2014年10月18日土曜日

野菜が生み出す味

1年の中で時々、むしょうにタイカレーが食べたくなる。

タイカレーの素さえあれば、あとは家にある野菜や肉で適当に作れる、

その気軽さも手伝って自分で作っている。

素もKALDI(輸入食料品店)に行けば、日本のカレールーと変わらない値段で購入できる。

正しいタイカレーの作り方はわからないけど、

いつもは具材を炒めたらすぐに素を入れていたのを、

今日初めて野菜と肉を煮込んでから素を投入するという手順で作った。

肉:野菜の割合は1:5くらいで、ほぼ野菜で埋め尽くされたタイカレー。

煮込んだ時間は10~15分程度だったと思う。

煮込むだけで出来上がりがいつもの何倍も良くなり、

辛さの中に野菜の甘みやうまみが溶け出ていてとてもおいしかった。


話は変わるが、わたしがこれまでの人生の中で一番おいしかった味噌汁は、

Kくんという男の子が作ってくれた味噌汁だった。

たくさん人が集まっていた席で、Kくんは味噌汁をふるまってくれたのだけど、

一体どんなだしを使って作ったのか不思議でならなかった味噌汁だった。

優しい味で、言葉では言い表せない深みのある味だった。

Kくんに直接、だしは何を使ったのか聞いてみた。

Kくんは即答で「だしは使ってない」と言う。

「代わりに、野菜をけっこう長い時間煮込んで、最後味噌を溶いただけ」

と教えてくれた。

野菜から引き出される味は、その組み合わせいかんで幾通りにも広がり、

だしを使わなくても十分おいしくなるとも言っていた。

そんなことすっかり忘れていたけれど、今日タイカレーを煮込んで作った時に、

あぁあの時の味噌汁と一緒だと思った。


これから寒さが増す季節。

また野菜をことこと煮込む料理も楽しみな季節だ。

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