くぐらいのものならいいけれど、仕事の飲み会とか今回みたいな作業とか、とにかく一度そこに座ったら否が応でも近くの人たちとコミュニケーションを取らないといけない、そういう場における席が本当に苦手。

私は今でこそ相当話せるようにはなったけれど、本来そうした時にそのままでいていいなら人見知りをしまくりだから、けっこうハードル高いものになる。

メイなんかははなから自分で聞くなんてしないから、当然大人の私が先導しないといけない。

とりあえず案内された席に着いて、先生の指示があるまでひたすら黙って座っていた。

実際にスタート。

工作苦手女は、たとえ未満児(3歳以下)向けのものでもきちんと説明を聞いておかないとやらかす。

かなり耳をかっぽじって聞いていた。

手順はそんなに難しくはなかったけれど、何せメイと工作なんかしたことがないからメイのレベルがわからない。

メイを見て、メイができそうにもないところは手を出すことにした。

メイは誰に似たのか知らないけれど、やたらと几帳面なところがある。
(両親ではない)

3歳になる前とは言え、すごくきれいにハサミを使っていた。

線の通りにまっすぐ切るという腕を披露していた。

そして切ったものや他の装飾品をリースに貼り付けていく作業も、丁寧にしていた。

ものすごい分厚い猫の皮をかぶったメイは、多分家なら「ふみこ、それダメ!」「じぶんでする!」とか言ってギャーギャーなりそうなところも、とても静かに従順にしていた。

何この空気の読み方?( ゚д゚)と思いながら、とりあえず作業を進めた。

「うわぁ、上手ですね!」
と前に座ってたお母さんから突然声を掛けられた。

確かに上手ではあったけれど、こういう時、ただ「ありがとうございます」と言うのがいいのか、それとも「工作は好きみたいで」とか「保育園に通っているから色々できるようになってきました」みたいなことを言うのがいいのか、さらには相手の作品も褒めた方がいいのか、その諸々が本当にわからなかった。

幸い、そのお母さんの子どもはまだハイハイしているぐらいの小さな子で、工作はお母さんがひたすらしていた。

だから今回は、相手の作品を褒めることはあえてしなくて良かった。

でも、返答は何がいいのか…。

とりあえず、ありがとうございますと保育園に通っていて色々してるみたいだということだけを伝えた。

今書いていて気付いたけれど、そのお母さんから保育園のことは何も突っ込まれなかった。

そもそも保育園に行っているなら今日なんて保育園に行ってる時間なのに児童館に来るなんて、そもそもおかしい。

そういうことも突っ込まないのがママさんたちの会話だと思う。

次に、テーブルの一番端にいた超きれいで若いお母さんが、先に材料を少しもらっていいですか?と言いながら、共通で使う材料を自分たちの分だけさっと取り分けていた。

当たり前のことみたいだけど、私は上の会話でテンパっていたから、材料が遠い近いなんてわからなかった。

そうしたさりげない気遣いも、要は周りに迷惑とならないようにさっと動くことも求められる。

妹に帰ってからその話をしたら、多分そのお母さん、どんなに年がいっていても私より一回り以上下、もしかしたら25歳ぐらいかもとのことだった。

本当にきちんとしていて(他の場面でもすごく素敵な対応をしていた)、私はすごい感動した。

最後仕上げを先生からしてもらうようになっていて(なんと短時間に、子どもの写真を撮って、それで子どもの顔でサンタクロースの飾りを作っていた!保育のプロたちのスゴ技!)、その順番待ちをした。

それさえも、先生に声をかけていいのかためらわれて(なぜならなかなか大変な作業だったから)、そこも難しい判断だった。

先生の方が気付いて声をかけてくれたから良かったものの、正直私にはどうこちらから声掛けをするのかNOアイデアだった。

今度完成したはいいけれど、その後自由時間なのかそれとも何かみんなで記念撮影的なことをするのか、それとも別の工程がイベントに組み込まれているのか、皆無だった。

メイは借りてきた猫だから、じっとしている。

私から先生に、他の遊びをしても大丈夫か?を聞いて、メイと私はいの一番にそこを去った。

今度は大きな広間に移って、三輪車とボールプールで遊んだ。

私としては、完全貸切の今、ボールプールとあとトランポリン的な遊具とでメイに遊んで欲しかった。

ところがメイは1人の時に三輪車に乗って、他の子が来たら他の子と同じことをやりたがった。

ボールプールで1人で遊んでいた時、メイの写真を携帯で撮ったら、後から来たメイより1つ下の女の子とおばあちゃんが来て、「写真終わるまで待とうね」とおばあちゃんが女の子に言っていた。

