今朝見た夢は不思議な夢だった。
夢の中で私は3月までいた職場で仕事をしていた。
だけど、配席や仕事内容は全く違っていた。
何故か電話番の係で、人1人通れるぐらいの通路を挟んですぐ隣りには事務所の長の席という、何ともおかしな世界に仕上がってた。
電話を取って、そしたらいきなり難しい電話を取ることになった。
協力会社の事務さんからの電話で、業務契約を結ぶ時に細かな労働協定が絡むから、それの確認の電話だった。
私はひたすら聞いたことを裏が白い広告の紙にメモをした。
夢の中は色々おかしくて、その広告の紙も昭和の広告みたいなものだったし、電話にいたってはなんと黒電話だった。
全然わからなくて、私は本当なら聞くべき相手じゃないってわかってたけど、あまりにも法律の話が難しすぎて、隣りの長を呼んでどう対応したら良いかを聞いた。
一瞬「俺に聞くなよ」的な顔をされたけど、電話は続くし自分じゃどうにもできないから、「すみません、〇〇さん、これこれこういう電話なんですけど、どうしたらいいですか?」と聞いた。
いつもなら助けてくれる人たちは周りに誰もいなくて、長に頼らざるを得なかった。
この後は現実的にはさらにあり得なかったことが起こった。
なんとその人は、私のすぐ隣りに来て、私がごちゃごちゃと書いたメモをものすごい至近距離でさっと一読して、それで私にどう対応するのかを瞬時に指示した。
電話どころではなくなった位に、私はドギマギして、その後に夢だと気付いた気がする。
席もさることながら、その状況も現実には絶対に起こらなかったことだなと思った。
夢の中とはいえ、なんとなく得した気分の夢だった。
私は勤めていた当時、ほとんど電話を取らなくて良かった。
取ったところで全く対応できなかったから、本当に誰もいなくて取らざるを得ない時は全て折り返し対応でオッケーという素晴らしい方法を与えられていた。
だから社会人になってから、一番社会人経験を持ってるのに、一番楽な電話応対で良くて、電話ってこんなに気楽に取れるものなんだと感動さえ覚えた。
責任をあれこれ問われないとか、私へのクレームとかを電話越しで対応しなきゃいけないとか、そんなのがないって本当に気楽そのものだった。
だけど、ある時1回だけすごく面倒な電話に当たった。
その時も何がどうしたらそのタイミング⁉︎と思うようなタイミングで電話がかかってきた。
2台ある電話のうち、1台は事務員さんが取って対応してる最中にもう1本鳴った。
普段なら私はそれも出ない。
だけどあの時は他に出れる人がいなくて、それで取らざるを得なかった。
夢の中に出てきた長宛ての電話だった。
長は不在だから折り返します、と王道の対応を申し出た。
普段ならここで相手も了解してくれ、それで終わる。
っていうか、後にも先にもそんな電話に当たったのはそれ1回きりだった。
その時は折り返すと言ったら、伝言も頼まれた。
私は私に頼むぐらいの伝言だから、そんなに難しいことは相手も言わないだろうとタカをくくった。
一応メモ用紙は手元にあったけれど、本当にささっとメモしたらいいかなと思ってた。
そんな心構えでいざ伝言を聞いたら、とんでもなく難解な話だった。
要点はなんとなくわかったし相手に折り返す際に何を伝えなきゃいけないかもわかった。
だけど、途中の説明が全くわからなくて、漢字さえわからない用語たちをひたすら聞いた音のままメモした。
相手は言うだけ言って電話を切ろうとしてたけど、私は無理矢理阻止して「すみません、間違えて伝えると悪いので、今お聞きしたことをもう一度復唱させてもらってもいいですか?」と切り出して、自分のひらがなオンパレードのメモを読み上げた。
自分で読み上げてても電話番号と名前以外は何言ってるのかさっぱりわからなくて、でも相手はそれで合ってると言ったから、電話は切った。
切るともう1つの電話対応をしてた事務員さんも終わってて、電話のことをそのまま説明した。
武士俣さん、聞いた内容をメモして長に渡せばいいからメモ書いて下さいと頼まれ、自分の意味不明なメモを清書した。
当たり前だけど、漢字は漢字に直して、なんなら私は当時対外的な事務所の名前が何かもわかってなかったから、事務所の名前まで聞いたままの名称で書いた。
聞き取ったように書いたけど、本当に内容と私が書いた内容が一致してるか定かではなく、とりあえず最重要事項の確実に連絡してもらわないと困る部分は蛍光ペンを引いて目立たせた気がする。
