週末に家の掃除をした時のこと。
何か音楽をかけようと思ってかけたのが、ドミニカ共和国から持ち帰ったラテン系の音楽。
これまでも時々掃除の時にかけていたけれど、何でそのチョイスなのか考えたこともなかった。
少し考えてから、はたと気付いた。
わたしが1年半近く住んだドミニカの家というのが、掃除の時は必ず大音量で音楽を流す
というのがお決まりだった。
掃除をするのは、家主が雇ったラケールという名の多分わたしと同じぐらいの年の女の人で、
暗黙の了解で、家人がいようがいまいがラケール自らラジオのスイッチをオンにしていた。
毎回歌う度にものすごい音程が外れていても本人は気持ち良さそうに歌っていたし、
音楽に合わせてモップを持ちながら踊ったりしている時もあった。
その名残なのか・・・と妙に納得した。
そもそも実に不思議な家族構成だった。
家主の大家さんは近くの高級別宅に住んでいて、
①家主の独身のお兄さんティート、
②バツ一の職業医師ってほんと!?と疑いたくなる妹グリス、
③家主家族と昔から親交のあった30代と思しき女性パトリーン、この方は本物の女医、
④そして彼女のいとこ?甥?に当たる大学生の男の子ピコリート。
ちなみに、血縁関係にあるといえども、パトリーンとピコリートはベッドをいつもシェアしていて、
当然着替えもそのまま自分たちの部屋で済ませるわけで、摩訶不思議な光景だった。
という、わたしの他に4人の大人が住んでいる家だった。
何せ大人しか住んでいない家、色んな意味で遠慮のない家だった。
わたしが移り住んでからまず最初にぶちぎれたのは、
グリスが朝の6時から音量MAXでラジオを流すことだった。
心臓発作でも起こしかねない位の大音量で、自分の部屋のドアを閉めていても
一言一句聞き取れる位のとてつもない音量だった。
さすがにこれは嫌だったから、グリスにお願いだから音量小さくしてくれと頼んだ。
何時位からならいい?みたいに聞かれたんだと思うけど、
6時台は聞こえない位小さな音量で、そして時間の守れないドミ人グリスは
なぜか毎朝7時になると律儀に音量をMAXに上げていた。
自分のためなら、どこまでも律儀に時間を守れるんだ、と感心した位。
掃除に来ていたラケールも、音楽は大きな音でガンガン流していた。
そういえば、たまにラケール一人しか家にいない時にわたしもたまたま居合わせて、
その時は音楽がない時もけっこうあったなぁということも思い出した。
家人に遠慮するようなラケールじゃない。
回想していて思い出したけど、そう、毎日不定期に停電があったから、
音楽がない=停電中だったことも思い出した。
話は変わるけど、女医パトリーンは背が低い方に分類される。
150cm台前半ではないのかなと思う。
皆パトリーンを「ちび!」と呼んでいた。ラケールも「ちび!」と普通に呼んでいた。
医師とお手伝いさんが同じ口調で話すなど普通には考えられなかったけど、
あの家ではそれはそれで問題のないうちだった。
むしろ、「ちび!」はパトリーンの愛称だったんだと、今さらながらに気付く。
そうだそうだ、あの国では「でぶ」も「ちび」も「黒んぼ」も諸々の身体的特徴がそのまま
あだ名になる国だった。
日本でそんな呼び方したら、大問題になりかねないけど、あの国ではOK。
わたしの同僚の男性も、わたしより年上だったけど、「少年」というあだ名だった。
今となっては本名を思い出せず、とにかくみんなに「少年」と呼ばれていた。
カルチャーショックというようなレベルを通り越して、何もかもが変にしか見えない生活だったけど、
今となっては、とっても貴重な体験だったと心から思う。
当時、一人暮らしをしている日本人の人たちがとっても羨ましかった。
一人なら、グリスの朝一番の大音量のラジオも、
はちゃめちゃな家族構成の中で遠慮しながら洗濯や炊事をしなくてもいい、
ガスがなくなると誰かがガスボンベを持って買いに行かないといけなかったけど、
車のないわたしは、ひたすら暇人グリスがすぐにでも買いに行ってくれることを祈るしか術が
なかったけど、
もうある意味毎日がサバイバルのような感じで気も休まらない日々ではあったけど、
あんな経験、もうあの時しかできなかったんだと思うと、今となってはあの変てこな家で
変てこなカルチャーの上で日々生活したのは貴重だと思う。
もしあの家に行かなければ、わたしは今掃除をする時、何の音楽を流していたんだろう。
他の音楽ももちろん流したことはあるけれど、ドミニカの音楽ほど掃除にしっくりくる音楽はない。
ぶっしー、記事100件アップ達成おめでとう♪♪
返信削除この2月の「1日1記事」で、かなり追い上げてますな~(^^)
これからも末永く、楽しく続けていってね!
新しく始めたいことも、考えがだいぶまとまってきたみたいだね。
春にはいろいろ始動かな?? ぶっしーにも「開けゴマ」!!
私のいま気に入っている「家事のお供ミュージック」は、
掃除→ウインナワルツ(気分はシェーンブルン宮殿のお掃除係)
料理→トリニダード・トバゴのスティールパンか、ハワイアン
(注:作ってるのがおでんとかだと、微妙に合わない)
洗濯→スイスのヨーデル(カウベルが鳴れば、気分はハイジ)
ちなみに、同じ掃除でも庭掃除とか草むしりの時は、
→ルーマニアのパンパイプがぴったり(気分は「落穂拾い」の農民)
音楽かけて、「なりきり〇〇」で家事を乗り切る(笑)!
ドミニカの音楽も、今度聞いてみたいな~♪
さんごさんへ。
返信削除もう1つ別の方にもコメントありがとう。
毎回まとめての返事、失礼します。
聞いたことのない音楽の名前ばかりで、今ひとつひとつyoutubeで検索してみた。
いやはや、それぞれ全然違った音楽で面白いね~!
そういう音楽にどうやって出会うのかわからないけど、そんなに色々知ってるのすごい!
そして、たしかに、あぁこれならこの家事にぴったり、というのが聞くとわかる。
すごいよね、音楽ひとつでこんなにも気分が変わるって(笑)。
ドミニカ共和国音楽も、youtubeで聞いてみて。基本うるさくてのりのりな感じ。
仕事色々挑戦してるね~^^
あの体質を変えるのは相当なエネルギーが必要かと思うけど、それが最終的に色んな人たちのためになる、っていうのが伝わって物事が少しずつでも変わっていくといいよね。
せっかくあれだけの貴重品集めた空間だから、それがもっと生きる方法、それはあの物ひとつひとつにも大きく影響するかと思う。
少しでも前進するように応援してます!
そろそろ新しい子が来る頃かな??
また色々あると思うけど、体に気をつけて~!