ぎゃー、やらかした!と思って、慌てて「どうぞどうぞ入ってください」と声をかけた。

そうした気遣い(写真の邪魔になってはいけない、そして反対に周りを遮ってまで写真撮影をすることは控える)も必要なんだと学んだ。

さらにおばあちゃんは私に聞いてきた。

近くから来てるのかと。

まさか徒歩1分とは言えず、近くですと言った。

おばあちゃんは、ある固有名詞を出してそこのすぐ隣りだと言った。

私は瞬時に色んなことがわかった。

多分うちから100メートルほどの距離で、多分ここ数年ぐらいで土地を買って家を建てたおうちだとわかった。

イコール、私の1つ下2つ下のきょうだいのお母さんだとわかった、間違えていなければ。

これもひょんな話で、私は前の仕事で個人情報を取り扱っていたから、その家のことも詳しく知ることにたまたまなった。
(無作為だから、そうした知り合いの家に当たることも度々あった)

私が苗字を出したら一発でバレるから、うっかり名前とか何か場所を特定できることを言わなくて良かった!と思った。

その後は、近くていいことや色々遊べて助かることなんかを、とにかく当たり障りのない話をすることに努めた。

ここまででも私はもう疲労のピークに達していたけれど、この後さらに追い討ちをかけてすごいことが起こった。

「メイ、おままごとをしたい!」

ガラス戸の向こうの部屋を見ると、来た時にすでに数人の人たちで占領されていたおもちゃの棚の前が空いていた。

これはいい!と思って、メイを連れ立ってままごとをしに行った。

家でもエンドレスお店やさんごっこ(修行その1)とおうちごっこ(修行その2)をしていたのに、ここでもままごと…。

何の刑かと思った(汗)。

これは後からわかったことだけれど、多分今日来ていた子どもの中でメイが最年長だったと思う。

だから、メイが始める遊びは、年齢の近い子たちからするととても魅力的な遊びに見えるようで、メイが何かを始めると他の子たちも付いてくるという感じになっていた。

しかもメイはこの手の遊びを1年以上飽きずにほぼ毎日やっている。

しかも、家でパパである義弟とメイとで見るタブレットは、毎回シルバニアファミリーとかアンパンマン系の小さな人形、又はりかちゃん人形を使ったおうちごっこの動画で、そこからもものすごくたくさんアイデアを日々得ている。

ちなみにその動画、私も一緒に見たことがあるけれど、シュール過ぎる。

大人のユーチューバー的な人がひたすら1人で人形たちを動かして、声を変えて、ごっこ遊びをする。
(↑冷静にその状況を想像すると、シュールな感じが伝わると思う)

私にはその面白さは全くわからなかったけれど、メイは大好きで今もずっと見ているらしい。

だから、メイのままごとは実によくできていて、他の子たちの羨望の眼差しになるのはある意味仕方ない。

事件は起こった。

メイより何ヶ月か年下の女の子で、とにかくメイが何かを始めるとすぐに真似をして同じことをする子がいた。

小さい子特有のもので、メイの持っているものを横取りする。

理不尽なのはわかっていたけれど、それをまた取り返そうとするメイには「『貸して!』って言うんだよ」と2回か3回言った。

ちなみにもう1人女の子が来て(←きれいなお母さんの子ども)、私は完全にこの3人のかしまし娘たちのごっこ遊びの相手で、常に三人三様に求められることをエンドレスでやっていた。

いただきますだの、おいしいお茶ですねだの、その手の会話をあの短い時間で何十回したかわからない。

そんな最中、起こった。

「ねぇみて!チーズだよ!」とメイが私に鍋に入ったチーズを見せてきた。

そうしたら、隣りの真似する女の子がすかさずそのチーズを取ろうとして、それでメイはメイで今度その子がチーズを取らないように、鍋と鍋ふたでその子の手を全力で挟み出した。

ギャーーー((((;゚Д゚)))))))!!!!!!!!