私はひそかに、それを本人に渡して本人が私のメモの意味がわからず私に話しかけてくれないかなと期待した。
そんなことはそれ以前に叶わず、事務員さんに見せたら「これちょっと私の方で確認しないといけないことがあるから、預かっておくね」と言われた。
質問云々の前に、直接渡すことさえ叶わなくなって、心底ガッカリした。
帰る間際になって、そのメモは事務員さん経由で本人に手渡された。
私はきちんと伝わるかどうかが気になって、その瞬間をガン見してた。
私の気のせいなのか何なのか、随分と長い時間そのメモを見ている姿を見て、何かやらかしたんじゃないかととても不安になった。
事務員さんはそれで大丈夫とは言ってくれてたけれど、本当に大丈夫だったんだろうか?と疑いたくなるぐらいにメモを凝視してたように見えた。
その後ようやく何か事務員さんと相談か確認みたいなやり取りをしてるのを見て、安心した。
多分大丈夫だったんだろうと。
書いてたついでに思い出した。
忘れもしない伝言係を頼まれた時のこと。
あの時も何がどうしたらそんなことになるのかな…と思うことが起こった。
いつも荷受け担当する人たちがみんな出払っていて、私がその最中にきた荷物を受けに入口に向かった。
当然荷物を見たところで何かなんてわからないから、とりあえず他のところで大型の荷物たちの荷受けをしてる人たちのところに行って、「〇〇からの荷物が来ました。そのまま入口前に置いてあります」とだけ伝えてすぐに上に上がるつもりでいた。
時々こんな風に荷受けを代行することはあったけれど、それを頼まれたのは後にも先にもその時だけだった。
その時私が頼まれたのは「武士俣さん、長に〇〇から荷物が届いたって言って!」だった。
嘘でしょ⁉︎と思った。
私はそれだけは本当にしたくなかった。
色んなことの後で相手は私を避けてる風なのはわかってたから、いくら仕事と言えども伝言するというか相手と接触しなきゃいけないのが本当に気が重たくて仕方なかった。
まさか伝言ごときで「嫌です」とは言えず、仕方ないから腹を決めて伝言しに行った。
詳細は省くけど、私は社会人になって仕事中に泣いた3回のうちの1回になった。
伝言はきちんと果たしたけれど、もうその一瞬のやり取りで見たものはものすごい破壊力があった。
色々感動してとか感極まって泣くのはたくさんある。
そうではなく、完全に自分の中の一番弱いところが刺激されて泣いたのは3回。
しかも最初の2回は単にメンタルが弱ってた時の話で、別に相手と何かあってとかいうのではない。
普段の私なら笑うか怒りを募らせるかのどちらか。
だけど、精神的にかなり追い込まれてた所にさらに火に油状態で、その後1人で隠れることのできる場所に移動して心を整えた。
でもその時は違ってた。
完全に自分の中の色んなものが崩れて、仕事中に泣くなんてありえない話だけれど、そんな理性や社会人としてのマナーさえぶっ飛ぶぐらいのことが一瞬にして起こって、私はどうすることもできなかった。
本当の本当に泣かないようにぎゅっと唇を結んでいないと泣き出すのははっきりとわかってた。
目には涙がぐわっと溜まってたのもわかったし、少しでも体の一部の筋肉の力を緩めたらえらいことになるのもわかった。
だから私は体中に力をぐっと入れた。
その後どうやって切り抜けたのかよくは覚えてないけれど、今でもその時のことが目に焼き付いてるぐらいに何が起こったのか、私は何を見たのか、よく覚えてる。
そんなこんなの現実とは違うことが夢の中では起こっていた。
夢でも嬉しかった。
もう起こったことは何も変えられないけれど、少しだけその時のことがマシになるような夢の内容だった。
ちなみに現実にあったことの方に関しては、その後私は色んな思いを抱いたりしたけれど、それでさえも特別なことだったと今は思ってる。
あの日あの時だけしか起こり得なかったことは、もう生涯でただの一度きりだと知ってるから、そういう意味で特別になった。
もうどんなに望んでもその時のような現実にはいられないから。
二度と交わらない世界を前に、全てが一期一会だと今は知ってるから。
だからその時が特別になった。
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