「今年の夏、一番感動したことは?」
とあるアンケートの一番最後に、上の質問があった。
それまですべての質問は、YES/NOクエスチョンだったのに、
最後だけ記述式で、しかも飛ばすことができないシステムになっていた。
質問を読んで1分後。
何も思い付かなかった。
次に、
「夏=6月・7月・8月」
という当たり前だけど、当たり前のことを確認した。
本気で、6月・7月・8月と自分は何をしていたんだろう??と振り返った。
仕事で忙しいこと以外何も頭をかすめず。
そうだそうだ、人生で初めて梅干しを漬けたんだった、と思い出す。
記述式アンケートに梅干しのことを書くのか・・・とイメージトレーニングすると、
梅干しを漬けたけど、「感動はしていない」ことに気付く。
梅干しはやめて、何か別のことを書きたいと思い始める。
思い始めても、思い付かないから、
家計簿を引っ張り出す。
今年は、年が明ける前後にスケジュール帳を使うのが面倒になって、
結局スケジュール帳はお蔵入り。
ただ、何をしたか何も残らないのは嫌だから、
せめて家計簿の右端3センチくらいの1ヶ月カレンダーに
誰かと会ったことだけは残しておこうと決めた。
だから、わたしは家計簿を出してきた。
6月と7月と8月の3ヶ月分を振り返る。
ちょびっとだけ、人の名前があり、ほっとする。
一応、誰かには会ってたんだとわかる。
6月の中頃。
妹ふたりと、下の妹の旦那(弟)の4人で会った。
多分1年ぶり以上だった、4人で会うのは。
4人で共にした、それぞれが自由気ままというより勝手な感じで、
勝手なのに妙な連帯感があって、
東京にいるのに、まったく別の空間にいるみたいで居心地が良かった。
アンケートには、その時の一番の思い出をそのまま「感動したこと」として記述した。
だけど、本当にわたしが感動した、言葉を失うくらいに「あっ!」となったのは、
3人と別れて、翌朝仕事に向かう通勤途中でのことだった。
何でだろう、あの時とつぜん、わたし含めた4人が頭上に浮かんで、
どういう順番かはわからないけど、この4人でお互いを看取ったり看取られたりするんだな・・・
人生の最期、この4人でそういうことをするんだなぁ・・・
と思ったときに、言葉を失った。
のちのち、人数が増えるかもしれない(増えていただきたい)。
増えても増えなくても、とにかくこの4人は確定している。
わたしが一番年上だけど、人の寿命はどういう順番で終わりを迎えるかはわからない。
ただ、どんな順番でも、4人で、少なくとも最初の一人のことは残りの三人で送り出せる、
そう思ったら、泣きそうになり、ただただひたすら足を前に進めるしかできなかった。
あの瞬間のこと。
通勤風景と自分が歩く感じと、そして回想していたこと。
その3つが合わさった瞬間が、今年の夏、一番感動したことだった。
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