すぐにやめさせて、その子には欲しかったら貸して!って言うんだよと伝え、メイにはおもちゃで人の手をそんな風に挟んじゃいけないこと、ケガするから危ないことを伝えた。

私1人で顔面蒼白だった。

別に大けがになるようなことではないにしても、ダメなものはダメだし、そしてここで何がこの状況の難しいことなのかがすぐにわかった。

メイにはきつく言えても、他人の子どもにはものすごく言いにくい。

しかもお母さんがずっと近くにいなくて、私はこの子のお母さんが誰かもわからなくて、余計とやりにくかった。

施設で働いていた時、幼児を最大で10人一斉に見ていた時期があったけれど、そちらの方が実はすごいやりやすかったというのがわかった。

その中では子どもはみんな対等で、私も何にも気にすることなく、完全に対等に関われたから楽だった。

子どもと子どもの間に差がなかったから、今メイに注意するように注意できたし、悪い時は年齢とか関係なく悪い方をそのまま指摘できた。

両方が悪ければ両方を同じように叱ったし、片方だけがふっかけていたならそのふっかけた側を叱った。

でもよその子はそういうわけにいかない。

どこまで注意していいのかも、親の考え方もわからないから、もう最低限しか関わることはしなかった。

最後にお母さんが来て「一緒に遊んでいただきありがとうございます」とお礼を言われた。

まだ小さな赤ちゃんがいて、それでお母さんが相手にできなかったことがわかった。

今回みたいに、双方に非があっても、これが他人の子どもとなると色々言いづらい。

そんなことをすぐに判断して対応する世の中のお母さんお父さんには尊敬の念しかない。

絶対の正解もなければ、子どもの事件は常に内容が変わって一発本番みたいなところが圧倒的に多いから、本当に難しい。

修羅場を超えて、その後も若干目を光らせないといけない場面はいくつかあったものの、ようやく帰れる時間になって私も安堵した。

最後、どう片付けていいのかわからなくて、片付けができる範囲でメイとやって、最後は先生の方から「あと大丈夫ですよ!」と声をかけてもらって、お願いしますと言って帰ってきた。

メイは「たのしかったね(*^o^*)」と超ニコニコして大満足して言っていたけれど、私は超ぐったりとした。

滞在時間1時間半、実際には2人きりの時もあってそこを30分としても、1時間はそこで色んな人たちと関わってきた。

まだまだ小さな子ゆえ、みんなどの子も動きの予測がつかない。

それは子どもだから仕方ないにしても、メイの鍋ふた事件のようなことがあった時に、単にメイやその子どもだけじゃなく、その先の親のことも踏まえて何かをしないといけないというのが私には本当にストレスだった。

これが、「自分対わが子」だけではなく、そこに「よその子ども」「その子どもの親」と付いて回るから、たった1つのことでもやたらと難しくなることがわかった。

全てのことは二重三重構造で、私ははっきりと「ママ友」は超難しいと思った。

本当に、そういう意味では仕事の方が単純明快な構造でやりやすいと心底思った。

ままごとの時に周りを見渡して、何人いるのかを数えた。

子ども10人、大人が関係者含めて11人。

そこにいられた大人の方たちは皆さん穏やかで良い人だと感じたけれど、それでも私にはもうこの1時間だけでスーパーぐったりだった。

これが面倒な親や人としてあまりにも配慮なんかが欠けている人相手なら、こんな程度では済まされない。

職場や個人的な付き合いで私が仲良くなる子どものいるお母さんは、実はほぼみんなママ友がいない、と本人談。

多分今日私が体験したようなことがものすごくよくわかっているから、適度に距離を置きながら付き合っているとみんな言っていた。

あと職場で転勤妻たちに何人か会ったけれど、この転勤妻たちもすごい。

適応力やコミュニケーション能力がすごい高い。

多分今日のような場面を山ほど各地で体験して、そしてあのすごい力を鍛錬したんだろうなぁと思う。

とにかく、メイのおかげでママ友体験版・公園デビュー体験版を体験して、本当に色々気付かせてもらった。

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